イヤイヤ期後期の行動パターンは?行動を理解すれば対策も簡単に【藤原さんの育児学Vol.49】
イヤイヤ期コラムの最終回。イヤイヤ期終盤の行動の変化とは?
もうすぐ夏休み。息子は6年生で、小学校生活最後の夏休みを迎えます。過去5年間はラジオ体操皆勤賞なので、早くも気合いを入れているようです。こういう真面目なところは、私ではなく、妻の遺伝子でしょうか(笑)
さて、今回はイヤイヤ期の4連続コラムの最終回。ひと言でイヤイヤ期・第一反抗期と言ってもいろいろとありましたね。前回、3才目前のところまで書いたのでその続きです。
【前回のコラム】2歳半からのイヤイヤ中期は行動の大変革期!唐突な赤ちゃん返りの対処方法も紹介【藤原さんの育児学Vol.48】
3才目前の頃には赤ちゃん返りも終了。大人と子どもを区別して考える行動が出始めます
3才目前の頃、赤ちゃん返りが終わり、記憶を時系列に整理する事が始まると、次は大人と子どもを区別して捉える行動が始まります。幼稚園・保育園や公園などでも、大人を大人と捉えるようになり、警戒心も強くなってきます。
一方で、自分が子どもである事も理解し始めます。
例えば、ごっこ遊びで自分の役が子どもになっていたり、子ども同士で遊ぼうとしたりといった行動が出始めます。「大人になったら○○になりたい」とか、「大人になったらパパと結婚する」などと将来の事を考える事も始まるでしょう。
公園などでも滑り台で順番を譲ったり、いよいよおもちゃの貸し借りを理解したりできる段階です。これは我慢ができるようになるという事ですが、我慢しすぎるとストレスになってしまうので、我慢させすぎないように気を付けてあげましょう。
記憶力が育ち、一日の思い出話をしてくれるようになるのもこの頃。幼稚園や保育園での出来事をおぼろげにでも教えてくれる事があるのではないでしょうか。
一方で、お家でママとパパが話している会話の内容をを覚えていて、保育園の先生にバラしていたりするのもこの頃から始まるので気を付けてくださいね。
3才になったら女の子はお姫様になって、男の子はヒーローに憧れ始める?
3才のお誕生日を迎える頃には、女の子はパパとママで態度をガラッと変えたり、約束事を覚えていて守ろうとする行動が始まってくるでしょう。パパには可愛い声で甘えたと思ったら、ママには「○○って約束したでしょ!」などと、口喧嘩ができるほどにまでお喋りが上達していきます。
まさにお姫様の誕生ですね。
また、男の子でもこの頃から遊びに変化が現れてきます。
電車や車などで遊んでいたところに、強いスポーツ選手やカッコいいヒーローに憧れる行動が始まってきて、仮面ライダーやウルトラマン、またはスポーツ選手や力持ちのパパに憧れてマネする行動が出てくるでしょう。
時々、祭りで和太鼓を見てから太鼓が好きになったとか、神楽を見てから神楽の舞をマネするようになったというお話も聞きます。
女の子でも男の子でも、この月齢ではパパや男性の存在を意識し始めることが分かりますね。
そしていよいよ「イヤイヤ期」の最後が到来!その理由はひょっとして「正義感」?
そして、いよいよイヤイヤ期最後の反抗が始まります。その反抗の理由は、正義感の誕生だと私は捉えています。
この頃の親を困らせる行動には、例えばお家にお客さんが来てダイニングテーブルに座ってもらうときに、「ここはパパの席だから座っちゃダメ」などと席を守ろうとしてくれることも。
ほかにも、普段道路の右側を歩いていたなら、ほかの人とも右側を歩こうとしたり、お散歩コースをいつもと同じ道にこだわったりと習慣を意識したり、安全テリトリーを構築している事を伺わせる行動が表れてきます。
一方で、人見知りや、“場所見知り”行動も強く表れてきます。
私の息子が3才2ヶ月の時、幼稚園のお友達のお宅に招待されたのですが、初めてのお家に入ってから石のように固まってしまい、緊張しているのかジュースもおもちゃも否定し、嫌がり、そのまま1時間……。諦めて帰宅したことがあります。
お友達のママがケーキなどを用意してくれていたのに、本当に申し訳ない気持ちになりましたが、この行動を分析すると「自分の考え」を持ち始めた大切な行動だと気付きます。
性善説や性悪説が話題になることがありますが、私は圧倒的に性善説を支持します。その根拠がこの3才2ヶ月頃から見られる正義感を表す行動にあると思います。
ちなみに、4才過ぎには悪意ある行動をする時期もあり、この段階で悪の心も芽生えてくるのかなとも思っています。
話を戻して、正義感が育ってくるとママのお手伝いを積極的にしてくれたり、テレビアニメなどの善悪も理解できたりします。「バイキンマンが悪い事している」と、アニメのキャラクターの行動を判断もできるようになるでしょう。
慣れない場所に警戒するのも、自分の意思を頑として曲げないのも、「正しい行動をしようとしている」と考えると、受け入れてあげる方がいいですよね。
3才2ヶ月頃を超えれば子どもは「脱赤ちゃん」。勝負事のルールが理解できるようになってきます
ここまでくると、もう赤ちゃんとはおさらばして立派な人間です。
遊びの方面でも、3才3ヶ月頃になると脳トレ系の大人でも難しい遊びができるようになってきます。集中力を伴うドミノ倒しや、記憶力を試す神経衰弱、創造力が発揮されるようなセロテープや、ノリを使った工作も楽しめるようになってくるでしょう。
勝負事のルールを理解できるので、負けるととても悔しがるようになります。パパやママは、大人げなく勝たないで自信をつけさせてあげてくださいね(笑)。
このような感じで子どもたちは日々急速に成長してきました。
3才頃までに大脳の容量は大人の80%程度育つと言われ、昨日できなかったことが今日はできるようになり、明日はまた別の行動が始まり、大人がついて行けない位の早い成長が3才3ヶ月頃まで。
そして、この後には「幼児健忘」と呼ばれる、一旦、今までの記憶をリセットする記憶の境界線を迎えます。
いままでしっかり覚えていた歌を思い出せなくなったり、2才頃に毎日遊んでいたおもちゃを久々に出すと「これどうやって遊ぶの?」と、新鮮な反応をしたり。少し残念ですが、感情的に怒ってしまった事も忘れてしまいます。
そして、いよいよ大人へと繋がる記憶のスタート、3才4ヶ月頃からの成長速度はグンとゆっくりとなっていきます。土台となる時期が終わり、子ども一人ひとりの個性が出てきて、ここからの成長は個性を尊重した対応が必要になってきますよ。
第一反抗期を乗り越えた親子は、次の第二反抗期も簡単に乗り越えられるはず!
さぁ、4回に渡って書いてきた第一反抗期のイヤイヤ期ですが、覚えるのが大変なぐらい内容が濃いですよね。
波のように次々とワガママが出たり甘えが出たり。みなさんは、この荒波を上手に乗り越えられるサーファーになれるでしょうか。
イヤイヤ期の親子関係はいろいろ悩み、親子ともにストレスがある時期ですが、実は人生には2回反抗期があります。
2才〜3才の次は思春期、第二反抗期と呼ばれる13才〜16才頃です。初期は自分でもどうしたらよいか分からない。本人も葛藤しているところや、失敗を繰り返してもトラウマになりにくいところなんかは第一反抗期とそっくりです。
私は、第一反抗期をともに乗り切った親子は、第二反抗期もスムーズに乗り切れると思っています。逆に、第一反抗期に面倒を見てくれなかった親に対して、思春期に人生相談するとは思えませんよね。
育児は大変な事もありますが、親に育児の知識があれば、多くは理由も対策も分かっていて簡単に乗り越えられます。
そして、反抗期を供に乗り切った後には、しっかりとした親子の絆が生まれていると思います。子どもから見捨てられない人間になりたいですね(笑)。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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