芸術の秋に最適!【河井寬次郎と島根の民藝】が9月11日から益田市・石見美術館でスタート

編集部いしやん
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陶芸ファンも民藝ファンも必見!島根が生んだ偉大な陶芸家・河井寬次郎の回顧展がまもなく益田市でスタート

島根県安来市出身の陶芸家・河井寬次郎。

大正から昭和にかけて活躍した河井寬次郎は、様々な技術や釉薬を駆使して多彩な作品を生み出し、数々の名作を世に送り出してきました。言わずと知れた島根を代表する芸術家の一人です。

そんな郷土が誇る河井寬次郎の初期から晩年までの作品を一挙大公開する展覧会がまもなく島根県益田市でスタート。

河井の陶芸とともに、民藝運動や地元・島根の民藝に関する約160点を一堂に紹介する、芸術の秋にぴったりの展覧会。

開催に先駆け、今日は見どころなどをレポートしていきたいと思います!

陶芸家として歩んできた河井寬次郎の作品を時代に沿って紹介

「河井寬次郎と島根の民藝」は、島根ゆかりの陶芸家・河井寬次郎の初期から晩年までの仕事を、松江市にある『島根県立美術館』のコレクションからたどっていく秋の企画展。

その作風から、前期・中期・後期の3つのセクションにわけて、河井作品を鑑賞できる構成になっています。

【前期】古陶磁研究に基づく

東京工業高等学校の窯業科を卒業後、大正9年に京都を拠点に本格的に作陶を始動した河井寬次郎。

初期に当たる大正期には、中国や朝鮮などの古陶磁研究をもとに高度な技術を駆使した技巧的で華麗な作品を発表。

個展デビュー当時から「天才は彗星の如く突然現る」と高く評価されたんだそうです。

【中期】 民藝に傾倒する

学生時代に出会った陶芸家・濱田庄司を通じて、「民藝運動の父」とも呼ばれた思想家・柳宗悦と交流を持ったこの時期。

大正末期から自身も民藝運動の中心メンバーとして活躍し、これまで人気を博した中国古陶磁のスタイルを捨て、作風も実用を意識した力強いものへと変化していきました。

この時期河井は、「用の美」を意識した暮らしの中に溶け込む作品を次々と生み出していきました。

【後期】自由な造形へ

戦後は、実用にも、既存の焼き物の形にもとらわれない、自由で独創的な造形へと独自の作風を確立。

「これぞ河井寬次郎」と言えるようなエネルギッシュで力強い作品が多く見られます。

このように、作風の変遷が河井の生き様や考え方になんだかリンクしているようで、作品から河井が歩んできた人生が垣間見えてくるような気がしてきますね。興味深いです。

河井とともに民藝運動を推進した作家たちの芸術も味わおう

陶芸家としても数多くの優れた作品を残した河井寬次郎ですが、思想家の柳宗悦や陶芸家である濱田庄司らとともに「民藝運動」を興したことでも知られています。

当時、民衆の手仕事による工藝品は「下手物」と呼ばれ、評価されていませんでした。しかしそれでも、河井たちは「下手物」に美しさを見出し、代わる呼び名として「民衆的工藝」、略して「民藝」という言葉をつくり出しました。

その後は、各地で民藝品の調査・蒐集を行うとともに、「民藝」という新たな美の概念を人々に訴えてきたというわけです。

展覧会では、棟方志功や芹沢銈介など、河井寬次郎とともに民藝運動を全国に推進した作家たちの作品も堪能することができますよ~。

さらに「民藝」として評価され見出された島根の手仕事についても学べる

昭和6年には、民藝運動の父と呼ばれた柳宗悦が、島根県の津和野から安来までを巡り、民藝調査を行いました。

これは「島根工藝診察」とも言われ、現益田市の「喜阿弥(きあみ)焼」、石見地方の「石見(いわみ)焼」や登り窯、さらに出雲地方の「日の出団扇」などを視察しました。島根の様々な手仕事に出会い、それらに民藝としての価値を見出し、魅力を全国に発信。

本展では、そうした島根の民藝作品も紹介。

実用性を兼ね備えながらも、芸術性にも優れた手仕事作品。地元の私たちでも案外知らないその工芸品の世界にふれられるいい機会ですよ。

『河井寬次郎と島根の民藝』は9月11日~11月1日まで益田市のグラントワで開催

以上、ご紹介したように、見応え充分な「河井寬次郎と島根の民藝展」は益田市のグラントワ内『石見美術館』で2021年9月11日(土)~11月1日(月)まで開催されます。

企画展「河井寬次郎と島根の民藝」概要
日程 2021年9月11日(土)~11月1日(月)
9:30~18:00(最終入室17:30)
会場 島根県立石見美術館
(島根県益田市有明町5-15 島根県芸術文化センター「グラントワ」内)
観覧料 【前売券】企画・コレクション展セット900円【企画展当日券】大人1000円、大学生600円、小中高生300円【企画・コレクション展セット当日券】大人1150円、大学生700円、小中高生300円
※前売券は、ローソン各店(Lコード62120)で購入可
休み 火曜
問い合わせ 島根県芸術文化センター「グラントワ」(0856-31-1860)

一度といわず、何度もリピートしたくなる企画展といっても言い過ぎじゃないかも。

さらに、企画展のWEB割引券が特設サイトからダウンロードできますので、ぜひ利用してお得に「芸術の秋」を楽しんでくださいね。

芸術の秋!たまにはゆったり美術館で優雅な休日を過ごしてみては?

様々な制作技法を駆使し、多彩な作風が魅力の河井の芸術を余すところなく堪能できる企画展「河井寬次郎と島根の民藝」。

郷土ゆかりの芸術家の作品を思う存分鑑賞できるまたとない機会ですが、あわせて地元の民藝など、知っているようで知らなかったふるさとのアートについてもいろいろと学べそうな興味深い企画展ですね~。

秋の気配を感じる頃。アクティブに遊ぶのも楽しいけど、たまには地元ゆかりの優れた芸術作品を鑑賞したり、郷土の芸術の歴史にふれてみたり。そんなゆったりとした気分で芸術の秋を満喫するのもいいかもしれませんね。

展覧会の詳細はコチラ↓↓をチェック!
企画展「河井寬次郎と島根の民藝」|島根県芸術文化センター「グラントワ」

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島根・鳥取のタウン情報誌ラズダ編集部スタッフ。島根県松江市出身→浜田市→大阪→奈良→松江市在住。
「日刊webラズダ」では編集デスクを務めています(ただの机です)。喫茶店の冷えたおしぼりと、帽子が大好物な三十路。
日刊webラズダでは主にグルメ、ショップ、キッズ関係の記事を担当しています。あ、あとバツイチ&2児のシングルファーザーです。(←どうでもいい??)

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