どうして少子化が進むのだろう?その理由を考えてみませんか。


息子の卒業式を通して、少子化になっている理由を考えてみる
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
春の到来ですね。先日、息子の中学校卒業式に参加してきました。
私が子どもの時から相変わらず、校長先生やPTA会長の話は長め・・・。ハラスメント問題が厳しくなる現代では、「将来的にはこれもなくなるのかな?」と感じながら、人生の節目を祝う行事を見守ります。
全体での卒業証書授与式を淡々と終え、その後、各教室に生徒も保護者も移動。そして、一人ひとりが学校生活の総括や、保護者への感謝の言葉を発表していきます。
あるお子さんは感動で感情が高ぶったり、あるお子さんはカツラを用意して一芸で笑わせたり。そんな中、いよいよ息子の出番。「え?伝えたい事がたくさんありますし、みなさんの期待に応えて5時間くらい話そうと思っています(笑)」などと掴みトークから入り、体育祭や演劇の思い出、両親への感謝など、3分半にも渡って独演会状態。よくしゃべるところは私の遺伝子を受け継いだようです。
このように個性を出す生徒たち、思春期真っ只中の難しい中学生たちを束ね、卒業式に感動を添えてくださった担任の先生の統率力に感謝します。子どもたちにとって、いい先生との出会いは、人生に大きな影響を与えますよね。
「平等」という言葉の意味、一人ひとり違う個性を最大限発揮させる事での平等。
全員に同じ時間を配分する事が平等と考える人もいるでしょう。一方で、人前での発表が苦手な子に配慮して、得意な子の機会を奪う人も。それが、運動会で一等賞を作らないとか、演劇で主人公をひとりにしない形で、教育現場にはびこったトラブル回避の平等意識に繋がっていました。
ひとりの生徒は、「このクラスで好きな趣味を見つけることができた」と言い、また別の生徒は壇上に立っても、感極まったのかひと言も発さず席に戻りました。
みんなが一様に太陽を向く、美しいヒマワリ畑のようなクラスを作ることもできたでしょう。しかし、このクラスは、森のように多様な生物が支え合い、バランスを保つ姿を見せていました。
もちろん、自然界は弱肉強食で、多くの問題も起こったハズ。けれど、いち保護者として、この先生の教育スタイルにはエールを送りたいと思います。
さて、本日のコラムは、最近話題になっている少子化が進む理由を、世間とはちょっと違う視点からいくつか挙げてみたいと思います。少子化は、良い悪いの前に、歴史の流れに必然的になっている事が分かると思いますよ。
改めて考えてみる「少子化」の要因とは何だろう
1:親に育児をされていないので、育児の仕方が分からない
密猟によって親が犠牲になったオランウータンは、動物園で保護され自身が親になった時、子の面倒をみられないと聞きます。
育児相談に来られるお母さんも、しばしば「自分が母親から厳しくされたので、娘にも厳しく当たってしまう」、「自分がされた以外の方法が分からない」と吐露。
現代人は保育園なしに育児はできなくなっています。それは親世代、祖父母世代から始まっているため、すでに“育児を知っている人”が日本では絶滅危惧の存在に。
学校では、育児に関する事はまったく学びません。性教育や地球環境を学ぶ以前に、赤ちゃんや子どもを学ぶ事が大事なのではと思います。
2:専門家という割に、実は育児経験がない
政治家は元より、大学教授や医師、教職にある人々や保育士、行政職員まで、そもそもそういった職業の人は忙しいのが日本の職場環境。
自分の子どもとの時間を犠牲にして働いておられるので、知識は豊富でも実学が乏しい。すなわち、理論武装した専門家の意見が、的を得ていないと感じる事が度々あります。
過去、たくさんの専門家にお会いしました。その中には論文のために研究しているだけ、お金とエゴで専門家を演じてるだけという人も。解説者ではなく、“解決者”であればいいのですが。
3:今の日本では生まれてきても辛い思いをすると考え、まだ見ぬ子を守るために産まない
子どもは大好きで、子どもを産みたい!けど、どんどん生活が苦しくなり、政治も社会もモラルが低下している中、火中に子を投げ入れるのは残酷なことに感じてしまいます。
子どもたちが犯罪者や、金の亡者にに狙われる日本、子ども達が自死を選ぶ日本。そんな世界に大切な子どもをいかせたくないですよね。
4:幸せな人が周りにいない
《好きな人と一緒になり、子どもを授かり、仕事や趣味に生き、充実した生活を送っている人》、みなさんの周りにいますか?
私が25才くらいの時まで出会った人々の中には、ひとりもそういった目標となるような大人はいませんでした。
ようやく出会ったのは、アメリカや北欧の地。彼らも、もちろん悩みは抱えていますが、良い教育、所得、学び続ける生き方、家族への愛、地域貢献意欲などに、大きなカルチャーショックを受けました。
そこから自分自身がどのように生きるのか、子どもをどう育てるのかの道が見えたのですが、私は国内では尊敬できる家族という人々が思い浮かびません。そもそも、テレビやネットを見て笑うという時点で問題があり、家族の中で笑いが生まれるのが理想ですよね。
5:問題がお金だと思い込んでいる
生活が辛い、仕事がおもしろくない、ご飯が満足に食べられない、勉強ができない、夫婦関係が悪い、光熱水費が払えない。
お金があれば解決する問題でしょうか?
育児よりも仕事を選ぶ専門家は、子育てよりお金を選んでいると言えませんか。子どもにお金をたくさん渡しても、子どもは幸せになる使い方を知りませんし、お金より親に抱っこしてもらいたいと思うでしょう。
6:男性の育児意識が変わらない
育児をしている事が評価されない社会。以前より、男性が育児に取り組む意識は増してきているかもしれません。でもそれは「手伝っている」というスタンス。
妊娠期から一生に渡って「子どもを育てる」覚悟がある父親は、どの程度いるのでしょう?
人類が誕生し、地球の歴史上、育児はほとんどの民族で女性が担ってきました。けれど、その間の女性の行動変化は大きく動いています。特に昭和以降の日本では、農業による自宅での共働き時代は子どもは側に居ました。が、工業化による職業地へ外出する流れになり親子は離れることに。所得が得られる家庭では専業主婦で育児に専念する形の人が登場。
そして、高等教育を受けられるようになり、平均結婚年齢は上昇。近年は職場でも管理職へ参加が求められるようになり、晩婚化、時代時代で女性の生活は変化し、同時に子どもとの時間はどんどん減っていきました。
一方、男性の家庭における子どもとの時間はどうでしょう?
男女平等をうたうなら、究極的には子どもが成人するまでの人生において、パパと過ごす時間、ママと過ごす時間のバランスや、教員の男女時間割合も検討するべきなのかもしれません。
そうなると、離婚した場合や、事故などで親がいない場合は?という課題が出てきますが、それこそシングル家庭に負担を押しつける社会ではいけないでしょう。
私は、28才で起業し、31才で結婚。その後、第一子を授かったタイミングで、住居兼店舗に引っ越し、仕事を3割まで減らして幼稚園に年中さんで預けるまで育児して、その間に子どもに関わる研究や学習をしています。
創業経営者であり役員なので、勤務時間の制限がなく、自己判断で仕事をセーブして育児に取り組めたので、私が3年も4年も育児に専念できたのは運が良かったのかもしれません。
多くの人はマネしないとは思いますが、何よりも子どもとの時間を優先した人生の歩み方は、たくさんの感動を経験できるので、多くの人に味わって欲しいとも思います。
かなり遅れをとっていますが、日本の少子化を止めるには、親が安心して育児ができる環境を整備する事が必要。保育園や学童など、他人に預ける場所では結果的に親子が引き裂かれてしまいます。
子どもが、どうすれば一日を楽しく過ごしていけるのか?
本当に少子化を止めたいならば、親が喜ぶ育児施策ではなく、子どもが喜ぶ育児施策を考えるべきです。
それは決して、子どもの発達が早いとか、IQが高く育つ事ではなく、子どもの希望に親が答えられる環境を作るべきです。
豪華な遊び場を整備する事ではないですからね。ヒントは、《子どもは親が笑顔で自分に接してくれる時に幸せに包まれる》事。みなさんも考えてみてくださいね。
お悩み相談を受付中です
みなさまも何か聞いてみたい事などありましたら、お気軽にお悩み相談フォームにお寄せください。ただ、ここのところ方々から相談が数多く寄せられており、お返事にお時間をいただく場合があります事、ご了承ください。
-------
下記相談フォームより、匿名での無料相談も受付中。鳥取県外の方のご相談も大丈夫です。
なお、メールでの回答となりますので、私からの回答が迷惑メールフォルダに入っている場合や、順番に対応しているため返答に日数をいただく場合もあります。ご了承ください。
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人

Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】
コーセリプロジェクトHP