[子どもの食のお悩み前編]離乳食を食べない!好き嫌いが激しい!そんな時の対応は?【藤原さんの育児学Vol.53】
家族での食事をもっと楽しくするために。子ども・赤ちゃんが「食べない」「好き嫌いが激しい」時の対処方法
みなさん、こんにちは。コロナ禍が続いていますが、みなさんいかがお過ごしですか?
私は、夏休み中にコロナワクチン接種を受けてきました。キャンセル待ち登録していたのですが、比較的早く接種することができました。副反応もありましたが、かなり以前の状態に戻ってきていると思います。
私の場合、乗り物酔いしたような倦怠感が出て、しばらく頭の回転が悪くなったというか、集中が続かないので結構焦りました。妻からは「気持ちで負けている」と揶揄されますが、ワクチン接種副反応は個人差があり理解してもらえないのは寂しいところですね。
さて、夏休みも終わり学校や幼稚園もスタート。夏の疲れやストレスが表面化する時期です。
こんな時に大切なのは、食事からの栄養接種!
という事で今回のコラムは前・後編に渡って、「子どもの食事」について書いていきたいと思います。
子ども・赤ちゃんの食に関するお悩み行動。その解決策と考え方をまとめて紹介します
育児の一日のノルマが食事、オムツ替え、寝かしつけ、洗濯物として課せられる中で、変化が激しく時間がかかるのが食事ですよね。でも、子どもはママを困らせたいわけではないので、それぞれの行動には意味や目的、解決策が考えられます。
今回は、具体的に寄せられた相談などを元に、私なりのアドバイスを書いていきたいと思います。
【子どもの食事お悩みあるある1】離乳食を食べてくれない
生後6ヶ月頃から始まる離乳食。日本では一般的に最初の1ヶ月間は1日に1回食で始められると思います。この生後6ヶ月頃は、生まれてきた時に持っていたプログラムを忘れ、脳の中に記憶を司る部分が育ってくるタイミングです。
最初の記憶は、寝たら整理されるというレベルなので、一日に何回も寝る赤ちゃんは、その度に記憶が積み重なっているようなイメージでしょう。
この段階の離乳食は、「口に異物が入る事への慣れ」がひとつの目的なので、飲み込まなくても良いですし、口から出したり、口の中でモグモグしてたりするのも口の運動。神経を刺激して育てているので、無理矢理飲み込ませる必要はありません。
栄養は離乳食で摂れずとも、母乳やミルクなどから摂取していれば大丈夫。
そもそも、いろいろな物を口に入れるイメージのある赤ちゃんですが、口に異物が入ると吐き出す能力を持って生まれています。
よだれを出したり、舌や口の周りの筋肉を鍛えたりしながら、脳の神経支配が広がり、食べ物とそうでない物を学びながら、食べる行動が始まっていきます。ですので、まずは急がず、慌てず慣らしてあげましょう!
【合わせて読みたい】[イヤイヤ期大解剖その1]赤ちゃんへの対応は言葉ではなく行動で示そう
【子どもの食事お悩みあるある2】2回食、3回食に進んでも離乳食を食べてくれない
赤ちゃんの行動は、基本的にすべてママのマネから始まります。「離乳食を食べてくれない」と、相談を寄せるお母さんの半分以上が、子どもだけ先に食事を与えている問題があります。
離乳食を促すには、まずママが離乳食を食べる姿を赤ちゃんに見せて、その次に赤ちゃんに与えてあげる事を繰り返しましょう。
その時、ママは実際に食べなくても大丈夫。食べたフリをして、「おいしい!」という表情を見せてあげましょう。「これは食べ物なんだよ、飲み込んでも良い物なんだよ」と教えてあげる姿勢が大切です。
また、赤ちゃんはまだ舌を上手に使えないので、舌先に食べ物を乗せるのではなく、ツバメのヒナにエサをあげるように、少し上から舌の真ん中位に置いてあげましょう。
喉に食べ物が詰まらないように、少しずつ、お子さんが飲み込みやすい位置を調べてみてください。唾液が出ていないと飲み込めないので、水分補給したり、先にフルーツなど好きな食べ物で脳に“食事サイン”を与えてもいいですね。
【子どもの食事お悩みあるある3】食事が好き過ぎて、食べ過ぎが心配
食事を食べてくれない相談とは逆に、食べ過ぎての心配も寄せられます。特に多いのが1才〜1才半頃のお子さん。
この頃になると、大人と同じようなメニューを食べられるようになりますし、ママの表情を伺って行動し始めます。なので、ご飯を食べてくれてママが喜んでいると感じると、食事を楽しんでくれるようになります。
また、行動半径が広がり運動量も増えますし、卒乳時期とも重なり、栄養がより必要になるので食事量が増えるのは当然ですよね。でも、ずっと食べていると、肥満やお腹を壊すのでは?と、心配になってきます。
3才頃までの肥満は大人の肥満と関係ないという研究もあるようなので、多少食べ過ぎても問題ないようですが、家事をする立場からは早く食事を終わらせたいですよね……。
そこで、まずは「ごちそうさま」を教えてあげましょう。
まだ腹筋も育っていいないですし、体内神経もまだ未熟なので、胃や腸がどんどん膨らんでしまいますが、終わりの合図を教えると食器の片付けもできますし、食べ過ぎを防げます。
教え方は簡単、両手を合わして「ごちそうさま」。そしてすべての食器を片付けてしまいましょう。何回か慣れてくれば、「ごちそうさま」する?と聞けば、満腹ならごちそうさま、まだ食べたい時は首を振って否定するでしょう。
ちなみに、3才頃までの肥満と書きましたが、お菓子やジュースなどによる肥満は論外。子どもが喜ぶからと、むやみにお菓子などを与えないように気をつけましょう。
【子どもの食事お悩みあるある4】好き嫌いが出てきて、好きな物しか食べない
これは王道のお悩みですね。しかし、子どもは味覚がまだ育っていないので、好き嫌いの理由はマズイからではないと思ってください。
子どもの嫌いなピーマンやニンジンなどには苦みやニオイがありますが、これは嫌いなのではなく、防衛本能から毒の可能性を身体が訴えていると考えられます。
ですので、「食べ物」として子どもに認識させることが先決。マヨネーズやふりかけなどでトッピングして、変化を出してあげましょう。量は少しで大丈夫。おいしいとかマズイではないので、ゴマでものりでもいいですし、氷など温度変化のある物でもいいでしょう。
それでも食べられない物は、身を守ろうとしている行動なので、無理に食べさせないでおきましょう。絵本やアニメなどで食べるシーンを見たり、栄養の大切さを覚えるなどした時、急に食べられるようになります。
無理に食べさせようとして、食べ物を嫌いになってしまう事は控えたいですね。子どもの好き嫌いは、一時的なものであるという事を知っていただきたいと思います。
子どもの「嫌い!」は防衛本能。「味覚は変化する」を頭に置いて対応を
皆さんも、年を重ねるにつれて味覚が変わってきた事を実感しておられると思います。私の息子を見ていても、小さい時は肉よりも魚や野菜が好きだったのに、小学校に入った頃から魚が大嫌いに……。
しかし、これは味覚や嗅覚が育ってきた事を表しています。
昔に比べ、最近の子どもたちは濃い味付けに慣れ、うま味成分に溺れる食生活をしているので、塩味・甘味・酸味・苦味・うま味の区別ができなくなっているという研究もあります。
また、昔は不衛生な生活環境のために、小さな頃から体内に免疫を得る食の行動をとっていましたが、現代では衛生管理が進みすぎて、子どもたちが食材に対する免疫を得ていない状況も増えています。
「好き嫌い」は、子どもたちの脳や身体が、「その食べ物は身体に害があるよ!」と指令を出しているとも考えられるので、根性論やマナーといって躾のつもりでの強制は注意が必要です。
とはいえ、全て排除していたら、いつまで経っても強い身体を作れないですし、食の楽しみが減ってしまうので、バランス感覚が難しいですが。
さて、長くなってきましたので、今回はここまで。
後編では、食の細さや間食、自分で食べない等の問題に答えていく予定です。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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