2才3ヶ月の魔のイヤイヤ期。どうやって乗り越える?【本当にあった育児相談Q&A】
「魔の2才児」と言われるイヤイヤ期、対応の仕方やポイントを解説
こんにちは。レインディアの藤原です。
GWには楽しい思い出がつくれましたか?
私が開催している「教育関係者向け発達講座」、先月は2才の発達でした。「魔の二才児」と言われるイヤイヤ期、当コラムでも何度も多方面から取り上げていますが、丁度その段階のお悩み相談が京都府の方から寄せられました。
掲載許可をいただきましたので、みなさんにも参考になればと公開したいと思います。
ただ、2才代は、ものスゴく変化があるので、回答文章が長くなっていること、先にお詫びしておきます。
〜相談内容〜
(京都府にお住まいの2才3ヶ月男子のママさんから)
子どもがイヤイヤ期になりストレス爆発しそうです。
少し前からイヤイヤ期が始まり、「◯◯するのイヤなの」と言うから、「そうか◯◯嫌なのね」と共感しても、「じゃあやめとこうか」と言っても、別のことに誘っても何をしてもイヤイヤ怒られた泣かれます。
また、「ママ嫌なの?!」と言うことも出てきて傷付きイライラします。
ママが◯◯しようとするから嫌、◯◯してくれないから嫌、ということだとはわかるのですが、それでも、「じゃあもういい知らない勝手にして!」と言ってしまいます。
こんなに頑張ってるのに!と勝手にストレスを溜めてしまいます。あれもこれもイヤイヤ、色々やってあげても報われない(ご飯を食べない、寝てくれないなど)、時間もなく余裕もなくストレスが溜まる一方・・・。
夫は短時間しか関わらないし自由時間もあり余裕があるからか、イヤイヤ言われても基本は笑っています。私のことも労ってくれず、頑張ってるのに大したことしてないと思われているようでそれがまた余計にイライラします。
どうすれば怒らず笑顔で過ごせるでしょうか。
子どもの希望を即座に“少しだけ”態度で示してあげましょう
お子さんの月齢、正に第一反抗期のイヤイヤがピークの月齢ですね。
日々のストレス、辛さ、お察しいたします。
まず、今の段階の息子さんへの対応方法ですが、「イヤ!」という言葉に惑わされずに、息子さんの希望を即座に少し態度で叶えてみてください。
その際、ママがやってしまうと、イヤイヤ反応になってしまうので、息子さんと一緒に向かうことがコツ。
例えば、息子さんが「ジュースが飲みたい」と言った時、ママが冷蔵庫からジュースを出して入れるのではなく、面倒ですが、息子さんを抱っこなり、踏み台なりを使って冷蔵庫を開けさせ、ペットボトルのフタをママと一緒に開ける。そして、手を添えながら一緒にコップにほんの少しついで飲ませるような感じです。※コップの底1センチ程度で充分。
この月齢のイヤイヤは、「自分でやりたい!」自立心からなので、息子さんの意思を尊重してあげる事が基本。ただ、もちろんまだひとりでは何もできないので、すべてをママが手助けしないといけませんが・・・。
ご飯を食べてくれないのも、ママが先に食べているとマネして食べるようになるのですが、ストレスが溜まっているとママの食欲も湧きませんかね?
この月齢の子は、しばしば好き嫌いなどの反応が出て、食べなくなります。ですが実は、味覚はさほど育っておらず、食材に変化を与えると食べるようになるんです。
例えば、お子さんにスーパーやコンビニでもらえる、ソースやケチャップなどをおかずにかけさせてあげましょう。ふりかけやゴマ、海苔でもOK。マヨネーズでも、うなぎのタレでも何でもいいので、息子さんにトッピングをさせましょう。
すると、自分で作った気持ちで、ご飯を食べてくれると思います。
とにかく、この月齢は「自分でもやってみたい!」段階なので、手で食べたり、合わないカトラリーを使いたがったりしますが、息子さんのやりたい気持ちを使う事が大切です。
また、今の月齢では、記憶力が未発達なので、夜に「お散歩行きたい!」などとワガママを言ったら、玄関ドアを開けて数歩で戻ってくれば大丈夫。長時間散歩に連れ出しても、自分が散歩に行きたいと言ったことを忘れてしまいますので。
これから訪れる発達の特性
と、ここまでが今の月齢での対応でしたが、おそらく、そろそろ次の成長ステップに移ってきていると思います。
それは、「喜怒哀楽の感情が繊細になる」段階。
オムツの中にウンチをする時、隣の部屋に行ったり、机の下に隠れたりしませんか?または、今まで平気で登っていた滑り台を「高くて怖い」などと言って登らなくなったり、雷の音を恐れたり。
今までの月齢では、良いか悪いの二択でしたが、これからの月齢では、感情が繊細に、複雑に育ってきます。
NHKの子ども番組で、うたのお姉さんなどが大げさな感情表現を、ジェスチャーを交えて演じていますが、これが効果的になる月齢。逆に言えば、お子さんの前でママが素直に全力投球していると疲れるので、子どもに分かりやすい演技をする方が良い段階です。
子どもが泣いたらママも泣く、子どもがイヤ!と言ったらママも同じようにイヤ!と言う、息子さんの行動をマネしてみてください。
この月齢では、考える行動が始まるので、ママを労ってくれたり、嘘をついたりと行動が複雑化。考える行動は、パズルの向きを考えて完成させたり、二者択一ができるようになったりといった行動で見られます。
例えば、お店のキッズコーナーから中々帰ろうとしなかった時、「もう帰るよ!」と言うだけでなく、「お家に帰ってテレビ見るのと、お菓子食べるのどっちがいい?」などと二者択一を提案してみましょう。
どちらを選んでも家に帰るわけですが、自分で選択した事には素直に行動するのが子どもです(笑)。
叱る時も、長々と叱り続けても意味がなく、ひと言二言強く叱って、ママが息子さんの前から離れ、1分ほどしてから迎えに言って、ママが言った言葉を復唱させることが大切。
この躾の仕方は、タイムアウト法と呼ばれ、私の過去コラムでも書いています。
最後に相談者のママへアドバイス
ここからは、勇気を出して相談いただいたママへアドバイスを少し。
今の月齢は、数の概念が誕生する大事な段階でもあります。
この時期から、指でピースして2才を表現したり、階段を数えながら上ったり、お菓子を一個二個と渡したり。「数の増減」と日常的にふれ合うように意識してみてください。
また、男の子は、おしゃべりする時に、文章をつくるまで時間がかかります。息子さんの気持ちや言いたいことが分かっても、先回りせずにひと言ひと言聞いてあげましょう。
言葉の爆発期にも重なる段階。子どものIQを高めるにも、今の段階から絵本をたくさん読んであげると、どんどん覚えます。
ただし、このタイミングでは、英語教材などはあまり意味がありません。というのも、3才3ヶ月ごろに「幼児健忘期」と呼ばれる、幼児期の記憶をリセットする段階があるためです。名称や数字の順番などを正確に覚えるのは3才半から。
それまでは感覚的に覚えて、《体のセンサーを構築する段階》と捉えてくださいね。今は、この幼児健忘期前ですので、ママが叱ったとしても息子さんは忘れてくれます。
また、旦那さんですが、自分は子どもとの時間を笑顔で過ごしたいという感じなのでしょう。
3才のお誕生日ごろから男の子は、憧れる存在が必要になってきます。
息子さんも今は電車や乗り物が好きだと思いますが、3才ごろからスポーツ選手やヒーロー物に憧れるように。その段階では、お父さんが役立つようになるので、今は大変ですが息子さんに必要なのはママだけな時期です。
最後に、怒らず笑顔で過ごす方法ですが、子どもの行動は親の希望に添っていないのでイライラします。しかし、多くは《人間の成長に必要な行動》であると考えてください。
毎日の育児でてんやわんやだと思いますが、一度立ち止まってみてください。たった2年前に生まれ、1年前に歩き始めたばかり。ここまで育てたのはママの力です。
命をここまで繋いできたこと、それはとてもスゴイこと。胸を張りましょう!
現代社会では、保育園が整備され、イヤイヤ期の苦労も知らない人も少なくありません。しかし、残念ながらそうして育った子どもは、大人になってから親に感謝しません。
今は寝顔を見ている時だけが幸せな時かもしれません。けれども、現代ではスマホという便利な道具があるので、イヤイヤ言っている息子さんをしっかり動画で記録しておいてください。
我が家の子ども達、ずっと自分が小さいときに動画を見て喜んでいます。夫は労ってくれなくても、息子さんは3才くらいからママの味方になってくれると思いますよ!
この数年を頑張れば、後の一生を息子さんが愛情で返してくれますから、今が育児で辛いピークの時期なので、何とか頑張って乗り切りましょう!
長々と書きましたが、第一反抗期はまだまだいろいろな変化が起こります。
とはいえ、今より大変な段階はないですし、小さい時は今しかありません。面倒なところを見るのではなく、「昨日できなかったことが、今日はできるようになった」というような成長を見ていきましょう。
それは、散歩中に道ばたの花を見るのか、ゴミを見つけるのかの違いと似ています。良いところ、かわいいところを見過ごすともったいないですよ!
ママが演技の作り笑いであっても笑っていれば、子どもも笑ってくれます。声を出して笑ってみてくださいね。
何かあれば、今後も気軽に相談いただければと思います。旦那さんの愚痴や職場の人間関係など、話して楽になるようであれば、遠慮なくメールいただければと思います。
※ただし、返信にはお時間をいただく場合がありますのでご容赦ください。
いかがでしたでしょうか?
育児をひとりで頑張っているお母さんと出会うと、放っておけない気持ちになります。
同様の内容でも、全然違う年代の問題でも、何でも気軽にご相談ください。
では、今回のコラムはここまで、今後ともよろしくお願いいたします。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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