明治・昭和時代の漁業が垣間見える特別展。松江市『鹿島歴史民俗資料館』で山陰の歴史をたどる
水辺に暮らす人たちの生活。特別展「海と湖に生きた人々」は1月13日まで
先日、松江市鹿島町にある『鹿島歴史民俗資料館(かしまれきしみんぞくしりょうかん)』へ。ここで現在開催中の展示会がとても興味深いものだったので、行足を運んでみました!
2025年1月13日(月・祝)まで開催中の特別展「海と湖に生きた人々」。
明治~昭和時代に、山陰3つの水域(島根半島・中海・宍道湖)で使われてきた漁撈用具(ぎょろうようぐ)を展示。
漁撈用具とは、漁に使う用具はもちろん、漁に出るための船や仕事着なども含みます。漁に関わる展示物を通して、海の近くで暮らした人々の生活を垣間見ることができます。
日本海、中海、宍道湖などの水辺のそばで暮らす山陰人にとって、漁はとても身近な存在。(かくいう私も弓ヶ浜に生まれた身として興味津々!)
ちなみに、展示される「島根半島沿岸及び宍道湖・中海の漁撈用具」1598点は、今年3月21日に国の登録有形民俗文化財に登録されました。
島根町、宍道町、八束町住民から寄贈されたものを含む貴重な品々を見ていきましょう~!
【第1展示室】日本海・島根半島
日本海・島根半島で用いられた漁法は、集落によって多少の違いはあるそうですが主に「釣漁」、「カナギ漁」、「網漁」。
こちらの展示室では「釣漁」の延縄(はえなわ)と一本釣りが紹介されていました。
「二本バリ」「毛バリ」「ブリバリ」と針だけでも種類が多彩!
DIYが盛んになった現代においても、針の自作はなかなか難しいもの。その分特別な価値があって、今でも重宝されそうな針がたくさん。
漁に使われた衣類。
(写真左から)「どんざ」、「こでなし」、「しんぼう」といわれる作業着。中には海に限らず、野良着や山着と年中着用されたものも。
【第2展示室】宍道湖・中海ギャラリー
日本海、中海、宍道湖など、それぞれ塩分濃度が異なる水域に隣接する山陰。
中海の塩分濃度は海水の2分の1、宍道湖は10分の1なんですって! 濃度が違えば獲れる生物も漁法もそれぞれに異なるとのこと。
当時使われていたタコツボ。ひとつひとつが不ぞろいなことから、人の手で作られていることがよく分かる! そして、ウナギを獲るための道具「タケポッポ」。
展示物を見ていると、館長が「生物の習性は昔から変わらない」とひと言。
狭い穴倉を好む習性があるタコは、今でも「タコ壺漁」という漁法があるし、泥や穴に潜むウナギの習性を利用した「タケポッポ」は、ウナギ漁法の元祖なのかしら・・・!?
用具の形は変わりつつも、漁法自体は大きく変わっていないのかもしれません。
用具を見て回りながら、自分なりに漁の様子を想像して楽しく鑑賞できましたよ。特別展は1月13日まで。
『鹿島歴史民俗資料館』の場所
資料館があるのは松江市鹿島町名分。『佐太神社』参道沿いにあります。資料館向かいに広い駐車場があり。
鹿島歴史民俗資料館
カシマレキシミンゾクシリョウカン
電 話:0852-82-2797
住 所:島根県松江市鹿島町名分1355-4 [MAP]
営 業:9:00~17:00
休 み:月曜
駐 車:あり
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この記事を書いた人
タウン情報ラズダ編集部
編集部あつきち
タウン情報ラズダ編集部。鳥取県米子市、白ネギがおいしい町出身。
好きな食べ物は旬の野菜とくだもの、大豆製品。夏に見るツヤッツヤなナスと、冬のぶっくり太ったカブを見つけると、うれしくてテンションが上がります!
取材先で感動した場所は隠岐の島「摩天崖」、思い出の取材先は境港市「ポパイ」と大田市「Cafe Asbach」。
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