100年続く歴史ある銭湯『日の出湯』に客足が絶えないワケ-米子市
今日もいい湯沸いてます! 大正時代創業『日の出湯』が長年愛される理由を探ってきた
米子市立町3丁目、一方通行の道路沿いに扇形の看板。
歴史を感じる長屋の正体は、大正10年(1921)築の銭湯『日の出湯』です。
現在、米子にある銭湯は『日の出湯』と、米子駅前の『米子湯』の2軒のみ。昭和40年ごろには、米子市中心部に18軒も銭湯があったらしい!
およそ100年もの間、立町で営業を続ける『日の出湯』、今となってはか~なり貴重な存在。
『日の出湯』の場所、駐車場
住所は米子市立町3-61。店の横に駐車場あり。歩いて5分ほどの距離に『TSUTAYA角盤町店』があります。
暖簾をくぐり、中へお邪魔します
実は私、中に入る前からちょい高揚ぎみ。
なぜかといえば、男女別に分かれた入口。“これぞ銭湯”な店構えに、胸のドキドキが止まりません・・・!
引き戸をガラガラと開け中へ。
すると、時代が令和から昔にタイムスリップしたかのような感覚に! 仕切りの向こうには脱衣所、その奥に浴室。
入口から入るとすぐに番台があります。
番台は、風呂屋の入口に高く造られた見張り台。男湯、女湯どちらにも対応できるよう、部屋の真ん中にあります。これもまた、銭湯ならではの光景。
『日の出湯』の番台に立つのは小林正道さん。父親から店を継ぎ、番台さんをしています。
『日の出湯』の創業を聞くと、「建築は大正10年だけど、15年かな。よく分からないけど、まぁ、100年ってとこ」と返答。昔の入浴料はもっと安かったそうですが、当時の料金を聞いてみるも「もう覚えてないねぇ~」とひと言。
長く続く銭湯ならではの、この曖昧さがたまらなく良い。
開店の16時と同時に、一人の女性客が来店。
自転車で月に数回、通っていると話すこちらの女性。家に風呂はあるそうですが、「家よりこっちが大きいから。湯も熱いし」と満面の笑み。
いつから『日の出湯』へ?と聞けば「昔すぎて忘れたね」とのこと。 きっと、この女性にとって、足をグ~っと伸ばせる『日の出湯』は、たまの楽しみでもあり、日常の一部にもなっているんだろうな~。
話している最中も、入浴客が続々と。
自慢の湯は常連さんお墨付き!ざぶんと浸かってぬくぬく命の洗浄
浴室の壁にはタイルが貼ってあり、家のお風呂3つ分くらいの浴槽。ジェット付きだ!
天窓から陽光が差し込む浴室は開放感があります。
『日の出湯』の湯は重油を燃料に、41.5~42度。銭湯の心臓部となるボイラー室で、小林さんが毎日設定しています。
なんでも昔、40度に設定していたらお客さんから「ぬるい!」と言われたことがあるらしい。
だから再設定した今の温度は、常連さんからのお墨付き!
お湯と水の蛇口は別々。蛇口をひねりながら湯加減を調整し、桶に湯をためて体を洗浄。
そしたらお湯にざぶんと浸かって、湯船でのんびり命の洗濯♪
ちょっと深めの浴槽でしっかり温もれば、疲れも芯からすーっと癒されていきます。
『日の出湯』が愛され続ける理由とは
小林さんは『日の出湯』にやって来るお客さんとひと言ふた言、言葉を交わしていました。
「寒いね」、「(ここ来るの)初めて?」といった挨拶から、常連さんと小林さんの間でしか通じない話まで。
『日の出湯』のお客さんは男性が多め。小林さんと同じくらいの人もいれば、20代の学生さんも!
過去には小学生の女の子が2人でお風呂に入りに来てくれたこともあったそう。
小林さんは現在81歳。多分、小林さんは、一度見たお客さんの顔を覚えているのだと思う。なんとなく会話からの想像だけど。
初めてのお客さんも受け入れるし、何度も通っているとちょっとだけ仲良くもなる。
近すぎず、離れすぎずの距離感がちょうど良く、小林さんとは安心して話ができます。お客さんもきっとその距離感を自然に心地良く感じていて、また銭湯に来るんじゃないのかなぁ。
『日の出湯』がこれからも続くように、地元には応援団も
『日の出湯』をなくしちゃいけないとの思いで、地元には応援隊員さんも多数。
地元民が集まりプロジェクトならぬ「日の出湯元気ふろジェクト」を立ち上げ、銭湯運営のお手伝いや、銭湯を会場にしたマルシェを企画しています。最近では、オリジナルグッズも作っちゃいました!
\1月2日は初湯/
ちなみに、明日2日(火)は『日の出湯』の初湯。駐車場に農家さんの野菜やおいしいコーヒー屋が出店します。詳細はイベントページにて!
日の出湯
ヒノデユ
電 話:0859-33-4207
住 所:鳥取県米子市立町3-61 [MAP]
営 業:16:00~20:00
休 み:日曜、1/1
料 金:入浴中学生以上450円、小学生150円、未就学児80円
駐 車:あり
情 報:Instagram
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
鳥取・島根のお仕事情報
この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部あつきち
タウン情報ラズダ編集部。鳥取県米子市、白ネギがおいしい町出身。
好きな食べ物は旬の野菜とくだもの、大豆製品。夏に見るツヤッツヤなナスと、冬のぶっくり太ったカブを見つけると、うれしくてテンションが上がります!
取材先で感動した場所は隠岐の島「摩天崖」、思い出の取材先は境港市「ポパイ」と大田市「Cafe Asbach」。
偶然が生む発見が大好物!ハプニングは好きな方です!
【あつきちの過去の記事一覧はこちら】