パパの育児参加で大切な「会話力」。一緒にトレーニングしてみませんか?

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

育児参加へ前向きなパパへ。何よりも「会話力」UPから始めませんか?

【藤原さんの育児学Vol.79】

みなさんこんにちは。

今月から産後パパ育休制度が改正され、父親の育児参加を促す社会的環境が整いつつあります。今回の改正では、より男性も育児休暇が取得しやすくなったワケですが、個人的には・・・な感想を持っています。

このペースでは、北欧の国々のような育児休暇2年とか、男性の育児休暇取得の義務化というレベルには何十年かかるのでしょう。とは言え、悪い方向にはいっていないので見守りたいと思いますが。

夫の育児参加で寄せられる様々な悩み

男性が育児休暇を少ないと言っても取得し始めた日本。それによって妻からの新たな不満が耳に届くようになっています。

「的外れなことばかりしている」、「ちょっと手伝っただけでドヤ顔されて腹が立つ」、「居ても役に立たないから働いて金稼いで欲しい」など・・・。男性の私も耳が痛くなるような言葉が次々と。

日本の制度の多くは、海外の事例を元にしているものの、今回の男性育児休暇環境整備も“隙”ばかり。もっとも重要な問題は、夫を“育児のできる夫”に育てる制度がない点。

日本では女性にも育児のイロハを学ぶ場はありません。ですが、妊娠してつわりなどで辛い時間を過ごし、お腹がどんどん大きく成長し、子どもの鼓動を感じる10ヶ月もの間、おのずと子どもの将来を考えるようになりますよね。

この間、ホルモンバランスの急激な変化も伴い、子どものことを学ぶ意識も生まれてくるでしょう。

一方男性には、その身体的な変化がない事から、準備をするタイミングがありません。

また、競争を好む男性は、ほかの父親と出会う機会があれば、競い合って学んだり努力したりしますが、子どもの生まれるタイミングはそれぞれですし、職場や友人仲間内で同じタイミングに父親になる事は希有なため、育児のライバルが出てくることがほぼありません。

それでも最近は、メディアで父親の育児が取り上げられるようになり、少しは意識が変わってきているかなとは感じます。

私自身、子どもが小さい時からできるだけ近所を子連れで散歩したり、当コラムのように自分が育児をする姿を発信ししたり。そうすることで周りの父親達への意識が変わってきたことを実感しています。

多くの父親達にお願いしたいのは、自分が育児をしている姿を発信する事、ぜひ次の時代の父親達がライバル視するような父親になっていただきたいと思います。

パパの会話力を上げるための大切なポイント、その方法

先日、あるお母さん方と話をしていた時、「夫は言葉が足りなくて困る」、「子どもを叱っても、パパが何を怒っているのかが分からない」といった父親のボキャブラリーの少なさを指摘する意見が複数のお母さん方から聞かれました。

昔から、黙っているイメージの強い日本のオヤジ。

これは、当コラムでも過去に日本の教育による弊害だと述べてきましたが、言葉で伝える事の重要性が日本ではまだ認知されていないと感じます。

デンマークでは、言葉で伝える能力が高い方が生涯所得が高くなるというデータから、小さな時からディベート教育に注力。意見を導き出す能力を鍛えています。

最近では、“論破王”などともてはやされている芸能人もいますが、コミュニケーションやディベートは相手を打ち負かす物ではなく、創造的なアイデアを生み、誤解なく理解し合う力として会話力があります。

日本では、「叱る」のイメージは、親の考えを一方的に伝えるものではないでしょうか?

コミュニケーション力が乏しいため、子どもの方からの意見や言葉を引き出すことができないため、【叱る→怒る→激高して体罰に繋がる】悪化の道が見えます。

では、どうすれば日本人男性の会話力は上がるのでしょう。

このお母さん方への私のアドバイスは、まずは普段から子どもの情報を植え込んでおくこと、返事がなくとも日常の子どもの出来事を伝えておくと、何ヶ月か過ぎた頃、「俺は子どものことを知っている」という自信に繋がりますよ、と。

そして、より向上心のあるお父さんには、目で見た物を言葉に代える練習をしてみてくださいと。

アナウンサーが実況中継の練習をする時、普遍的な街ナカの日常を言葉に代える練習をすると聞きます。同じように、家の中の状況や晩ご飯を食べる時、実況中継をしてみると、いかに言葉に代えることが難しいのかが分かります。

子どもの行動を具体的に言葉に代えることができると、発達を知ることが容易になりますし、医療機関などでも症状を的確に伝えられるようになります。男性が育休を取得して、家庭に入るならば、子どもの行動を言葉に代える能力を鍛えることが必須です。

お父さんに1日育児を任せて、お母さんが夕方家に帰ってきたとき、「今日はどうだった?」との質問にパパはどう答えるでしょう?

「ゲームしていた」、「頑張って遊んだ」などでは1日をどう過ごしたのか、ママは不安になってしまいます。

男性が家庭に必要とされ、母親の育児を軽減するには、会話力を鍛えることを頑張って欲しいと思います。

ま、もちろん、疲れているお母さんに喋り続ける口うるさい夫は、もっと嫌がられますから、何事にもバランスは大切ですよ(笑)。

育児休暇を取得したパパ達、頑張ってくださいね!ご相談はいつでもどうぞ!

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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