相談事例:4才でゲーム依存、どうしたらいい?その回答とアドバイス
小さい子どものゲーム・メディア依存に関するQ&A
こんにちは。レインディアの藤原です。暖かくなったり寒くなったり、春本番が待ち遠しいですね。
先日、鳥取県日野町の『しいたん広場』で1日講演をしてきました。
昨年の若桜町に続き、今回の日野町も現地女性の熱心な取り組みに心動かされての実現となりました。今回の講演の様子は、町民チャンネル「チャンネルひの」で放送され、日野町HPでご覧いただけますので、ぜひご覧ください。
今回のコラムは、先日の講演で実際にいただいた「メディアと子ども」に関する質問と、その回答について。
子どものゲーム依存、なぜ依存してしまうのか
私の講演スタイルは、会場に来られた親御さんから質問を伺い、ライブで次々と応えていくのですが、ある相談に大変悩みました。
それは「4才の息子がテレビゲームに依存していて、どうしたら離れられますか?」というもの。
4才ですでにゲーム依存であると、お父さんお母さんが感じ、それを問題だと考えられている・・・。まさに社会問題を表している事例です。
スマホやタブレットの進化で、メディア依存は低年齢化してきています。
それでも今までは「動画を見る」タイプの受け身中心であり、4才では依存するほどのゲームに関する相談がありませんでした。
そういった中で、果たしてこの問題、どう対処すればいいのでしょう?
「依存」とは、自分で自分をコントロールできなくなっている状態。例えば、ゲームをしないと情緒が安定しなかったり、ゲーム以外のことに集中できなくなったり。
重度の依存状態になっていたら、これは私の対処できる問題ではなく、医師や専門家に相談してもらう方が的確な対処ができるかもしれない、とも考えられる問題。ただ、今回はそこまでの状態ではないという前提でお答えさせていただきました。
この日はまず、年齢(4才)ならではの行動について解説しました。
4才前後の子どもは、悪いと分かっていて、悪いこと(大人が嫌がること)をしてしまう段階。ゲームのし過ぎを、この男の子は悪いことだと認識したうえで続けている可能性があります。
その場合、実は子どももゲームのやり過ぎを注意されたがっているのです。
しかし、子どもがゲームをしていれば、親は家事ができたり、下の子の面倒をみられたりして、親にとって都合がいいために、子に声を掛けるタイミングが後回しにされてしまうと、「ゲームをする事はいいことなのかもしれない」と感じるように。
中々止められないからといって、子どもを注意しないのは、悪循環になってしまうわけです。
まずは親子で一緒に《ゲームの体験を共有》してみましょう
では、具体的にどうすればゲームの時間を減らしていけるのでしょう。
まず親ができることは、ゲームを一緒にしたり、ゲームしている画面を一緒に見たりして、そのゲームの内容を親が知ること。これは、ゲームばかりでなく、動画視聴を止められない子どもにも同じことが言えます。
YouTubeチャンネルを永遠に自動再生していると、親は何を見ているのか分からないことが増え、動画の内容を親子で話することさえできなくなります。
逆に、動画の内容やゲームの内容を親も知っていれば、「昨日は攻略できなかったあの部分が、今日はできたんだよ!」などと親に伝えられます。そのほか、親も見たことのあるアニメ動画を見ていた子が、登場キャラクターのマネをした時、「え、あのキャラクターそっくり!」と、情報共有できますよね。
子どもが大きくなってくれば、親の知らない世界、ゲームの中などで居場所を見つけることも。しかし、未就学児の段階では親の知らない世界を作ることは、親子関係の悪化に繋がる心配が出てきます。
親子のコミュニケーションがとれてくれば、今度はボードゲームやカードゲームに挑戦。または、工作やお絵かきなどでもいいかもしれません。
4才ごろの子どもは、自分の世界観を作って遊ぶことが好きであり、同時に大人と勝負して勝ちたい気持ちが高まってきます。
光を発するディスプレイ、同じことが繰り返されるメディアのゲーム・アプリと異なり、実態のあるゲームは毎回流れが違いますし、親が意図的に負けることもできますよね。
ゲームでムダなストレスを溜めないこと、楽しんだり自信を付けさせてあげること。そして、親子の時間を増やせれば、ゲーム依存からの脱却も見えてくるでしょう。
7才くらいまでの子どもは、大人の評価を求めるので、大人の行動を変えることがとても重要だと思います。
間違っても、「ゲームを止めないとご飯抜き!」とか、「ゲームがそんなにしたいなら、ずっとゲームしていなさい!」などと、子どもを追い詰めてはいけません。それは体罰になりますし、そもそもゲームを与えたのは大人ですよね。
ゲームを与えて、親子関係が悪化、なんて本末転倒もいいところ。
今の時代、親もゲームを楽しんできた世代でしょうから、ゲームと上手に付き合っていきましょう!
今回、ゲーム依存が出てきた背景には、ゲーム開発者がアプリなどを幼児向け、より低年齢向けに制作してきている背景があります。
我が家でも、子どもが小さいころ、病院の待合所など、静かにしていて欲しい場所で、スマホのゲームをさせていましたが、依存することはありませんでした。
それは、月齢に対してゲームの難易度がまだまだ高かったり、簡単過ぎておもしろくなかったりといった理由だったのだと。ですが、技術は日進月歩、商売のために4才児を離さないための仕掛けが開発されたのでしょう。
テレビがそうであったように、歴史は繰り返します。
今回は、講演途中でほかの傍聴者もいる中での質問でしたので、依存レベルの程度やゲームの種類・内容といった詳細は伺えませんでした。そのため、このような回答でしたが、もしかしたら「ゲーム依存」という言葉の裏に、ほかの問題が隠れていることもあるでしょう。
子どもの行動を親がコントロールできなくなってくると、様々な不安が出てくると思いますが、子どもは成長段階で行動が変わるもの。
その年齢、その時の発達段階で、対処法は変わることは、大前提として覚えておいてくださいね。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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