危険がいっぱい!?赤ちゃんのお風呂で気をつけたいポイント「敏感肌と遊び方」【藤原さんの育児学Vol.32】
敏感肌の赤ちゃんだからこそ気をつけたい「赤ちゃんのお風呂」の注意点とは?
山は紅葉で染まり、日々気温が下がってクリスマスも近づいてきました。
北欧ショップである当店にもクリスマス雑貨が入荷してきて、冬をイメージする時期、温かい食べ物や暖房機器の準備が進みます。
この時期、外から帰るとお風呂に浸かって、身体を芯から温めたいと思いますよね。
でも、赤ちゃんにとってお風呂は危険や負担がたくさんの場所。
ということで今回は、赤ちゃんのお風呂についてお話したいと思います。
「キレイにしすぎ」からくる危険。何事もバランスに気をつけて
温泉がたくさん湧出する日本ですが、基本的に赤ちゃんには温泉がダメな事、みなさんも知っておられると思います。
いろいろな成分が入っていますし、お客さんが勝手に温度調節もできませんからね。
ではみなさん、家庭のお風呂はどうしていますか?
お風呂で肌を弱くしているとしたら、脳に負担をかけているとしたら、などと考えたことはありますか?
育児相談で寄せられる中には、「肌が弱くて毎日お薬を塗っています。」というお悩みもあります。
私の息子も肌が弱く、1才頃には病院で処方された薬を毎日30分も塗っていた記憶があります。
親としては、薬を使う事に抵抗があるのですが、肌を掻きむしって苦しむ子どもを見ると、一刻も早く楽にしてあげたいと思いますよね。
同様の悩みを抱える保護者のウワサを頼りに、当時は何件も病院を回ったものです。
※今回のコラムは通常の生活におけるものですので、アトピー性皮膚炎やアレルギー等肌治療に関する問題は医師の指導にしたがってください。
そんな日々を過ごす中、ある病院で小児科の先生から「お風呂で石けん使っていませんか?」と質問されました。
私は「使ってますよ、肌にやさしい弱酸性の○○を」と話したら、先生が「ダメですよ。弱酸性が肌にいい理由はないですよ」と。
驚きました。テレビCMで毎日お肌にやさしい、赤ちゃんにいいと流れていたので、すっかり信じていました。
家に帰ってから、その視点でネットを調べるとボディーソープや石けんが、肌を薄くするとか弱くするとかいろいろ出てきて不安に思ったことを覚えています。
この話は10年も前の話ですが、肌の弱い赤ちゃんで悩まれているお母さんに質問すると、肌をキレイにしておかないといけないと思い込んでおられる方がとても多くおられます。
食事で口周りが汚れると、ウエットティッシュでこすって拭いて、お風呂では体中石けん泡で包んで洗ってと、赤ちゃんの弱い肌を傷める事をしてしまっている話も実に多いです。
最近は、蛇口を捻ればお湯が出てくる便利な時代になりました。
そのため、赤ちゃんも快適に洗ってあげられるワケですが、よく考えてみてください。
食器汚れはお湯と水とで汚れ落ちが全然違いますよね。
人間の肌も、お湯で洗うだけで実はかなりの油分や汚れが流れていきます。
頭皮や便の汚れなど一部を除いて、あまりボディーソープでゴシゴシ身体をこすって洗い過ぎないようにしたいものです。
1才頃まではデリケートな時期ですが、一方で免疫をつける大切な身体作りの時期。
先日もテレビ番組でアレルギー研究をされている先生が「土を食べた方がいい」と話しておられましたが、生活圏に存在し、人生をともに歩む必要のある物質を身体が学ぶ必要があります。
コロナ禍やインフルエンザなど命に関わる心配もありますし、大腸菌など石けんで丁寧に洗わないと落とせない菌もあり一概には言えませんが、後天的に肌を弱くしている場合がある事を知ってほしいと思います。
小さいうちのお風呂はサクッと短時間に
次に、お風呂に浸かる行為について。
寒くなってくると、親子で一緒にお風呂に浸かって一緒に遊ぶ時間も出てくるでしょう。
でも、1才半頃までの赤ちゃんにとって、お風呂に浸かることはかなりの疲労になります。
そもそも、赤ちゃんは体温調節が苦手で、3才頃までかかって生まれた国の環境に適応する身体を作っていきます。
朝、赤ちゃんが寝ていた布団の下が、おねしょをしたかのごとく濡れていた経験をしたこと、みなさんもありませんか?
人間は寝ている時にしっかりと汗をかきますが、赤ちゃんは汗の適量をまだコントロールするほどのデータがありません。
大人にとって適温なお風呂も、赤ちゃんにとっては危険な場合があります。
熱中症と同じく、水分、塩分も問題ですが、体温を平熱に保とうと脳はフルパワーで動き始めます。
お風呂上がりの大人は、脳が疲れた疲労感が心地よく眠りに向かいますが、赤ちゃんは必要以上の身体の危機により、情緒が安定しなかったり水分補給する力が弱くなってしまったりする心配があります。
3才や4才になれば、お風呂でしっかり遊べるようになるので、小さいうちはお風呂は軽く終わらせてあげてくださいね。
余談と、1才半以降のお風呂タイムのオススメの過ごし方
ここからは、ちょっとお風呂にまつわる余談をいくつか……。
今回のコラムでは、お風呂に一生懸命な方の話を書きましたが、保育士さんからは真逆のお風呂に入れてもらっていない子どもの話も寄せられます。
ある保育士さんは、「頭が臭ってきて可哀想なので、1週間に1回くらい保育園で身体を洗ってあげています」との事で、現代育児環境の課題を考えさせられます。
シラミなどの報告も毎年届きますので、コロナやインフルエンザも心配ですし、衛生管理には気をつけたいですね。
またコラムでは、お風呂に長く浸かると脳が疲れますと書きましたが、体内時計が育ってくる2才頃になれば、就寝時間が近づいてきた時にお風呂に入るのも一策です。
1才半以降になると体力もついてくるので、夜中々寝てくれなくて困る事もありますが、残った体力をお風呂で使うといいかもしれませんね。
2才半頃にもなれば、数の概念を学ぶ段階に入るので、お風呂に浸かって、10数えてから上がるといった数とふれあう経験もいいでしょう。
3才を過ぎれば、文字や絵を認識するために、お風呂に数字やひらがなのポスターを貼ってふれあうのもいいですね。石けんの泡で絵や文字を書いて遊んでみましょう。
ほかにも、石けんやシャンプーで作ったシャボン玉の泡で遊んだり、お風呂上がりに大きなバスタオルでドレスや帽子を作ってみたりと、秋の夜長、湯冷めしない程度に親子で楽しいお風呂タイムをお過ごしください。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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