反抗期の中学生と父のギクシャク関係。解決するには?【本当にあった育児相談Q&A】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

反抗期の中学生と父の微妙な関係。解決の糸口はどこにある?

■藤原さんの育児学Vol.115■

こんにちは。レインディアの藤原です。

今回は本コラムで受け付けている、育児相談フォームに寄せられたお悩みと、その回答をご紹介。

テーマは「反抗期の中学生と、その父」について。

〜相談内容〜

(関東圏にお住まいの15才男子のママさんから)

小さい頃から息子にピアノを習わせていました。 小さいころは主人が無理やりやらせていた感があり、仕方なく弾いていましたが、最近は自分から進んでコンクールに出たり意欲的に弾いていました。

中学生になり、昔から言動が自分勝手な主人がおかしいことが理解できるようになったのか、反抗するようになってきました。

息子の反抗的な態度に腹をたてた主人が、ムリヤリピアノを辞めさせました。取っ組み合いのケンカで流血沙汰になったこともあります。

主人が息子のために金を出すのは嫌だと言います。一生懸命取り組んでいる吹奏楽部にも金は出さないと言います。そして息子には一切口をききません。

息子が反抗的だからこうなのか、こんな父親だから反抗的なのか、同じ空間にいるのが苦しくなってきます。

まずは反抗期を迎えた息子、父それぞれの状況・体調を考察

息子さんは、年齢的にも確実に反抗期でしょう。

反抗するのは結果的な表現方法のひとつであり、この時期の根幹にあるのは「自分で物事を決めたい!」という自立心。

息子さんが、強くピアノや吹奏楽部を続けたいと思っているのであれば、それを応援しなければ今後、親子関係の修復はかなり大変になります。

「息子のために金を出すのはイヤ」。この発言は体罰であり、子どもの権利を無視した責任放棄の問題発言。

お父さんは、今は力もあり経済力もあるため、息子を子ども扱いしているのでしょう。けれど、このままでは近い将来、仕返しがあるかも。父親と関わりたくない気持ちが高まれば、介護も何もしてくれなくなると思います。

息子さんが反抗的なのは、正しい成長過程。

ニキビや声変わり、性欲や攻撃性などが自分の内面から湧き出てきて、その変化に対応するだけでいっぱいいっぱいになる時期です。

父親の態度は、子どもの発達に対して無知である典型的な人間の行動。それゆえに悪循環に入ってしまい、お父さんにとっても良くありません。

しかし、息子さんの年齢から推測するに、恐らくお父さんも男性版更年期障害に入る年齢ではないでしょうか?

男性は、更年期になると頑固になり、協調性が失われ、自ら孤独化していく傾向があります。

つまり、息子さんも旦那さんも《ホルモンバランスが崩れ、平常心ではない時期が重なっている》可能性が高いかと。

両者が自分の体の状態を理解しないと、性格的な問題と誤解し、対立して深い遺恨を残しかねないと危惧します。

解決のヒントはまず「お互いが状況を理解し合う」ことから

私からのアドバイスは、息子さんには《自分が思春期であること、思春期とはどういう時期なのかを調べて欲しい》です。

旦那さんへの対応は、《男性更年期は泌尿器科に相談する事もできますし、食事や運動で体を整えられます。》

女性の月経が毎月なのに対し、男性は2~3ヶ月周期でホルモンバランスが変化すると言われます。ですので、旦那さんがイライラしてない時期を見極めて、「息子のやりたいことをさせて欲しい」と相談してみてください。

大切なのは、夫の意見ではなく、息子さんの希望です。

離婚や借金なども頭に浮かぶと思いますが、思春期は最近、若年齢化しているので、年齢的にピークは過ぎているのではないかと思います。

息子さんも、今までは親との会話が減る時期があったと思いますが、これから会話が復活してくる段階。いろいろな事を息子さんに相談して、息子さんとの会話を増やしてみてください。

旦那さんへの対応は、相談者さんの話に耳を傾けないのであれば、ひとりの時間を作ってあげましょう。

子どもを注意する時、「タイムアウト法」も一策。人は周りが離れてひとりぼっちになると反省するようになります。

ただし、ひとりにして放置する時間が長すぎると、タイムアウト法は効果が減るので、遅くとも数日以内には再度声かけしてあげましょう。アメとムチですね。

【関連記事】藤原流「タイムアウト」2才までは叱らない!?子どものしつけは2才から

今回の相談に関しては、情報が少ないので詳細は分かりませんが、息子と対立していて、お父さんも楽しい人生のはずがありません。

お父さん自身も、年を重ねて変化している事を自覚しないといけませんし、子どもは加速度的に成長しています。

その変化を知る事が、まずは第一歩。

お母さんが一番大変だと思いますが、この状況を打開できるのは、お母さんしかいない気もします。

少し長期戦になると思うので、ご面倒でなければ、今後もお問い合わせいただければと思います。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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