子どもの成長速度は十人十色。他の子と比べない世の中に向かって
成長速度を他の子と比べない世の中になって欲しい【藤原さんの育児学Vol.74】
みなさんこんにちは。
先日、我が家は夏休みに入った子どもをつれて、横浜旅行へ行ってきました。
お目当てはサンライズ出雲、動くガンダム、八景島シーパラダイス、そして中華街食べ歩き!
サンライズ出雲と八景島シーパラダイスの旅行は、お兄ちゃんが6才の時に連れて行っていて、今回妹が6才になったので同じように連れて行くことに。
当コラムでも書いていますが、この6才頃の子どもの思い出は、その後の人生に大きく影響しますからね。
さて、今回のコラムは、「子どもの成長速度」について書こうと思います。
お兄ちゃんは9月生まれでしたので6才で年長さん、妹は早生まれなので小学校1年生で旅行となり、旅行代金は全て小児料金で出費が大きく違います。
身体も小さく、自転車に補助輪なしで乗れるようになったのも最近。文字の理解なども遅いけれども、社会のルールは守らなければ仕方がありません。
北欧の国々では、そもそも親子で電車に乗ると子どもはタダ。なので、成長差を気にすることが少ないのかもしれませんが、今回の旅行では数ヶ月の誕生日の違いで、次々と子ども料金を請求されるので、日本社会の未熟な部分を見た気がします。
私自身、1月生まれなので、幼稚園の頃はずっと前の方に並んでいました。また、クラスでも身体が細く、クラスメイトの大きな体格の友人を恐れていた事を思い出します。
小さな時の早生まれって、同級生について行くのが本当大変というか、自分に自信を無くす原因ですよね。
実際、親になって我が子を見ても、お兄ちゃんは成長が早く、妹は少しマイペース。それは学力や運動面でも顕在化しています。
「早生まれは損だ!」私は、ずっとそんな劣等感を持っていたのかも。
しかし、多くの子どもの発達を見るようになって、成長差の要因はほかにもたくさんあることを知るようになります。
そもそも、子どもはお腹の中にいる時から成長に違いがある
弊社の木のおもちゃレンタルプログラム「もくレン」は、生後6ヶ月からしか入会できませんが、その段階でもすでに赤ちゃんの成長差は凄いものがあります。
例えば、以前にも書いた九州のお子さん。生後6ヶ月で歩き始めておられましたが、歩くのが遅いと2才でも歩かないお子さんも。
最近では、超早産での誕生、出産リスク回避のための体重制限や陣痛促進剤、帝王切開など、誕生の仕方にもいろいろ。出産予定日の修正月齢でお子さんを見る事も増えてきました。
しかし、そもそもお腹の中の成長にも個人差があるわけで、成長を単に時間軸で見ていいのかと疑問も湧きます。
学校の成績についてはどうでしょう?
小学校低学年の先生と話をすると、やはり早生まれの子が苦労している実態が分かります。
学年が上がってくると、その差は無くなっていくようですが、それは成績だけの話。劣等感を抱いていたり、イジメや階級付けに繋がっていたりする部分が少なからずあるでしょう。
先日、スウェーデンの友人と話をしたところ、年度替わり近辺の子どもは、親が上の学年か下の学年を選べるとの事。
小学校で留年をさせたり、子どもの学習理解力の速度に合わせられたりする点は、日本も見習いたいところ。そういう意味では、通知表も理不尽極まりない制度な気がします。
日本では、子どもの成長を急ぐ親がとても多いのですが、それは親自身が理不尽な成長差の環境にいた事が原因なのかもしれませんね。
今、何段目にいるのか。それを知ることこそ重要なのでは
IT技術が発達し、マイナンバーカードで出生時からのデータを管理できるようになれば、一人ひとりの成長速度に合わせた学習内容を組み立てられるようになるのではないでしょうか?
我が家では、お兄ちゃん意外にもたくさんの子ども達の発達データがあるために、娘の発達サインを様々な角度から見てきました。
そろそろ自転車の補助輪外してもいいかな?漢字を教え始めるころかな? 指で数えるのを卒業する頃かな?などなど。子ども達は、必ず階段のように一段一段成長の段階を進んでいきます。
であるならば、通知表などでランク付けせず、今が何段目なのかをちゃんと知らせることが大切なのでは?
小学校最初の通知表、お兄ちゃんも妹も全て○のみでした。
これは当地の学校の決まりのようですが、配慮よりも現在地を曖昧にしてしまう問題だと感じます。
小学校一年生で、今の自分が運動面や勉強面、そのほか人格形成やストレス耐性などにおいて、どの成長段階なのかを知らされないことは、逆に見れば苦手部分や成長が遅くてサポートが必要なところさえも、見えなくしてしまう原因になりえるのではないでしょうか?
頭が悪い子、馬鹿な子などと一元的な判断をせずに、今が生まれてからどの程度の発達まで進んでいる状態なのかを、ちゃんと理解することが必要であると思います。
そして、それは大人にも言えることなのかも。
物事への対処能力やリーダーシップ、協調性など、学び鍛えられた人も、天才として生まれたわけではなく、数々の経験で成長していった結果。
企業や社会は、人を評価する時代を終え、「人を育てる時代」へと変わらなければならないのではないでしょうか。
サスティナブル、SDGsなど、持続可能な世界を作るのであれば、お金儲けのスキルよりも、人を育てるスキルがもっとも大切なのではないか?
子どもを自分で育てることができない親、不登校や教員の心の病が課題の教育現場、非正規雇用の社会、宗教に頼る政治、日本の危機は人を育てる能力の軽視が招いています。
今、あなたは、誰かを育てていますか?
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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