画家の仕事」と聞いて思い浮かぶのは何だろうか。多くの人は「絵を描くこと」と思われるかもしれない。とてもシンプルなこの言葉ですが、突き詰めて考えるとじつに多様な側面をもっている。

島根県浜田市出身の日本画家・石本正（1920-2015）は、感動する心を大切にしながら生涯絵を描き続けた画家だ。東洋西洋の美術を学び、吸収しながら“現代に生きる”自分にしか描くことのできない作品を生み出すことを目指した。その中で、伝統的な描き方を踏襲するだけでなく、独自の技法も生まれてきた。

また、一人で制作に打ち込むだけでなく、ふるさとの石正美術館を核として、たくさんの人と共に絵を描く喜びを分かちあう石本正絵画教室や塔の天井画制作などの取組みを通して、石見地域の芸術文化の発展にも貢献。

本展では、当館収蔵の現代日本画家の作品を展示し、作品の描き方や道具、制作にまつわるエピソードも紹介しながら、様々な角度で「画家の仕事」を読み解いていく。

【出品作家】石本正／ 池田知嘉子、岩本和夫、奥村美佳、川端健生、岸本裕子、今美礼、藤本直司、船越修、牧野良美、松倉茂比古、吉川弘（50音順・予定）