子どもの言い訳に耳を傾けると思わぬ発見が!親子の絆も深まる可能性大
子どもの言い訳には価値がある!聞くほどに親子の絆も深まる!?
藤原さんの育児学Vol.80
みなさん、こんにちは。
先日、この夏より理事長を務めることになった一般社団法人のイベントで、人生初のハロウィンパーティーに参加してきました。
私が若い時には、ハロウィンは映画の中の話くらいで、意味も目的も知らず、どう楽しむのかも分からないままでした。ですが、事前準備から頑張っているスタッフの姿を見て、少しずつワクワク感が高まっていきます。
当日は、子ども達が主役なので、みんなで仮装してフェイスペイントをしてもらい、読み聞かせやお菓子を配ったり、写真撮影して大はしゃぎ。コロナ禍で、イベント開催は躊躇されますが、この日のために外出を控えたり、体調管理を万全に準備したり。
無事に終えることができ、参加者さんはもちろん、スタッフに感謝!
1才から12才までの子ども達が集まりましたが、意外だったのは、初めて出会った子ども同士で交流が生まれ、小さな子ども達の面倒を年上の子達が率先して行っている姿があったこと。
子ども達は、大人に言われなくても、支え合う事ができるのだなぁと、改めて感動した場面でした。
さて、今回のコラムは、そんな子ども達が叱られたり、注意されたりした時に言う「言い訳」について書いていこうと思います。
問題の「対処」と「予防」。考えの論点が異なる日本と海外
先日、小学校1年生の娘の参観日へ行ってきました。
授業は道徳の人権学習。例題は「廊下を走っていてほかの子とぶつかってしまった。この時、どう声をかけますか?」というもの。
- そもそも廊下を走ってはいけない。
- まずは謝る。
- 2人ともが謝る。
- 走っていた方が謝る。
など、子ども達は様々な意見を挙げていました。それを聞きながら「謝る」事を教えるのが日本らしいなと、思ってしまいました。
もちろん、謝る事は大切です。ですが、「なぜそのような状況になったのか」を考えることは、いつ誰がするのでしょう?
日本の教育や社会制度の多くは対応型で、警察や医療も“何かが起こった後にどう対処するか”が仕事になり、対価が支払われます。一方、北欧の国などでは予防にかなりの予算を割いています。
有名な話では、虫歯予防でキシリトールガムを子ども達に配ったり、日照時間が少ない季節には骨を生成するビタミンD剤を配ったりなど。虫歯になってから、骨が折れてから対応する環境にお金をかけている日本とは、根本的な考え方が異なります。
話を戻して、子ども達へのアプローチはどうでしょう?
なぜ廊下を走ったのか?その部分を聞く事なく「謝る」事を教えていると、謝る事で問題が解決されたと捉えがち。ニュースを見ていると、日本人はとにかく謝らせたい人になってはいないでしょうか?
子どもの言い訳は自分を知り、相手を知るために必要なコト
家庭においても、子どもを注意する時、すぐに「謝りなさい!」と言っていませんか?
それも、「言い訳は聞き飽きた」、「言い訳しない!」などと、子どもが言葉を繋げて説明しようとしている行動を制止し、謝らせている姿を見ることがあります。
この言い訳、実はしっかりと聞いた方が良いと私は思っています。
自分の行動を思い出す、それを言葉に変えて伝える、自分が悪くない理由を考える。これらはかなり難しい事ですよね。
デンマークでは、小学校でもディベート教育を始めています。
異なる立場に分かれて討論するディベート、自分の考えと相手の考えの相違点を探す能力が鍛えられることで、結果的に自分自身をより知ることができる。自分を知ること、相手を知ることは、コミュニケーションの基本ですよね。
言い訳に耳を傾けることで親子の絆も深まる!?
子どもの言い訳を聞く行動は、子どもから見ても「パパやママは私の話を聞いてくれる」、「私を理解しようとしてくれている」となるのではないでしょうか?
一方、理由も聞かずに謝らされたらどうでしょう。最初っから私が悪いと決めつけられていると、孤独感や嫌悪感を子どもに与えはしないでしょうか?
私は、いろいろな場面で泣いている子どもに話しかけてみると、ちゃんと自分の言葉で何があったか教えてくれます。その内容は、実にしっかりした理由であることが多く、本来、泣く必要がないと感じる事がしばしば。
勉強が嫌いな子の話を聞くと、実は先生が怖いから嫌いだったり、テストの点数が悪いと親に怒られるから嫌いだったり。実は勉強自体が嫌いではない事も。
仕事や家事が忙しく、子どもの話に耳を傾ける余裕がない現代の親御さんたち。
不登校児が増え、第三の居場所が必要になるのは、子どもの話を聞く人がいない事も要因のひとつです。謝って終わりにしない、ちゃんと言い訳や何があったのかを聞く事を心がけたいですね。
大人の言い訳はともかく、子どもの言い訳は聞いてみると、本当に驚くほどいろいろな事を発見できますよ。大変だとは思いますが、根気強く耳を傾けてみませんか?
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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