主張が強すぎる廃墟【山陰フォト散歩】

編集部べーやん
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出雲平田町の大通りにある黒文字だらけの廃墟

どうもこんにちは。山陰のタウン情報誌「ラズダ」編集部のべーやんです。

山陰各地で時折見かける「廃墟」。運転中、つい目を奪われそうになるほど、主張の強~い建物に出合うことも。

今回訪れたのは、出雲市平田町の街ナカに残された、落書き・・・いや、文字だらけの廃墟。

遠目からでも日を引くほど、かなり主張が強い物件です。「俺を見ろ!」と言わんばかり。

いったい何の建物だったの?

廃墟の住所、近隣の建物

“文字だらけの廃墟”があるのは、島根県出雲市平田町1694-1。

『平田ショッピングセンターViVA』の通り沿いにあり、ドラッグストア『コスモス 出雲平田店』の向かい。

壁やトラックに描かれたその文字とは…

やはり最初に気になるのは、これはいったい何の建物だったのか、ということです。

建物にそ~っと近づいてみると、「味の玉手箱」と書かれた看板を発見。

調べてみると、どうやら海鮮料理などを提供する飲食店だったようです。

倉庫らしき建物の裏一面、さらには軽トラックの側面にまで、ところ狭しと書かれた文字、文字、文字。

スプレー缶か何かで大きく記された「日本一安い」の文字。「おそうざい」、「おさしみ」とも書かれています。

どうやら他者による落書きではなく、ココの海鮮料理店の店主か誰かが書いたものっぽい。

なんだこれ、集客への情熱、店への愛情がひしひしと伝わってくる!

「和食のディスカウント」って・・・。ちょっと待って、めちゃくちゃオシャレな響き。

ひゃ、「100グラム100円」!? え、正直なんのことか分からんけど、なんとなく安そう!入店したくなる!

察するに、お惣菜のテイクアウト販売などもやっていたのでしょうか。

でも一番気になったのは、写真右隅の小さい文字。

「有効期限 命ある限りの ファミリー¥380」
「パスポート値引 プレゼント」

ちょっと難読だけど、つまり、ファミリー客は何かの料理かサービスが380円になり、さらに、その有効期限は店主の命ある限り!

しかも、パスポート持参で割引するよ!ってこと?

そして最も大きく描かれた文字は、周辺すべての飲食店を蹴散らす強烈のパワーワード。

「原価食堂」

パワーワードすぎる。これに敵う謳い文句はおそらくないでしょう。

隣に「千円にぎり寿司」とか何とか書いてありますが、もうどうでもいい。パワーワードが眩しすぎる。

倉庫の裏手に回ってみると、暖簾がかかったお店らしき建物を発見。

店主の方が、この場所で毎日毎日、情熱を注いで海鮮料理店を営んでいたのだと思うと、なんだか感慨深いものがありますね。

廃墟に残された、賑わいや情熱の痕跡

今回訪れて分かったのは、廃墟には独特の雰囲気があること。

取り残されたのは古びた建物だけでなく、かつて多くの人で賑わった痕跡や、誰かが手塩にかけて守ってきた情熱の断片がしっかりと残っています。

他にはない独特の感傷に浸れる場所なのかもしれませんね。

【関連記事】かき氷にうどんなど。レトロ自販機の聖地みたいな廃墟が琴浦町にあった【山陰フォト散歩】

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編集部べーやん

タウン情報ラズダ編集部

編集部べーやん

山陰のタウン情報誌「ラズダ(Lazuda)」の編集長。出雲市佐田町出身。
入社以来、ラズダを作り続ける編集スタッフ。新しいラーメン屋には行かなきゃ気が済まないィィ性格(だそう)。
超ローカルYouTubeチャンネル「Lazuda TV」の立ち上げから、企画・編集・出演を務めています!

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