「田部グループ」ってどんな会社?[鳥取・島根のリーディング企業2024]

編集部にっかんくん
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働いてみたい注目企業65社!就活の必携本「鳥取・島根のリーディング企業2024」

みなさんこんにちは、鳥取・島根のタウン情報誌「ラズダ」編集部です。

ラズダとっておきの別冊本「鳥取・島根のリーディング企業2024」が山陰の各書店にて発売中です♪

鳥取・島根には業種を問わず、“山陰から世の中を元気にしたい!!”と本気で考えている企業がたくさん。

本誌で紹介しているのは、山陰を、日本を元気にしよう!という熱い想いを持つ65の企業。「この企業で働いてみたい」「こんな人たちと仕事がしてみたい」そんな企業がきっと見つかる就活情報誌です。

今回は「鳥取・島根のリーディング企業2024」の中から、私が特に気になった企業をピックアップ!新卒就活、転職、UIJターンの参考にしてみてくださいね♪

「田部グループ」ってどんな会社?

時代の風を敏感にとらえ 進化しながら地域とともに歩む

たたら製鉄を礎に560年 人と自然の共生をテーマに事業を拓き未来へつなぐ

島根県雲南市吉田町、松江市などを拠点に、山林事業から「食」と「住」に関わる事業に領域を拡げ、新産業創出に挑戦する「田部グループ」。

住宅の新築・リフォームの設計施工、造園・外構工事、公共施設の環境緑化工事などを行う「株式会社たなべの杜」。ケンタッキー・フライドチキン(以下、KFC)をはじめピザハット、マネケン(ベルギーワッフル)と、世界的外食産業のFC運営を中国5県、大阪、兵庫で展開する「株式会社TANABEグローバルキッチン」。保有する山林の維持管理をはじめ、平飼い卵、特産食品の製造販売、吉田町の地域開発・活性化事業を行う「株式会社たなべたたらの里」、そして酒類の醸造販売を行う「株式会社田部竹下酒造」と、グループを構成する4社は2019年以降に新設されていますが、どれもグループの主体となる「株式会社田部」が取り組んできた事業、あるいは事業を引き継ぎ、さらに発展させるために分社化した形です。

田部グループを経営する「田部家」は、江戸時代にたたら製鉄で栄えた日本有数の山林地主で知られます。たたら製鉄とは、粘土で築いた炉内に「ふいご」で風を送り、原料の砂鉄と木炭を燃焼させ、純度の高い鉄や鋼を取り出す製鉄法。島根県南部の中国山地一帯は、良質な砂鉄、森林、清流に恵まれ、古代から野外でのたたら製鉄が盛んでした。

田部家の祖先は、鎌倉時代の1246年、紀州熊野から旧吉田村に入部。室町時代の1460年、初代・田辺彦左衛門が、川で砂鉄を採り製鉄を始めたのが、現在の田部グループの事業活動の起点です。その後、戦国時代の乱世には製鉄ができず、一族は今の広島県に逃れるものの、江戸時代前期、6代目が吉田村で鉄づくりを再興。最新の踏板ふいご、製鉄を通年行える屋内施設や鍛冶場を開設して鉄の生産量を高め、企業たたら経営を確立しました。

一方、たたら操業には大量の木炭が必要で、森林資源の安定的な確保が大命題。田部家は、保有する山々で広葉樹を伐採する計画を立て、数十年かけて元通りの豊かな山になるという、自然の循環に合せた資源調達を行いました。山を育み、守りながら営んだ製鉄事業の根幹には「人と自然の共生」があり、永い時代を経ても変わりません。現在の山林業、木材生産、住宅事業、特産食品の開発など、グループの事業に息づいています。

田部家の使命を引き継ぎ 人を想い創意工夫を重ね 地域を担う企業へ

室町時代から令和まで、25代続く田部家。江戸時代には櫻井家、絲原家とともに松江藩の鉄師頭取を務め、製鉄業の中心的役割を担いました。この間、苗字を田辺から田部に改め、藩から屋号「前綿屋」、「長右衛門」の名を賜ります。10代目より、家督を継ぐ当主は「田部長右衛門」を襲名しています。

出雲地方で生産される鉄は品質が高く、最盛期には全国の鉄生産量の約8割を占めていましたが、明治時代になると、原料の砂鉄に代わり輸入の鉄鉱石を用いた大規模な製鉄業が主流となり、たたら製鉄は衰退。田部家でも、明治維新を機に松江藩という最大の取引先を失って以来、規模を縮小し持ち堪えていましたが、1923年、21代目が廃業を決断。約400年の製鉄業で培った林業、木材生産業、当時産業や家庭の主燃料だった木炭の製造販売に、地域の新たな産業創出の可能性を見出し、家業をシフトしていきました。

現在のように、グループで多角的事業に取り組むようになったのは、23代の時からです。早くから経営の近代化を願っていた23代は、1946年、株式会社田部の基礎となる丸田薪炭有限会社を創立。翌年には、現在の日新グループの母体・日新林業株式会社など複数企業を創立し、山林開発、構造材の合板製造など、島根の林業振興に貢献。後の自社の建築・住宅事業進出へ繋がっています。また、私財を投じて松之舎病院(現在の県立中央病院の前身)を設立したほか、大手新聞社に買収されかけていた地元新聞社を合併して島根新聞社(現・山陰中央新報)を設立。地方紙の育成に努めました。続いて1959年に家督と社長を継いだ24代は、69年に島根放送株式会社(現・山陰中央テレビジョン放送)を設立し、メディア・IТ事業へ進出する一方、72年には日本ケンタッキー・フライドチキンとFC契約を結んだのを契機に、外食産業へ挑戦。さらに96年には吉田町に「たなべ森の鶏舎」を開設し、平飼い卵の生産や特産食品開発など地域の農産・食文化振興に道を拓きました。そして、現代。先代から“自然と文化を残しながら、郷土の発展を図る”という、田部家の使命を引き継いだのは、25代当主・田部長右衛門氏(44)だ。大学卒業後はフジテレビ勤務をへて、2010年から現・田部グループのトップとして経営に関わります。2015年、36歳で田部長右衛門を襲名しました。

地域の活性化をめざし 里山の誇れる文化を今に合うアプローチで発信

社長就任直後から、事業や経営管理体制などを全て見直す経営改革を約6年かけて行い、新たに田部グループ発足に導いた田部長右衛門代表。

多様な事業を展開する中、田部代表が最も力を注いでいるのが、たたら製鉄の歴史をともに紡いできた吉田町の賑わいを取り戻す、中山間地域の活性化事業です。2016年、たたら事業部を立ち上げ、2年後の2018年には吉田町で約100年ぶりに「田部家のたたら吹き」を復活させました。日本のものづくりの原点・和鉄の技術と文化を未来に伝承するプロジェクトで、操業は年数回だが、一般の人も参加することができ、一昼夜かけて取り出した鉄は自社ブランドのゴルフパター、刃物類などに商品化。県内外から大きな反響を得ています。たたら事業をはじめ里山の景観、文化、食などの魅力を発掘し、さらに磨いて発信するのが2021年設立の「株式会社たなべたたらの里」で、こちらでの田部代表の肩書は“代表取締役里長(さとおさ)〟となっています。

23年春には、所有する約4000ヘクタールの山林の一区画に、自然共生型アウトドアパークの「フォレストアドベンチャーたたらの里」をオープン。最高高さ20メートル、木々に架かるワイヤーロープを滑り降りる170メートルのジップラインは、子どもから大人まで夢中になれます。「山林の維持管理にあたる現場の社員から声が上がった事業で、2年前から計画・準備を進めていました。木を育てて売ることだけが林業ではありません。私たちが大切に育てている山、木々の空間を活用し、訪れる人に吉田町の自然を満喫してもらいたいですね」と田部里長は語ります。
同年秋には、田部代表を蔵元に、吉田町のとなりの掛合町に「株式会社田部竹下酒造」を創立。1866年、田部家が竹下家に委ねていた酒づくり事業を、150余年ぶりに再び引き継ぎました。「伝統の酒づくりを未来につなぐといっても、やるからには全く新しい、世界に通用する酒づくりを目指します」。杜氏には、岡山と愛知で酒づくり経験を積んだ濵崎良太さん(33)を迎え、今年1月~ 4月にかけ、異なる酵母を用いた4種類の「奥出雲前綿屋 試験醸造」を発表。県内外の愛飲家から好評を得て、初仕込みに期待が高まっています。田部代表は、将来的にはこの地で味噌、醤油なども手がけ、掛合町を“醸造の町”として盛り上げたいと願っています。

株式会社 たなべの杜

永年の山林、木材、造園外構事業で培ったノウハウを生かし、“木と生きる、木と暮らす”をテーマに、快適で健康的な住まいづくりを提案する「株式会社たなべの杜」。営業部、建築部、設計部、環境緑化部、不動産部で構成され、土地探しから新築・リフォーム住宅の設計、造園設計、コーディネート、施工、管理まで、自社一貫で行っています。

高校で建築を学び、広島の建築デザイン専門学校に進んだ福間心幸さん。卒業後は地元・松江で、インテリアに携わる仕事に就きたいと願っていました。「560年の歴史ある田部グループのたなべの杜で、インテリアコーディネーターとして入社でき、誇りに思います」。入社後6か月間は上司について実務や商品知識を学び、その後はお客様に内装(クロス・照明・カーテン・家具)の提案を行っています。「お客様と打ち合わせを重ね、選んでいる時が楽しい。自分の提案を喜んでいただけると、やりがいを感じます」。

部署内では、専門知識豊富な先輩・上司に囲まれ、「わからない事を気軽に聞けてありがたいです」と笑顔を見せます。お客様の信頼を得るためにも、業務に役立つ資格取得に挑戦しています。

株式会社 TANABEグローバルキッチン

広島市に本部を置く「株式会社TANABEグローバルキッチン」。中国地方を中心に、ケンタッキー・フライドチキン(以下、KFC) (広島県、島根県、鳥取県、岡山県、山口県)、ピザハット(広島県、島根県、鳥取県、岡山県、大阪府、兵庫県、山口県)、マネケン(島根県)と世界的ブランドの外食チェーンをフランチャイズ展開しています。

「以前アルバイトをしていたKFC出雲店で、当時いた社員が楽しそうに働いているのを見て、自分もその仲間になりたいと思いました」と、入社のきっかけを話す安田由佳さん。

2022年3月末にオープンした出雲斐川店に配属後、翌23年7月、店長に昇格。上司の推薦で、店長昇格試験を受け“合格”の報告をもらいました。「合格はうれしかったのですが、自分が主体的に店づくりをするという責任感の方が強かったです」と当時を振り返ります。出雲斐川店は、学生・主婦のアルバイトを含め、スタッフ全員、仲が良いのが自慢。「その風土を生かし人材育成に力を入れ、お客様に再来店していただけるような、地域一番店を目指します」。

株式会社 田部

田部グループ全体の経営戦略および経営管理を行う「株式会社田部」。東京事業部は、大都市を商圏に各種事業を展開。テレビやWebなど100以上のメディアに紹介されている高級お取り寄せグルメブランド「BREJEW(ブレジュ)」の通信販売、創作和菓子と茶房、こだわりの器の店「HIGASHIYA man marunоuchi ヒガシヤ マン マルノウチ」の運営などを行っています。

「BREJEW」は、フレンチのディナーコースやパスタなど、完成した料理を家庭で手軽に味わえる、これまでにないプレミアムな冷凍食品。豊沢華子さんは、そのオンラインショップでの受注管理や、百貨店・高級スーパーでの催事企画などを担当しています。「奥出雲をはじめ全国のこだわり食材のおいしさを閉じ込めた商品なので、お客様には味の良さをアピールしています。自信をもっておすすめできます」。雑誌の取材には、どんな料理を取り上げてもらうかを上司、先輩スタッフと話し合い、豊沢さんが提案することもあるといいます。

昨年の田部グループ入社式では、田部家の歴史や伝統行事、事業を学びました。「今度はぜひ、たたら操業の様子を見学したいですね」。

株式会社 たなべたたらの里

田部グループの原点、雲南市吉田町を起点に、山林資源を活用した循環型コミュニティの再生をめざす「株式会社 たなべたたらの里」。

オフセットクレジット(J-Ver)制度による森林の温室効果ガス排出削減、バイオマスボイラーでの山林資源の有効活用に取り組む「山林事業」、たなべ森の鶏舎、奥出雲前綿屋ままたまごを運営する「特産事業」、たたら製鉄総合プロジェクトを行う「たたら事業」、フォレストアドベンチャー・たたらの里を運営する「地域開発事業」を展開しています。

内田梨香子さんは、「ままたまご吉田本店」で、自社の「平飼い卵」を使ったプリンなど、里山スイーツの製造販売、接客を担当しています。

内田さんは雲南市出身。吉田の自然や趣ある町並みが好きで、将来はまちづくりに関わりたいと考えていました。島根県立大学松江キャンパス時代、地域文化学科の授業で講師を務めた田部の社員から町での取り組みを聞き、「自分がやりたいことと、企業の事業が一致した」と感じたといいます。「道の駅のお客様に、スイーツを通して町の魅力を伝えたい。吉田の町に多くの人を呼べるようがんばります」。

株式会社 田部竹下酒造

2022年、雲南市掛合町に誕生した酒造会社は、江戸時代に田部家から竹下家に譲った酒造り事業を、再び引き継ぐために創立されました。すでに杜氏として入社した濵崎良太さん、旧竹下本店の蔵人2名含む5名の社員が、新しい味の日本酒づくりに挑戦中。2年後を目標に、新たな酒造施設の建設計画も進んでいます。

福岡県生まれの濵崎良太さん。岡山県の大学・大学院で微生物を研究し、そのまま日本酒づくりの道へ。岡山、愛知の蔵で、経験を積んできました。

9月に入社後、11月に仕込みを始め、山田錦、春陽と2種の酒米、901号酵母など4種の異なる酵母を用いて、正式デビュー前の「試験醸造酒」を発表。普段は松江から通勤していますが、11月から4月は、蔵の近所に住み込み、24時間体制で樽と向き合いました。4種類の「奥出雲前綿屋 試験醸造」は県内外から反響が高く、出荷が間に合わないほどでしたが、濱崎さんは頬をゆるめません。「目指すのは、シンプルに旨い、また飲みたくなる酒。造り方、配合を試行錯誤しながら、蔵元(田部代表)が想う酒質に近づけたい」と抱負を語ります。

採用担当者からあなたへ

田部グループの各会社で求人をしています。たなべたたらの里は地元を活性化させるために、雇用を生み出す企業を目指しています。明るく元気で素直な方、そして目標に向かって意欲的にチャレンジしたい方を求めています。未経験者も大歓迎。先輩社員が丁寧に指導しますよ!

【資料請求・お問い合わせ先】
採用直通TEL/0852-60-2539
採用直通 E-mail/tubokura@tanabeco.com

公式サイトはコチラ

企業概要

事業内容 林業、飲食業、建設業、製造販売業他
創業 昭和21(1946)年11月25日
代表者 代表取締役 田部 長右衛門
社員数 2279名(男1156名 女1123名)

田部グループ

タナベグループ
電 話:0852-60-2539(採用直通)
住 所:島根県雲南市吉田町吉田2407 [MAP]
情 報:HP

sponsored by 田部グループ

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山陰のタウン情報誌「Lazuda」編集部に所属(?)。新しいコト、ウワサに目がないミーハー。当サイトのマスコットキャラクターも務める。

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