知らないと損する!?文化事業の「助成金」の受け方【第2回】『しまね文化振興財団(島根県)』
助成事業「しまね文化ファンド」を知ろう
地元を盛り上げるために何か事業をやりたい!というときに、資金調達は大きな課題のひとつ。コンサートや演劇公演をするにしても、施設利用料、広告PR物の制作費など何かと費用がかかります。
そんなときに検討したいのが『しまね文化振興財団』が推進している助成事業「しまね文化ファンド」。島根県民が自ら企画し、主体者となって行う文化事業を助成金でバックアップしてくれます。
「しまね文化ファンド」の仕組みについて教えてもらうべく、島根県松江市にある『しまね文化ファンド事務局』の前島頼子さんに直接お話を伺ってきました。
第2回となる今回のテーマは「助成金額」について。
【前回の記事】助成金の受け方【第1回 対象の団体・事業について】
助成してもらえる金額っていくらなの?
―前島さん、前回に引き続きよろしくお願いします
「よろしくお願いします」
―さて、一番気になる「助成金額」ですが、どのくらい助成してもらえるのでしょうか?
「助成金額は『対象経費』の1/2以内で、10万円以上5万円単位です。予算総額が20万円未満の場合は申請できませんが、対象経費が20万円あれば最少助成額の10万円が受けられます」
―『対象経費』と『対象外経費』があるのですね。どんな経費が対象外なのでしょうか?
「主に弁当やお茶などの飲食費、振込手数料や催事保険料、申請団体自身が受領する経費や経常活動のための費用、備品購入や施設修繕費などを対象外としています。ただ、事業によって幅があるので、実際には様々な経費が出てきます。その場合、資金使途を確認したうえで対象経費か対象外かを判断します」
―助成金額に上限はあるのでしょうか?
「実は、助成金額に上限はありません。皆さんビックリされますが、これが「しまね文化ファンド」の最大の特長なのです。ただし、全く上限がないわけではなく、一部例外の事業もありますし、ほかの助成金やクラウドファンディングなどを一緒に活用する場合は、助成額に制限を設けることもあります」
「文化交流」事業には航空運賃や旅費の助成も
―前回の記事で、助成対象となる3つの分野について教えてもらいました。その中の「国際文化交流」では、海外で実施する事業も対象になるとのことでしたが、渡航費がネックですよね。そういった経費は助成対象にならないのでしょうか?
「海外で実施する事業については別の基準を設けていて、対象経費を「事業のための道具運搬費」「日本~渡航国の往復航空運賃」の2つに絞っています。助成率は同じ1/2ですが、航空運賃は最大100万円まで助成できます」
―旅費の一部を助成してもらえれば、海外での文化交流にも取り組みやすいですよね
「そうですね。ほかにも文化交流を重点的に支援するため、特別な基準を設けています」
―例えば、島根県は東西に長いですが、遠地に出向いて行う場合の旅費などは対象になりますか?
「はい。通常、申請団体の旅費などは一切助成しませんが、『県内移動公演への旅費助成』として最大20万円まで助成できます。簡単にお話ししますと、「団体の活動拠点地から50キロ以上離れた場所で実施する、公演またはワークショップ事業」を助成の条件としています。移動手段は公共交通機関かレンタカー、または貸し切りバスで、自家用車経費は認めていません。この移動事業は申請前にご相談いただくことをお願いしています」
―50キロというと安来~出雲、松江~大田くらいの距離ですね
「松江の演劇団体が益田で公演した例があります。東西の行き来が盛んになれば、県内全域の文化活動が活性化しますし、文化事業が少ない中山間地域などで実施してもらえれば地域づくりにもつながります。文化事業は、実はいろいろな可能性を秘めていると思います」
助成回数には制限がある
―助成回数には制限があるのでしょうか?
「はい、助成を受けられるのは1団体3回までです。ただし、最後に助成を受けて5年を経過した場合、あらためて3回、助成を受けることができます。つまり、5年経過した時点で、それまで受けた助成回数が消滅するという仕組みです。」
―5年おきに3回ということですね。この3回というのは「3回連続」ということでしょうか。例えば、2年空けて申請しても大丈夫ですか?
「間が空いても大丈夫です。申請ペースはあくまで皆さんの任意ですので」
―ペースは自由なんですね!
「そうですね。実はそれとは別に、私たち「しまね文化ファンド」が特に力を入れて支援したいのが『参加者公募事業』です。これに該当する事業は、助成回数を最大5回と優遇してるのです」
―それはどんな事業ですか? 5回も受けることができれば、事業の定着にもつながりそうですね
「『参加者公募事業』とは、出演者を広く一般から公募して行う事業を指します。いわゆる市民演劇や市民オーケストラといったものですね。日頃あまり文化活動に関わっていない人たちに、実際の制作現場を体験してもらいたい、文化活動のおもしろさを味わってもらいたいとの想いから、助成回数は通常の3回ではなく、5回と優遇しています」
―重点的に支援したい事業にしっかり対応できるよう、回数や助成対象経費などにメリハリがあるのですね。ありがとうございました。次回は助成申し込み方法や手順などについて伺います!
【前回の記事】助成金の受け方【第1回 対象の団体・事業について】
4/27より「2020年度後期募集」受付開始!
しまね文化ファンド 2020年度後期募集
受付期間:2020年4月27日(月)~5月29日(金)当日消印有効
[事業実施期間]2020年9月1日~2021年3月31日
[助成決定予定]2020年7月下旬
情報は下記HPからチェックできます。また、助成申込書のダウンロードも可能です。
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この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部べーやん
山陰のタウン情報誌「ラズダ(Lazuda)」の編集長。出雲市佐田町出身。
入社以来、ラズダを作り続ける編集スタッフ。新しいラーメン屋には行かなきゃ気が済まないィィ性格(だそう)。
超ローカルYouTubeチャンネル「Lazuda TV」の立ち上げから、企画・編集・出演を務めています!
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