子どもの指先の器用さを育てるポイントとタイミング。親子で一緒にチャレンジを

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

子どもの指先の器用さを育て始める月齢とその方法とは?

【藤原さんの育児学Vol.78】

みなさんこんにちは。今年も秋がやってきましたね。

春は花粉症が辛いので、私にとって一年で一番屋外活動が楽しい時期。サイクリングやDIY、大掃除など予定をいっぱい入れています。ここ2年は、仲間達と大山の麓で古民家改装に取り組んでいて、畳をフローリングに変えたり、土壁を漆喰で補修したり。

コロナ禍にずっと打ち込んできましたが、いよいよ完成も近づき、コロナも終息が見えてきたようなので、近いうちにみなさんにもお越しいただける施設としてオープン予定です。詳細は、完成後にお知らせしますので、楽しみにしていてください!

さて、今回の育児コラムは、指先の器用・不器用について。

自分で言うのも何ですが、私は器用な方だと思います。

古民家改装も、楽しんでいろいろな作業を進めていけますし、普段から玩具の修理清掃や家具の組み立て、車いじりなど物作りも大好き。

しかし、字は汚い、私の一番のコンプレックスかも。汚いというよりも、書けないとでも言いましょうか、字を書いていると手や指の筋肉が痙攣したりひきつったりしてしまいます。パソコンやスマホの時代に助けられている人間です(笑)。

同じ指先を使う作業でも、時計を分解組み立てしたり、絵を描いたりはできるので、字を書くことができないのは何かの原因がほかにあるのかもしれませんが、字がキレイな人には憧れますね。

重要タイミングは1才10か月ごろ!「ハサミ」を使ってみて

指先を思うように動かすには、当たり前ですが脳と手の協調が必要。だいたい、1才位から赤ちゃんは「自分の手」を認識し始めると言われています。

指を噛んだり壁を叩いたりするのも、そういった刺激を信号として脳が受け取る事が始まっているからです。

しかし、まだこの月齢では指から脳への信号は行っても、脳から指への信号が届くのにはタイムラグがあります。その後、物を投げたり、左右の手を別々に動かしたりする事ができるようになっていきます。

例えば、1才過ぎのお子さんでは、手を振ってバイバイができるようになるでしょう。

その時に、バイバイとは反対の手をみると、少し動いていたり、同じようにバイバイをしていたりしますよね。

1才半頃になれば、そういった左右の手が同じように動くことはなくなり、左右を別々に脳がコントロールするようになります。この頃には、同じ行動を繰り返すようになり、脳が身体を動かすタイムラグが減ってくる練習をスタート。

何度も滑り台を滑ったり、何度も同じ絵本を持ってきたりするのは、こういった身体のコントロールや記憶の確認の意味もあるんですね。

そして1才10ヶ月頃が今回のコラムの要となる月例。指先の器用さを育てるには、1才10ヶ月頃からの遊びが重要な要素なんです。

この頃には、微妙な力加減や、道具を使い道具の先端を、指の延長として覚える行動が始まります。

積み木をそっと重ねて、自分の背丈くらいまで積み重ねられるくらいに集中して、手や腕のコントロールができるようになってくるでしょう。

私は、この頃のお子さんにはハサミ、箸を使い始めることを提案しています。もちろん、まだ手が小さいのでハサミを開けても1cm位しか広げられませんが、それが逆に安全にもつながります。

一般的に保育園などでは、ハサミは4才ころから使い始めるようですが、1才10ヶ月頃ならまだ自分の手を切るほどの握力はありませんし、ハサミの先端と紙に集中して1cmくらい切る作業は、脳と手の協調を練習するには効果的。

ハサミは刃物なので、安全に注意して大人がサポートするのは当然ですが、危ないからと挑戦させないと、指先の器用さは後では中々育てる事は難しくなってきます。

2才代で、箸を上手に使って豆をお皿からお皿へ移すような行動は、1才10ヶ月の頃に子どもから道具を取り上げない事が大切なんです。

しかし、様々な家庭の状況を見ていくと、フォークをテーブルに突き立てて危ないとか、ハンマートイのハンマーなどをいろいろな物を叩くから取り上げるといった話をよく聞きます。

子どもがやるこれらの行動は、成長に必要だからしているワケで、大人が時間を作ってそれらの道具を使う時間を用意する事がなければ、成長を奪うことにつながります。

危険回避のために良いと思っている親の判断が、実は子どもを不器用にさせ、成長を奪っているとしたら問題ですよね。

大きくなってからも器用さは育つ!だけど親子の関係こそ大切に

では、すでにお子さんが3才や4才、もっと成長して小学校に通っている場合、指先を器用にする事は諦めないといけないのでしょうか?

そんなことはありません!

時間は必要ですが、指先のマッサージや運動、一見、指とは関係ないような足先や身体全体を動かす事で、脳の神経支配力を刺激することができます。これらは、子どもにさせるというより、マッサージなど親が外部からの手助けをする事によって育ちます。

こう書くと、すぐにマッサージ師や整体師、スポーツ関係の専門家などに頼もうとする親が出てきますが、子どもが警戒する段階で成長は遅れますのでご注意を。

子どもと楽しむ事、子どもが成長したいと思う事が重要なので、そのためには親の努力こそが一番効果的。

子どもは本来、親にふれられることをとても喜びますよね。

なぜ喜ぶのでしょうか?

欲望だと思いますか?それとも甘え?

私は、成長に必要な要素のサインだと考えています。

生まれた時から、子どもが笑顔になる事を繰り返ししていると、ドンドン成長することが分かります。逆に、親の思い通りに育てようと、躾をしたり叱ったり、イヤイヤ練習させたりしていると、ますます親の言うことを聞かなくなります。

子どものサインに気付くこと、それが健やかな子どもの成長を促す最も大切なことだと思います。

この秋、みなさんも子ども達に折り紙の折り方を教えたり、あやとりに挑戦してみたり、ぜひ一緒に遊んであげましょう!

器用になれば、孫やひ孫の代にまで伝統の遊びを伝える事ができます。発語や語学力、数の理解も大切ですが、指先の器用さも見てあげてくださいね。

間違っても、「私が不器用だから、子どももきっと不器用だ」などと決めつけないでください。

子どもの可能性は無限にあるんですから!

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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