うちの子に友達はできる?保育園・幼稚園入園で気になる「友達作り」の話【藤原さんの育児学Vol.39】
ワクワクも不安もいっぱいな「子どもの新生活」の“お友達作り”に関するお悩み
みなさんこんにちは。
大雪で始まった2021年も、2月に入り少しずつ春の足音が感じられるようになってきました。
受験や引っ越しなどの話題も届き、春の訪れを実感します。
そして4月は年度がかわるタイミング。進級・進学・新入園と子どもたちが頑張る時期でもあります。
この時期、多くの家庭から「春から保育園(幼稚園)なので心配です……」と相談をいただきます。
今まで家で家族と過ごしていて、同世代のお友達や、知らない先生の所で大丈夫でしょうか?と。
私も、子どもを幼稚園に入れた時に同じように感じた事を思い出します。
ということで、今回のコラムは「お友達できるかな?」です。
まずは知っておきたい「子どもの仲間意識」のめばえ
大人の皆さんに質問です、この1年間で新たな友達ができましたか?
大人になると友達を作る機会って減っていくというか、ほぼない方の方が多いのではないでしょうか。
私の周りに聞いてみても、上司や後輩、同僚や子ども会など、義務的なコミュニティーの中で新規の出会いはあったとしても、友達となると難易度が高いようです。
大人でも友達作りが苦手なのですから、子どもたちの事になるとより心配になってしまいますよね。
「友達」の定義は別として、一緒に遊んでいて楽しい仲間意識はいつ生まれるのでしょうか。
子どもの発達を知っていれば、心配する必要がない事が分かります。
日本では0才でも保育園が受け入れますが、生まれてから9ヶ月頃までは、そもそも自分と他人の概念もありません。
自分が生命として育つために必要な存在の、親や大人の養育者を求めている状況です。
生後9ヶ月頃に後追いなどで母親の行動をマネし始め、1才過ぎには兄姉やほかの人間の行動をマネし始めます。
1才半頃には、公園などでほかの子どもの行動をマネして、同じ行動を取るようになり、2才頃には反抗期などもあってほかの子と距離を置く時期が始まります。
この時期は、ほかの子とおもちゃの取り合いでケンカしたり泣かされたり、まだお友達関係は作れない時期ですね。
でも、2才ではコミュニケーション力が生まれてくるので、近所の人や出会う人に「こんにちは!」などと話しかけたり、子ども同士公園で一緒に遊んだりする事もできます。
ただ、これは友達というよりは、「社会性が生まれてきた」と言う方が正しいでしょう。
それが、3才頃になるとおもちゃの貸し借りを理解するようになり、滑り台の順番を譲ったり勝ち負けにこだわるなどと、相手との関係を理解し始めます。
この頃には、子どもの中でも「大人と子ども」、「年上の子や赤ちゃん」など、自分と能力の違う人間を分けて付き合うようになっていきます。
今まで、ママと私、先生とボク、という1対1の関係から、10人以下の人間関係を構築し始め、ごっこ遊びでもパパ役ママ役、赤ちゃん役お客様役などを配置して遊ぶようになります。
とはいえ、まだ友達関係は作れず、「知っている人は安心できる人」程度の理解でしょう。
焦らなくても心配なし!年中さん頃から友達作りは始まります
その後、3才半頃に赤ちゃん期から卒業し、いよいよ一人一人の個性が定着し成長速度が落ち着いてきます。
そして、4才頃になれば自分と能力やリズムが近しい存在を見つけて、いよいよ「友達」を作るようになります。
幼稚園の年中さんの段階になれば、自分の能力や生活リズム、コミュニケーション力、運動能力など似たタイプの子ども同士で遊ぶようになります。
アニメの「クレヨンしんちゃん」が5才なので、友達の概念がしっかりしているイメージが湧きますよね。
そして、年長さんになれば、友達同士で遊ぶ約束をしたり、子ども同士で遊んでいる時に親から距離を取ったりという行動も出てきます。
その後は、友達がどんどん増える段階に入り、“クラスみんなが友達!”みたいな集団意識が生まれてきます。
卒園式で友達や先生と別れることが悲しんだり、卒園式に感動したりと、小さな体で社会の辛さを体験する姿を見て親も涙してしまいます。
余談ですが、私の息子が年長さんになったある日、幼稚園バスで帰るなり「○○くん家に連れて行って」と突然お願いされたことがあります。
息子はバスの順路を覚えていて、お友達の家まで道案内してくれ、私は戸惑いながらも○○くんの家をピンポン、その子のお母さんも息子さんから聞いていたようで、訪問を喜んでくれました。
息子の成長に驚く反面、親離れが始まった事に寂しさを感じたものです。
みなさんも、育児が大変かもしれませんし、楽しくて幸せいっぱいかもしれませんが、親子の濃密な時間は以外に少ないので、1日1日を大切に過ごしてくださいね~!
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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