もうすぐクリスマス♪子どものプレゼント選びで考えたい子どもとお金の話【藤原さんの育児学Vol.33】
「プレゼント選び」は子どものことをどれだけ理解しているのか?のテストなのかも
日々寒さが増してきて、冬の足音が聞こえてきました。
当店にもクリスマス雑貨が入荷し始め、クリスマスツリーも登場し、子どもを持つ家庭にとっては、子どもたちへのプレゼントに悩む季節の到来です。
また、年末年始の準備など、お金をたくさん使う時期でもありますよね。
そこで今回のコラムでは、プレゼントとお金の話をしたいと思います。
まず皆さんは、“お金”をもらうのと“プレゼント”で物をもらうのと、どちらがいいですか?
「お金!」と即答されそうな質問ですが(笑)、子どもたちにはプレゼントを贈って欲しいと思います。
プレゼントを悩む時間、プレゼントを隠している時間、プレゼントを開けた時の子どもの反応を見るのも、全部幸せな時間ですよね。
もちろん、ガッカリさせてしまい、悲しい気持ちになる事もあるでしょう。
プレゼントは、子どもの事をどれだけ親が理解しているかのテストなのかもしれませんね。
では、なぜお金ではいけないのでしょう?
「うちの子はお金を一番喜ぶ!」と思われた方、すでにお金の魔力に引き込まれているかもしれませんよ。
昔から日本では、小さい時からお金の大事さを学ぶためとか、計算力をつけるため、と言ってお小遣いを与える事が普通になっています。
しかし、現代社会を見れば分かるように、お金の教育をしても日本人は幸福感も弱ければ一人あたりGDPも先進国の中では低く、うまく回っていないような気がしませんか?
コロナ禍や首相交代もあり、ベーシックインカムや給付金といったお金のニュースも目にしますが、そもそもお金は目的ではなく、課題解決の一時的な仮の姿、手段です。
生産した野菜や魚などのままでは腐って保管できないので、お金に変えて必要な時まで貯蓄するワケです。
現代社会の問題は、人々が目的を失っている事でしょう。
「本当に欲しいものは?」という自問自答が子どもの自立につながる?
例えば、駄菓子屋さんに行ったとします。
「500円で買い物しなさい」と渡された子どもと、「お店の中から欲しいものを選んでいいよ」と言われた子ども。どう行動すると思いますか?
500円与えられた子は、計算して300円分買って200円貯金するかもしれません。
ですが、「本当に欲しいものを考える・吟味する」という行動が欠けてしまいます。
お店の中なら好きなもの、欲しいもの、今食べたい物は何なのかを考える事こそ、自分自身を知る大切な行動ではないでしょうか。
多くの場合、駄菓子屋さんで欲しいものを選ばせた子どもたちは500円も使いません。
結果的に親のコストは下がり、ムダな買い物はしないワケです。
これは、大人も同じです。
晩ご飯のメニューを決めてからスーパーに行くのと、財布だけ持って買い物に行くのとは大違いです。
セール品とか割引シールに釣られてムダな食材を買った経験、みなさんもありますよね?
子どもが小さいうちからお小遣いの習慣をつけてしまうと、お金は「もらう物」になり、お金を生んだり稼ぐ工夫をする力が育ちません。
では、子どもがもし、「この駄菓子屋には欲しいものが無い、おもちゃ屋さんでミニカーが欲しい」と言ったらどうすればいいでしょう?
これは出費がかさみますが、私はぜひ買いに行ってあげて欲しいと思います。
自分で考え、親と交渉する力は、自立の第一歩。目先のお菓子よりも欲しいと思っていた物に対する気持ちを大切にしてあげましょう。
辛いことが多かった今年のラストをハッピーにするために……
冒頭で、プレゼントにかかわる時間は幸せな時間と書きましたが、人生はサプライズ(驚き)があるからおもしろいと思いませんか?
人生が思い通りになって、欲しいものが買えても、それだけでは欲望が満たされたに過ぎません。
映画やドラマの展開が、予想もつかない方向に行くことにドキドキするように、コロナ禍で辛かった2020年のクライマックスは、ステキなプレゼントで来年に希望を抱けるようなクリスマスにしたいですね。
そして、お正月の「お年玉」という現金を配る風習も、金額の高い低いではなく、家族との時間を意識して活用して欲しいと思います。
私が小学生頃の頃、普段は自室から出る事のなかったひいお婆ちゃんから5000円のお年玉をもらったのですが、その数ヶ月後に老衰で亡くなってしまいました。
私はその5000円で万年筆を買い、大切なサインやお手紙を書くときに使うなどして、今でもひいお婆ちゃんを時々思い出します。
昨年の私の誕生日、息子からはお手紙をもらいました。
仕事場の机の前に今も飾っていますが、プライスレスなプレゼントです。
心あるプレゼントは、人生を豊かにしてくれます。
クリスマスまでまだ少し時間があるので、今までの人生でもらったプレゼントを思い出しながら、みなさんも今年のプレゼントを考えてみてくださいね。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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