鳥取市の現存最古のモダン建築『五臓圓ビル』が最強すぎる【山陰フォト散歩】

編集部あつきち
編集部あつきち

鳥取大地震・鳥取大火に耐えた!現存する鳥取市最古の鉄筋コンクリート造『五臓圓ビル』

「この近くに、大きな地震と火災に耐えて、唯一残ったビルがあるよ」

(えっ、すごない!?)

「見てみたい!それ、どんな建物ですか?」

地元民1階は薬局。3階建てのビルだからすぐに分かると思うよ」

・・・ってことで、地元の方から教えてもらい、行ってきたのは鳥取市内に立つ『五臓圓ビル』。

こんにちは! 今日も山陰をウロウロ、あつきちです。今回は鳥取市へ!

二階町で見た3階建てのビル。レトロ感たっぷりですよね~。

昭和6年(1931年)に建築された鉄筋コンクリート造りの歴史建築『五臓圓(ごぞうえん)ビル』。

2011年1月に登録有形文化財に指定された、とても貴重な建物なんです。

10年以内に起きた地震と火災、2度の災害に耐えたビル

“地震と火災に耐えたビル”とは。

ご存知でしたか?鳥取市では1943年に「鳥取大地震」、1952年に「鳥取大火」と2つの災害が発生。(自分の祖父母世代の話。恥ずかしながら全然知らなかった・・・。)

近くの商店の人に聞くとかなり大きな災害だったようで、地震の時はほとんどの住宅が崩れ、火災時は『五臓圓ビル』以外の建物は焼失。あたりは焼け野原となってしまったのだとか。

1階にある『五臓圓薬局』。

薬を買う用はなかったけど、お店の方に「地元の人から貴重な建物だと聞いて来ました」と伝えると、「ようこそ」と言わんばかりの笑み。1枚の資料をくださいました。

“2度の天災を耐え抜いた貴重な歴史建築”

読み進めていくうちになんだかゾクゾク、ワクワク!

『五臓圓ビル』登場後の昭和10~20年代は、ビルが立つ智頭街道商店街付近がもっとも栄えた時。当時は街のランドマーク的存在だったようです。

建設当時は、市内最高級のレストランもあったんだとか!!

資料によれば

鳥取市の本格的鉄筋コンクリート造の建築では協立銀行・鳥取庁舎(但し鉄筋ブロック造)・鳥取県立図書館に次いて四番目に古く、現存する建物としては最古なっています

との記載。最古の建物!! スゴイ!

「五臓圓」って名前もカッコイイですよねぇ~。強そうだし・・・!

『五臓圓薬局』の元々は、森下家が「石見屋」の屋号で営んでいた生薬などを販売するお店。

ビルの名前は、初代から代々継がれた滋養強壮の「三心五臓圓」という薬からとられたもの。ビル名は薬が由来だったんですね~。

『五臓圓ビル』を中心に、鳥取駅前から旧市街地の3分の2を焼き尽くした「鳥取大火」。資料の写真を見るかぎり、本当にこのビルだけが残っている!!

また資料には、「鳥取大地震時は薬瓶が棚から3本落ちただけ」なんて記載も。

つ、強すぎる・・・!

もしかすると、鳥取最強のパワースポットかもしれない。

『五臓圓ビル』に見惚れる!街ブラで感動の発見がいっぱい

2011年頃には耐震・補強工事も行われ、かつての様子を伝える、貴重な存在として街の一角に変わらず立ちます。

ビルの2階には、お茶を主役としたステキカフェ(五臓円茶房いとま)。

私が行った日はお休みだったので、次はお茶を飲みながら、ビルの中も見学してみたいものです。

『五臓圓ビル』、パワーをひしひしと感じる、イイ出合いとなりました。

貴重なものは何度も見に足を運びたくなります。もっと深堀してみてもいいし、ビルとの出会いをきっかけに、鳥取の歴史を振り返ってみるのもおもしろいかも。

やっぱり地元のことは地元民に聞くのが一番ですね~! そんなことも思った撮影になりました。地元の人こそ、ぜひ足を運んでみてください。

『五臓圓ビル』の場所

『五臓圓ビル』の住所は鳥取市二階町2。袋川沿いにある有料駐車場に車をとめて、商店街歩きも合わせて楽しむのがオススメです♪

ちなみに『五臓圓ビル』のことを教えてくれたのは、すぐ近くの川端銀座通りにある『阿部珈琲』店主。こちらもまた歴史ある老舗コーヒー店です。お散歩がてらどうぞ。

五臓圓ビル

ゴゾウエンビル
住 所:鳥取県鳥取市二階町2 [MAP]

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編集部あつきち

タウン情報ラズダ編集部

編集部あつきち

タウン情報ラズダ編集部。鳥取県米子市、白ネギがおいしい町出身。

好きな食べ物は旬の野菜とくだもの、大豆製品。夏に見るツヤッツヤなナスと、冬のぶっくり太ったカブを見つけると、うれしくてテンションが上がります!

取材先で感動した場所は隠岐の島「摩天崖」、思い出の取材先は境港市「ポパイ」と大田市「Cafe Asbach」。
偶然が生む発見が大好物!ハプニングは好きな方です!

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