小学6年生はもう大人!親の察知&プレゼン能力が問われる分岐点【藤原さんの育児学Vol.24】
小学生コラム最終回は自立心が育ち常識を持つ12才・6年生がテーマ
小学校シリーズで書いてきました今年のコラム、今回はいよいよ小学6年生です。
皆さんは、11才から12才の年齢にあたるこの頃の記憶、何を覚えていますか? おそらく多くの方がたくさんの事を思い出されるのではないでしょうか?
学校生活や家庭での思い出、恋や部活など具体的に思い出せると思います。
それはすなわち、今日の生活でその経験を生かしている、判断に応用しているという事ですよね。あの頃の事を思い出しながら読んでいただければと思います。
大人びてくるからこそ問われる親の“察知能力”
前回、小学5年生では決めつけが始まると書きましたが、小学6年生は「常識を作る」年齢と言われています。
【前回のコラム】その後の親子関係が決まる?小学5年生は親の思いを伝える最大の好機だった!?【藤原さんの育児学Vol.23】
例えば、階段は同じ高さで続いているとか、黄色信号の後には赤信号になるとか、大人なら当たり前のルールを覚えるのが小学6年生頃なのです。
それまではどうかと言えば、階段の最初はちょっと低いかもしれないとか、黄色信号の後に青になる事もあるのではないか、と考えたりしています。
子どもの発想の柔軟さや、脳の柔らかさという表現は、6年生になると少し合わなくなってきて、大人と同じように理論的に物事を理解し、情報を整理するようになります。大人の言うことを即座に理解し始め、大人に対して知識で対抗する事も始まってきます。
また、正義感が育ってくるので、「正しいことは正しい」「間違っていることは間違っている」と自分の意見も出てくるでしょう。
この頃から、団体行動やチームプレーなどで一致団結する能力も高まってきて、役割分担や適材適所といった人の得意・不得意を見極めるような行動も。
大人になってもこれらの項目が苦手という方は、もしかすると小学校6年生頃に原因があるのかもしれませんね。
そして、下級生の面倒を見たり、将来の夢を形作ったりと、ひとりの人間としてしっかりしてきます。
しかし、自立心が育ち常識を持ち始めると、問題も発生してきます。
大人を軽く見て馬鹿にしたり、正義を振りかざして人のミスを罰したりと、人間関係が極端になる場合もあります。
それらが、イジメや家出といった行動に向かったり、勝ち負けに拘ったりと、自分でコントロールできずにストレスを溜めてしまう年齢でもあります。
私達大人が気をつけないといけないのは、頑張っている姿を頼もしく感じながらも、隠れたストレスを感じ取ってあげる事だと思います。
親のプレゼン能力も問われる!? 選択肢をきちんと提案してあげよう!
では、小学6年生の子供たちには、どんな経験や環境を作ってあげるのがいいのでしょう。
私は、まず選択肢を作ってあげることが大切だと考えています。
例えば「歌手になりたい」という夢を持った子どもに対して、応援するだけではなくミュージカルや作詞家など関連する仕事の存在を伝えたり、進学先の中学校がほぼ決まっていても、都会や海外の中学校へ行くとしたらどうするかを、一緒に考えてみるという事をしてみます。
「常識を作る」と言うことは、逆に考えれば世界を「すでに知っている情報の中で捉えがち」になってしまうという心配があります。
世の中には、たくさんの仕事やまだ誰も経験したことのない生き方がある事を知れば、向上心や探究心に繋がります。
親が進路を決めて、逃げ道の無い人生に追い込むような事はして欲しくありませんし、放任主義で何の選択肢も与えられなければ、それは迷子と同じで人生に迷ってしまう事になります。
選択肢を用意し、自分で選ばせる事で、方向性を示しながら自立心も尊重できるのではないのでしょうか。
卒業式は多くの感動を与えてくれます。
たくさんの思い出との別れもありますが、小学校6年間を頑張ってきた達成感は自信を持つ事に繋がるでしょう。この後、中学校に入ると思春期に入り、恋愛感情や反抗期といった己の感情との孤独な戦いが始まります。
そうなると、大人に身辺の事を決められることからの反発が強まるので、小学校6年生の段階で将来を親子で語り合えるといいですね。
さて、小学校シリーズは今回で一旦、終わります。
次回からはまた未就学児向け育児のコラムに戻したいと思いますので、中学生に関してはまたどこかの機会で書ければと思います。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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