算数と国語どっちが大事?子どもの時にこそ国語力を育ててあげて!【藤原さんの育児学Vol.59】
育児のお悩みあるある「算数と国語どっちが大事?問題」に回答
みなさんこんにちは。2021年ももうすぐ終わりですね。
オリンピックやコロナワクチン接種、首相の交代や半導体不足、生活必需品の値上げなど、今年もいろいろありました。のど元過ぎれば……の如く、終わった事はさておき、我が家では子どもたちの小学校と、中学校の入学行事が重なり、その準備が始まっています。
店頭でも、幼稚園はどこがオススメですか?小学校入学前に何を準備しておく必要がありますか?など、聞かれる機会が増えてきました。
そこで今回のコラムは、「算数と国語どっちが大事?」問題に関してお話していこうと思います。
「会話ができる」からといって「言葉を理解している、意思の疎通ができている」とは限らない
みなさんは、算数と国語とどちらが得意ですか?
小学校1年生では、理科や社会などはまだなく、学習は算数と国語から始まります。
そのためか、多くのお父さん・お母さんから「10以上の計算をどう教えたらいいのでしょう?」、「まだ平仮名が書けないのですが、学校に行ったら教えてもらえますよね?」などと毎年相談を受けます。
今週だけでも5件ほど同様の質問に答えていますが、足し算・引き算の計算や、文字を書くことよりも、言葉の意味を理解する力が大切です。
子どもが、親や先生の話している言葉の意味を理解しているか?
こう聞くと、ほとんどの方が「普通に会話できているから分かっていると思います」と答えられますが、私は疑問に思う事がしばしば。というのも、夫婦間や職場でも、意思の疎通が完璧ではないのに、本当に子どもが理解できるとは到底思えないのです。
では、なぜ会話ができていると受け止めてしまうのでしょう。それは、子どもは大人の顔色で多くを感じ取る能力がすごく高いからではないでしょうか。
息子が5才の頃、滲出性中耳炎になった時、私が息子の異変に気付くまでに2ヶ月位かかってしまった事があります。テレビの音量を上げたり、呼びかけても返事をしないといった様子から病気が分かったのですが、普段の生活はいたって普通でした。
子どもはいろいろな事を理解しているようで、実は曖昧なままの判断で対応している生きものです。
算数と国語。子どもの時にこそ大切なのは「国語力」
小学校へ入ると「先生から多くを学びとる力」が学力向上には欠かせません。そして、教科書やテストの問題文から意味を読み取る力も必要です。
ここまで書けば算数と国語、どちらが大事か分かりますね。
そう国語です。算数の問題を解くにも、学校生活でしつけや様々な人間関係を学ぶにも、なにより国語力がポイント。
大人に近づくと、文系大学が減っていたり、就職するにもIT化していて数学に強い方が有利ですが、子どもの時には国語力をちゃんと育ててあげる事が大切だと思います。
国語力を伸ばすためのポイントは「本との時間」
では、どうしたら国語力が育つのでしょう?
やはり私は、「本との時間」だと思います。
私は、過去に何千人の子どもたちの発育状況をアンケートで見てきていますが、絵本をたくさん読んであげている子どもは、相対的に会話力や文章理解力が高まっていきます。
また、子どもの時から様々な大人と交流を持つことも、コミュニケーション力の上達には効果があるように感じます。学問とは、先人の知恵に学ぶ事なのですから、考えたら当たり前の事なんですけどね。
北欧スウェーデンなどでは、移民の子どもたちは母国語でスウェーデンの義務教育課程を学ぶ環境が整備されています。日本でも、一人ひとりの発達段階や個性に合わせた教育が行われていくことを願うばかりです。
【ちょっと告知】「子どもにどんな本を与えたらいいの?」とお悩みなら“病院内ブックストア”へ
さて、最後にひとつ告知をさせてください。
今年9月28日、鳥取大学医学部付属病院1階に『カニジルブックストア』という書店がオープンしました。
名称の「カニジル」は、病院の広報誌の名前でもあり、山陰名物のカニ汁と「鳥大病院をいかがに知る」とを掛けて誕生したと聞きます。書店の代表は、カニジルの編集長でノンフィクションライターの田崎健太氏が務めています。
一見すると普通の書店のようなのですが、店長は小説家の鈴村ふみさんが務め、読書の達人である選書委員がオススメ本を選りすぐって並べているという、書き手の想いが詰まった書店となっています。
今回、私は縁あってこのカニジルブックストアのシニアアドバイザーを務めることになりました。
生まれたばかりの新しい本屋さん!
絵本や児童書もたくさん集められていますので、子どもにどんな本を与えたら良いのだろう?とお悩みなら、気軽にカニジルブックストアへお越しください。中々、ほかの書店では見かけない本が並んでいて、おもしろいですよ!
★病院内の為、営業時間は平日9時〜17時となっていますのでご注意を。
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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