高校生から寄せられた「将来の夢」のお悩みとその叶え方(後編)【藤原さんの育児学Vol.38】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

高校生からのリアルな「将来の夢」のお悩みに答えた時のお話【後編】

今回も10年ほど前、近くの高校の職業講話に立った時、生徒たちからいただいた「夢」に関する質問と、その私なりの回答をお伝えしたいと思います。

コロナ禍でどうしても前向きになれない人も少なくないと思います。
そんな時、何かのきっかけとか、ヒントになれば幸いです。

「私の夢は甲子園に出場」と答えた高校生への回答

まず、あなたの野球の能力が分からないので、真面目に野球に取り組んでいるという前提でお話します。(笑)

みなさん、彼が甲子園を目指して野球に取り組んでいることを知っていましたか?
……誰も知らないようですね。

これでは可能性が減ります。

有言実行という言葉がありますが、一般に「自分の発した言葉には責任を持て」という意味で使われると思います。
ですが、言葉にした物は現実になるという面もあります。

キリスト教でも仏教でも「種をまきなさい」と言われるようですが、これは自分の夢を叶えるために種をまくことが必要だと解いているのです。
大きな実でも美しい花でも、最初は種から始まります。

花を咲かせるためには、太陽や水、肥料などの外的サポートが必要になります。
甲子園という花には、チームメイトの協力に加え、同級生や家族、卒業生や同郷の人々から光や燃料となる力を注がれる方が、可能性がグッと広がるでしょう。

クラスの生徒があなたの想いを知れば、掃除当番を代わってくれるかもしれませんし、応援に駆けつけてくれるかもしれません。
そのためにあなたがする事は、自分の甲子園に行きたいという夢を話すだけ。

それが種まきであり、夢を叶えていく人達が、周りの人を自分の希望通りに動かす術でもあります。
自分の夢を皆の夢にする、リーダーに求められる資質のひとつです、頑張ってください。

ただし、責任を果たした時には、単に甲子園出場した時より大きな喜びが得られますが、無責任に言葉を発していると、信頼を失うのでそこは気をつけてくださいね。

「私の夢は小さいです……」と答えた高校生への回答

小さい夢で恥ずかしいという事ですね、どんな夢ですか?

「一軒家に住んで白い小さな犬を飼って暮らしたい」

家は高額ですし、犬は命の責任が発生するので、小さくない夢ですね(笑)。
高校生なのに、もう安定というか、落ち着いた生活に憧れているのですね。
でも、今日の質問の中では一番具体的で叶えやすい夢かもしれませんし、私に一番近い考え方かもしれません。

私は、会社を興して、自分自身の人生で必要な物を事業化してきました。
27才の時に北欧を旅したのですが、それまで行ったどの国とも違い、大きなカルチャーショックを受けました。

フィンランドの空港で日本へ帰る飛行機を待っている時に、歩いているビジネスマンがとても格好良く見え、「次は観光客ではなく、仕事でこの国に来る人間になりたい」と思い、今に繋がっているワケです。

この3ヶ月後には当時務めていた会社を辞め、さらに3ヶ月後に会社を登記。登記完了の日、デンマーク大使館へ「北欧商品を扱うお店をしたいので協力して欲しい」とメールしました。

種をまいたワケですね。

すると、大使館職員の山中さんという方が、「明日、東京で展示会があるから来てください」というような返事があり、夜行バスで東京に行き、デンマーク企業を次々紹介されました。
それが切っ掛けで、翌年にはデンマーク企業と輸入契約のため再度北欧の地に降り立ち、ビジネスマンとなって夢を叶えたわけです。

その後、フィンランド大使館のクリスマスパーティーに呼ばれたり、日本テレビさんやTBSさんの番組に出演し、たくさんの芸能人に会ったり、夢が叶った後の方が自分では想像もできない事が次々と起こっていきました。

話を元に戻すと、夢は叶えて終わりではありません。

小さな夢であろうと、叶えた者は責任を果たした者と見なされ、新たな責任や夢を与えられるようになります。
甲子園に行った者にはプロの世界から声が掛かるかもしれませんし、先生も海外の日本語学校に赴任し外国の王子様と出会い、結婚するかもしれません。
実際デンマークやスウェーデンの王女はそういった他国の市民と結婚しています。

大きな夢のためにず〜っと頑張る人もいますが、小さな夢を次々と叶える人が偉業を成し遂げています。

野球で有名なイチローは、自分が在籍したチームを次々と優勝へ導いていきました。
最初っから今の大リーグでの地位を目指していたワケではなく、小さな頃からその時の自分に与えられた責任を理解し、それをチームの夢とし、叶えていく事で、より上の舞台が用意されていったのだと思います。

高校生のみなさんが大きな夢を持ちたい気持ちは分かりますが、まずは小さな夢をみつけ、それを叶える幸せを経験して欲しいと思います。

コロナ禍で奮闘する高校生へ贈るメッセージ

この講演から10年、3.11の震災からも10年目、今コロナが発生するなど誰も想像できなかったと思います。

夢を奪われた人が大勢います。

子どもたちの持つ小さな夢を大切にしてあげましょう。

もし、あなたの持つ夢が、小さな夢だと馬鹿にされたら、いますぐその夢を叶える努力をしてください。

諦めたり先送りしてはダメです。

種から発芽した芽のように、最初は小さくても、先は大きく可能性が広がるものです。

さあみなさん、2021年は大いに夢を語ってください。

応援しています!

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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