【月齢別】赤ちゃんの夜泣きの原因と基本的な対処方法《誕生~生後9ヶ月ごろ》

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

赤ちゃんの夜泣きの原因とその対処方法を紹介《誕生~生後9ヶ月ごろ》

■藤原さんの育児学Vol.98■

みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。夏休みに入って、連日子どもと一緒に過ごす日々。例年以上にエアコンの電気代が心配です。

わが子も大きくなり、各々の部屋でエアコンを使う日々。交通インフラの弱い山陰では、一人一台の自動車が普通ですが、現代では一人一台のエアコンも必須アイテム。

学校にもエアコンがある現代、エアコンの効いてる部屋から、ない空間へ移動した時の体への負担が気になります。実際、脳は体温を平熱に保とうと、フル稼働しているハズ。

今回のコラムは、この辺りの話も含め、前・後編に分けて「赤ちゃんの夜泣き」について書いていこうと思います。

個人差が大きい赤ちゃんの夜泣き。ひとりで抱え込む前に小児科や医療機関に相談を

育児経験者の方でも、赤ちゃんの夜泣きに苦労した方もいれば、ほぼ夜泣きはなかったと話す方もいます。新米ママには「うちの子はあまり泣かないですね」と言われる事も。

一方で、「とにかく夜泣きが辛く大変、どうにかなりませんか!」と、げっそりした表情&髪ボサボサで、育児にいっぱいいっぱいになっているお母さんと出会うこともあります。

赤ちゃんは、言葉で意思を伝えられませんし、原因を探そうにも、デリケートな赤ちゃんに間違った対処をしては命の危険も。

結局、おっぱいで口を塞いでみたり、泣き止むまで放置してみたり。しかし、これらの対処で罪悪観を感じ、赤ちゃんと向き合う事が怖くなるお母さんもいます。

上記の対処で泣き止めばまだいいのですが、実際は何時間も泣き続ける赤ちゃんもいます。

そうした姿を夫は横目で見ても何もできない・・・。赤ちゃんの夜泣きが夫婦関係にひび割れを起こす瞬間です。

こうならないためにも、赤ちゃんの夜泣きについて、基本的な夜泣きの傾向と対策、対処法を知ることが大切。基礎知識があるだけで、育児の負担はかなり減らせるハズです。

ただし、今回お伝えする内容は成長の個人差や体質など、様々な要因によって当てはまらない場合もあります。

赤ちゃんの夜泣きには重大な病のサインが含まれていたり、神経や脳の問題が隠れていたりする事も。夜泣きに悩んだらまずは小児科や医療機関に相談してみてくださいね。

と言いつつも、私が出入りする『コーセリ』へ相談に来られる方は、すでに小児科を何件も回り、助産師さんや保健師さんに相談しても解決しない事案が多々。

私は医師ではないので、どこまで本コラムで発信していいのか正直悩みます。しかし、DVやネグレクト、離婚問題の件数が異常増加している今日、世のママや赤ちゃんのためになるならと、「藤原メソッド」をお伝えしたいと思います。

月齢で見る「夜泣き」の理由と、その対処方法【生後5~9ヶ月】

赤ちゃんは「おぎゃ~!」と、この世に生まれて最初の「泣く」仕事で人生をスタート。この時点での「泣く」行動は、生命として持っているプログラムによる反応です。

いいことがあって笑うとか、イヤな事を知らせたいから泣くわけではありません。生まれてから大体5~6ヶ月ごろまでの赤ちゃんは、このプログラムに従っているだけの段階。

  • お腹が減ったら泣く
  • 眠たくなったら泣く
  • ボヤッと見える視界に何かが入ってくると笑う
  • 耳に心地良い音が聞こえれば笑う

このような《体の状態を知らせるサイン》のひとつです。

ですから、生後6ヶ月ごろまでに夜泣きが出ても、ほとんどはお腹が減ったとか、命の危険を感じる大きな音が聞こえたとかなので、おっぱいやミルクで落ち着くハズです。

生後6ヶ月ごろには、その生まれ持ったプログラムを忘れる時期があります。おっぱいを口に向けても遊びながら吸う、今までと同じ時間くわえさせても吸っていないといった事が出てきます。

これは、お腹がいっぱいなわけではなく、「口に入るものは吸う」プログラムを忘れ、「吸ったら出て飲める」行動を記憶する段階へ移行しているサイン。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんには、パパが指をくわえさせても吸いますが、6ヶ月以降の赤ちゃんはそういった行動がありません。

この月齢でも、まだ夜泣きの相談はあまりありません。記憶する力が生まれたばかりだからでしょう。

記憶を翌日に持ち越せるようになる生後8ヶ月ごろの対処方法

その後、生後8ヶ月ごろになると一気に夜泣きの相談が出てきます。

「今まで夜泣きなど一度もなかったのに、最近は寝てもすぐに起きてしまい困っています」

こう相談があると、私はまず、

『寝返りが激しくなっていませんか?お布団はどんな物を使っていますか?お風呂や晩ご飯のタイミングは?』

と質問し、その子が生後8ヶ月の発達レベルにあるのかどうかをインタビューします。生後8ヶ月とは、昼間の経験を記憶し、ようやく翌日まで持ち越せる段階。

これ以前の赤ちゃんの記憶は数時間といったものですが、8ヶ月ごろには1日の出来事を寝ている時に整理する事が始まると思われます。

昼間に大泣きしていると、寝ている時に泣く率が高まりますし、昼間に運動を増やすと寝ている時に、脳がフル回転しないといけなくなり、オーバーヒートして起きる場合あり。

寝相が激しくなっていれば、昼間の行動を脳が寝ている時に整理する再現運動が起こっている証拠。お布団が重たいなどして、その再現運動を邪魔していたら撤去すれば夜泣きは収まるわけです。

寝相が悪ければ、成長段階が8ヶ月に達していると推測しますし、布団を使っておられたら止めるか、タオルケットなど軽量の物に変更するように伝えます。

また、体温調節をする機能が未熟な赤ちゃんには、お風呂にしっかり浸かると、発汗コントロールができず脱水症状を起こしたり、脳が平熱を保つためにフル稼働状態になったりと、疲弊してしまいます。

なので、お風呂はシャワーで汗を流す程度にしてもらいます。

ご飯は、現代育児で生後8ヶ月は1日2回食が一般的だと思いますが、時々焦って3回食に挑んでいたり、変わった離乳食を食べさせていたりする親御さんも。

これからの月齢で、内臓の発達が理由の夜泣きが出てくるので、食事のインタビューもするわけです。

ミルクを飲んですぐに寝かせたために、逆流して苦しく泣いているのではないか?または、食べたものが胃や腸で動く感覚で、苦しがっているのではないか?と疑います。

後追いが始まる生後9ヶ月ごろの対処方法

生後9ヶ月ごろになると、赤ちゃんの視力も育ってきて、「ママ」をしっかりとらえてママの行動をすべてマネしようとする行動がスタート。

いわゆる「後追い」の段階になり、ママと過ごす時間が多い家庭では人見知りも始まってくるでしょう。

ママがトイレやお風呂にひとりで行けなくなる時期。一瞬でもママが見えなくなると泣くので大変。

ちなみに、私は父親ですが育児をずっと一緒にしていたので、子ども達は私がいればママが見えなくても大丈夫でした。パパが赤ちゃんから家族と認められているかどうかはこの時分かります(笑)。

世のパパにお願いしたいのは《生後9ヶ月ごろからは、子ども達のお風呂はパパの仕事にして欲しい》という事。

一般的にママの月経は生後8ヶ月ごろに再開すると言われ、お風呂に入れるのが大変ですからね。

でも、前述したようにしっかりお風呂に浸かったり、石鹸やボディーソープなどでゴシゴシ洗ったりは禁物。

野生動物は温水や洗剤で体を洗わないわけで、人間の体も赤ちゃんの時には肌を強める菌を覚えたり、皮膚を削る石鹸の過度な使用は控えましょう。良いつもりでやっていることが、実は赤ちゃんの肌を弱く、薄くしている場面がものスゴく多いようです。

最低限のお風呂タイムにしても夜泣きが出る場合、朝方赤ちゃんの汗の量を見てみましょう。

お布団がびっしょり汗で濡れていたら、それは発汗リミットを超えて体温調節が上手にできていない事が理由のひとつかも。

まだ微妙な体温調節ができない赤ちゃんは、体温が上がり過ぎると危険を感じると大量の汗を排出。体温調節に影響する汗腺の数は、3才ごろまでの環境で決まると言われる事から分かるように、生後9ヶ月ごろはまだ途上段階です。

エアコンの使いすぎで全く汗をかかないと、成長してから体温調整の為の汗腺が足りなくなりますし、汗をかきすぎるのも問題。

夜泣き対策としては、脱水症状にならないように、また乾燥などで鼻水や口が渇かないように、そして、寝返りなど寝ている時に動き回りやすい睡眠環境を作ってあげましょう。

動き回ってベッドから落ちたり、枕やお人形で口を塞いでしまう危険もあるので、寝ている時の安全確保も意識してあげてくださいね。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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