[赤ちゃんの絵本読み聞かせ後編]1才~小学校までの読み方のコツ・本の選び方【藤原さんの育児学Vol.35】
1才〜7・8才までの絵本の読み聞かせで気をつけたいこと&コツ
今回も前回から引き続き、「赤ちゃんの絵本の読み聞かせ」についてお話ししたいと思います。
前回のコラム→[赤ちゃんの絵本読み聞かせ前編]始めるオススメの時期と読み方のコツ【藤原さんの育児学Vol.34】
1才を過ぎてくると、車を「ブ〜ブ〜」と言ったり、犬を「わんわん」と言ったりできるようになります。
絵本でも、車や犬などを見て「これは知っている」と伝えたい気持ちが赤ちゃんに生まれてきて、コミュニケーションが始まってきます。
そして1才2ヶ月頃には、男の子と女の子の好みの差が生まれてきます。
男の子は車や乗り物の本、女の子は動物やお料理の本などに興味が出てくるでしょう。
1才3ヶ月頃になると、ビックリ箱など驚きを楽しむようになるので、仕掛け絵本などもオススメです。
この頃から、夜寝る時などに絵本を読もうとすると、子どもが毎回同じ絵本を持ってくると思います。
これは、絵の確認や言葉の蓄積のためには重要な行動なので、親の方は飽きてしまいますが、ぜひお子さんの要望に応えてあげましょう。
毎日同じ絵本を読む行動も、1才8ヶ月頃には減ってきて、違う絵本の情報を欲するようになります。
1才10ヶ月頃からは、成長の早い子では「言葉の爆発期」と呼ばれる言葉の理解が急速に進む段階があるので、絵本の読み聞かせで蓄積していた言葉を発する事が始まります。
物に名前がある事を理解するので、絵本に出てくる物の名前を一つひとつ教えてあげましょう。
でも、まだ絵本を最後まで聞いていることは難しいので、途中で最初のページに戻ったり、飽きて止めてしまったりしても気にしないでください。
「気持ち」の理解が始まる2才の読み聞かせ
2才を過ぎると、感情の理解が始まってきます。
絵本の中でも、困ったり、悲しんだりといった気持ちの表現が出てくるので、ママやパパがジェスチャーや演技で絵本の中のキャラクターを演じてあげましょう。
2才3ヶ月頃には、歌の歌詞を一曲丸々覚えたり、踊りの振りを覚えるほどに記憶力が育つので、何度も読んだ絵本は、読む前から文章を先読みするような事も始まるでしょう。
この頃には、1〜2ページ、3〜4ページ、5〜6ページと、ページの変化の過程を覚えるようになり、絵本を最後まで聞いていられるようになってきます。
そして2才6ヶ月を超えてくると、小さい頃から絵本とふれあっていた子は絵本のストーリー展開を理解できるようになり、絵本を本当の意味で楽しめるようになってきます。
このように一貫して発展してきた絵本ですが、2才9ヶ月頃には一旦、赤ちゃんの頃の絵本に興味が戻る時期があります。
一般に「赤ちゃん返り」と言われる行動のひとつですが、このタイミングでは赤ちゃんの時の絵本を用意してあげると早く次のステップに移ります。
2才10ヶ月頃には、想像力が生まれてきて、絵本の内容と自分の経験を組み合わせて、オリジナルのお話を考えたり、替え歌を作って歌ったりできるようになります。
きっと子どもの想像力や吸収力に驚かされる事と思いますよ!
3才から絵本読み聞かせ卒業までの過程
そして、3才を過ぎれば、正義感が強く芽生えてきます。
良い事・悪い事のモラルや、ヒーローや王子様といった憧れも出てくるので、キャラクター商品やアニメキャラクターのお話も理解し始めるでしょう。
3才半頃には、細かな絵の違いを理解するようになるので、間違い探しや迷路も楽しめるようになり、4才頃には左右の概念が育ってくるので、文字の勉強も始められます。
5才頃には、幼稚園から絵本を借りて帰って自分で読む事もできるでしょう。
さらに小学校へ入学すれば、学校図書館デビュー。本好きな子は年間100冊以上の本を自分で楽しむようになります。
7才〜8才と段々絵よりも、文字が多い本に移っていき、文章を読みながら頭で映像をイメージできるようになっていきます。
絵本からの卒業ですね。
絵本の読み聞かせで、子どもと幸福感を共有しませんか?
スマホやパソコン、タブレットなどは、子どもはすぐに使い方を覚え、自分で見てくれます。
一方の絵本は、大人が一緒に読んであげないと楽しめないので、時間や心に余裕を作る必要がありますよね。
家事や仕事、弟妹がいたりすると、さらに絵本を読んであげられる時間を作る事は本当に大変です。
でも、絵本の読み聞かせが一番簡単に子どもが幸福感を得られる方法だとしたらどうですか?
絵本が普及していない昔は、桃太郎などの物語や伝説を子どもに聞かせていました。
図書館でたくさんの本が無料で借りられる時代、有効活用したいですね。
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】
コーセリプロジェクトHP