「育児や家事に追われて余裕がないうえに夫婦関係もギクシャク。どうしたら?」【相談事例を紹介】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

【本当にあった育児相談】育児・家事に追われ夫婦関係もギクシャクしている方の場合

■藤原さんの育児学Vol.104■

みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。

今回のコラムは、本コラム下部にある「育児相談フォーム」に実際にいただいた方とのやり取りをご紹介したいと思います。

先月いただいたご相談なのですが、その内容は多くのお母さん方の代弁となるような気がしますし、文章も丁寧で読みやすく、ご本人様からも掲載の許可をいただけました。

※名前などは仮名にし、一部編集しています。

【育児相談】東北地方にお住まいのあみさんから

ご相談者:あみ様
お子様:生後6ヶ月男児
お住まい:東北地方
ご相談内容:
育児や家事に追われて余裕がない上に、夫婦関係がぎくしゃくしていることに悩んでいます。

日々育児の疲れはあるものの、やはり子どもはかわいいのでそこは割り切れますが、夫の態度にイライラしてしまい、ここ最近、息をするのが苦しくなっています。

少し前までは穏やかに過ごせていたのですが、夫の異動があったり、試験が控えているなどで、今の夫に余裕がありません。家にいても表情は暗く、態度に冷たさを感じます。また最小限の連絡事項を伝えるのみでほとんどコミュニケーションがとれていません。

子どもの前ではせめて私はにこやかに、と思い、表情を意識しますが、子どもは私の顔をじっとよく見ているので、暗い表情を見せないというのはなかなか難しいです。

今は余裕がない時期だから仕方ないと割り切り、今だけだと信じて、私は感情的にならず、イライラした態度はひた隠し、表面上だけでもいい妻でいようと思い過ごしていますが、そんな我慢は性に合わないようで、ストレスがどんどん溜まっていき、そろそろ限界を迎えそうです。

夫が思いやりのある言葉をかけてくれたり、優しい態度をとってくれれば、大変な育児と家事の両立も頑張れます。しかし、そんな優しさも感じられず、何のために私は頑張ってるのかと寂しさと虚しさでつらくなってしまいました。

「今日は早めに寝る」という言葉も最近は自分を否定されているかのようなストレスに感じるようになりました。それと同時に夫側に主導権があるような感じがして腹立たしさも感じます。どうして私ばかり悩んでいるのか・・・。

夫が大変な時にこれらを伝えるのは、自分のことしか考えていないようで、はばかられます。今は感情的になったら負けだと言い聞かせ、状況を伺っているところですが、自分のメンタルがどこまで持つか分かりません。

今は産休中なので社会的なストレスはほとんどありませんが、その分唯一コミュニケーションをとれる夫との関係に悩んでしまい、夫ですらこんなに難しければ、会社でのコミュニケーションもうまくいかないのでは?と復帰後のいらぬ心配までして落ち込んでいます。

男性はこういうもの、夫は仕事でストレスを抱えている、今は仕方ないと割り切っていますが、この問題の壁にまた今後もぶつかりそうでこわいです。

今回、子供が2歳までの離婚率の多さについてのコラムを読ませて頂き、まさに共感することばかりで驚きました。夫とはこれまで夫婦関係についても話し合いをしながら大変な育児時期を乗り越えてきましたが、今回はまた違ったつらさを感じています。

こういう状況になったときどうしたらよいか何かアドバイスをいただけないでしょうか。長くなりすみません。よろしくお願いします。

実際にした回答とアドバイス

あみ様

この度は、私のコラムを読んでいただき、ありがとうございました。

あみさんは、旦那さんの行動もよく見ておられますし、自分自身の分析や役割もしっかりと理解され、お子様への配慮もあって素晴らしいです。ただ、多方面に気遣いすると疲れますし、頑張っていることを分かってもらえないと頑張る気力が失われますよね。

お子様が、生後6ヶ月との事で、先にこの段階のお話をさせてください。

赤ちゃんが生まれた時に持っていたプログラムを忘れ、記憶で行動が始まる切り替えの段階が生後5~6ヶ月になります。今まで上手に母乳を吸っていたのに、乳首で遊んだり吸うのが下手になったりするのがサインです。これも、成長を示す一段階なのですが、昨日まで順調だった事に変化があると、不安になってしまいますよね。

また、離乳食の一回食が始まるころ、赤ちゃんは命に関わる食事になり、いろいろ学んでいかないといけないお母さん。夫は帰ってきたらご飯ができていて、かつ量が多くお金もかかる。どうしても、1日の中で接する機会の多い赤ちゃんと、夫を比べてしまうようになります。

「子どもの前ではにこやかに」、「子どもが私の顔をじっと見てくる」これらも気になるところ。でも、まずは子どもへの向かい方で、もっと気を抜いて大丈夫だと思いますよ。

参考までに、私の過去コラムで子どもの視線について書いていますので、読んでみてください。

次に夫側を考えてみましょう。

ストレスが多くなったら、普通は誰かに相談したくなりますよね?それは男女関係ないと思います。

夫から奥さんへの会話が減ったり、先に寝たりするのは、自分が外で貯めたストレスを家庭に持ち込みたくないという配慮からの可能性があります。仕事での辛さを帰ってきて奥さんに話したら、育児で頑張っている妻にほかの心配もかけてしまうのではないか?自分のストレスは、どうにか自分一人で解決しないと、家族には迷惑をかけたくない。そういう男の責任感が、コミュニケーションを減らしているのではないかと思います。

また、育児をしたい気持ちがあったとしても、まったく知識も経験もなく、素人が手を出すより妻の方が子どもにとって良いのではと、最初っから諦めているという事もあるでしょう。旦那さんは奥さんと子どものことが大好き、だからこそ自分の弱みを見せず心配かけないでおこうと頑張っているのでしょう。

ご夫婦ともが、お互いに遠慮して気遣いして、どちらも悪意あるような行動はしていない。なのに、ギクシャクしているのは不思議ですよね。

私は講演などで、「女性は未来を見た行動をするし、男性は過去を見る行動をする特徴がある」と話します。

過去のない赤ちゃん、あみさんの言葉の中でも、社会復帰後の事を考えてしまうとありましたが、これが赤ちゃんを育てるうえでの大切な思考力なのです。今後もこの壁にぶつかりそうで怖い、という先の不安も女性ホルモンの影響であると思います。

夫は、あみさんとの過去の経験から、機嫌を悪くしても生理時のイライラが収まるように、しばらく耐えていれば収まると思って見ているのかもしれません。しかし、今は産後半年で、あと半年くらいは女性ホルモンの影響が続くと思われます。

それを知らない夫とのガマン比べになっているワケですね。

では、どうしたらよいのでしょう?

私からのアドバイスは、まずは3ヶ月後とか赤ちゃん1才の誕生日記念とかで、家族旅行の予定など、未来の具体的計画を立てる事をオススメします。もちろん、ご夫婦の都合が付けば来月とかでも良いです。

すでに予定がおありかもしれませんが、夫婦関係のギクシャクを今すぐにというのはお互いのプライドの問題もあり、難しいもの。ですが、少し先に楽しいフラッグが立っていると、お互いがそこへ向けて準備したり、覚悟を決めたりできますよね。

日常生活から少し距離を置いた場の方が、言えないことが言えたり。宿泊先を考えたり、移動手段を考えたりが奥さんの仕事になるかもしれませんが、どうせ悩むなら楽しいことで悩む方が時間の使い方として有意義ではないですか。

そして、少し前向きな計画で心に余裕ができたら、意識的に自分のストレスをコントロールしていきましょう。

これまた私の過去コラムですが、参考までに。
【参考コラム】ストレスを“コントロール”すれば育児はもっと楽しくなる

そしてさらに、夫を育てる気持ちが出てきたらこのコラムを読んでみてください。
【参考コラム】パパの育児参加で大切な「会話力」。一緒にトレーニングしてみませんか?

私は、あみさんの相談を読んで、夫への愛情やお子様への愛情、そして自分自身のコントロールや分析までしっかりとできておられる方だと感心しました。

そもそも、人に相談するというのも勇気のいる行動。家族を守ろうという責任感も高いのだと感じます。お子様は男の子との事で、1才代になると男の子は今以上にかわいさ爆発してきますよ。

多分、夫に対して、こんなにかわいい息子との時間を少ししか味わえないなんて、何て可愛そうなんだろうと、感じると思います。社会復帰があると思いますが、私としては子どもとの時間をなるべく多く取れるような復帰の方法を模索して欲しいと思います。

これから、子どもの発達の方が色々と変化のめまぐるしい段階に入ってくるので、都度悩みが出てくると思います。気軽に何でも相談して頂ければと思います。

辛い経験は、その後の幸福な経験の前段階、自分を信じて今の辛さを乗り切りましょう!

よろしくお願いいたします。

~私からの回答は以上です~

この後、お返事をいただき、夫との関係や旅行の計画などを考えてみるとの事、少し元気を取り戻してもらえたのではと思っています。

この相談内容を、多くの新米お父さんにも読んで考えて欲しいと感じます。いや、産後ママや、世間の男性諸君も知るべき事かもしれません。

家族というチームの中で、辛さを感じている仲間をどうサポートするのか、みんなで考える必要があります。

明日は我が身、「人の心」を大切にできる社会にしていきたいですね!

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】

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