手づかみ食べをしない1才の女の子。4月から保育園なのにどうすれば…《前編》【本当にあった育児相談Q&A】


食事をしない1才の子ども。その原因と対策はどうする?
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
今回の育児コラムは、今年1月にお悩み投稿フォームに寄せられたばかりの内容。投稿者の方に許可をいただきましたので紹介したいと思います。
今までと少し違うのは、相談者様からの返答、それに対する2回目の私の回答まで連続した内容となっている点。
内容はもちろん、私がどのように問題を分析し、返答しているのかも垣間見られるのではと思います。
〜相談内容〜
(相談者:1才0ヶ月・女の子の保護者さんから)
「手づかみ食べ」をまったくしません。食パンや野菜やハンバーグを持ってもらおうとしても払い除けられます。コップも同じく、自分では持たず、介助。水分をあまり好まず、ほとんど飲んでくれません。口にふくんでもうがいみたいにすぐに出してきます。味噌汁などはスプーンであげると飲んでくれます。
最近ではエプロンを外してくることも多くストレスです。お昼ご飯などはたまに一緒に食べますが、手は出ず、食べさせてくれと言わんばかりに前のめりになるだけ。
4月から保育園に行きますし、焦っています。最近自分で食べないこと、水分を摂らないこと、エプロンを外すことへのストレスが強く、子どもに怒鳴ったり、頭を小突いたりしてしまいます。
先週から授乳時に噛むようになってきてとても痛いです。寝かしつけや夜間は睡魔が勝つためか、噛まないのですが、日中は噛まれます。痛い・泣く演技はするのですが、あんまり効果は得られません。ベビーベッドで寝ているため添い寝もできず、授乳に頼って寝かしつけをしているため、困っています。
よろしくお願いします。
月齢から考える原因と、その対策・アドバイス
1才ごろは“自分の手”の認識が未熟な時期。手に刺激を与えてあげましょう
1才ごろはまだ“自分の手”の認識がなく、これから生まれてくる段階。ですので、まずは手に刺激を与えて「これはあなたの手なんだよ」と、脳と手を繋げる事が必要かと思います。
指しゃぶりや、壁を叩くなどの行動は、手に刺激を与えて距離感を得る、右手と左手を別々に認識するための運動の意味も。
エプロンを外したり、払いのけたりする行動はあるようなので、手のひらや腕のマッサージ、脇のコチョコチョなどをしてみましょう。指先まで脳の神経支配を広げてあげると、成長意欲から指先を使うようになり、手づかみ食べにも繋がってくると思いますよ。
いろいろな物、オモチャやお手玉、買い物袋やお玉、タオルなどの日用品をさわることも大切。
飲み込んでしまう物は危険ですが、生活圏にある物を口に入れ、自分の生活する世界の菌類を身体に覚え込ませるためにも、「さわって口に入れる」行動をさせてあげましょう。
水分を、口に含んでうがいみたいにして出すとの事ですが、それも大事な行動です。
1才ごろは、意味のある単語を話すようになる時期。言葉は口が乾燥していると発音が難しいので、口内に潤いを与えるだけでも意味がありますよ。
「ママのマネ」で行動が変化。実際にしているところを見せてあげましょう
また、月齢的に今はママの行動のマネが基本。食事を促すには、ママが先に食べる姿を見せる必要があります。
例えば、お家のカギを触ろうとしたり、ママのスマホを触ろうとしたり、エアコンのリモコンを触ろうとしたり。そういった行動が出ていると思うのですが、これらすべてがママのマネですよね。
カギやスマホっぽいオモチャを渡しても喜ばないのは、オモチャをママがさわらないから。
同様に、例えばチャイルドシートに座るのを嫌がる仕草。これもママが最初に車に座り込む姿を見せると乗ってくれたり、ママが寝る姿を見せると睡眠に入ったりします。
おにぎりなど、ママが手で持って食べる姿を見せると、マネるようになると思います。
月齢・発達状況によっては「ママの反応を欲している」時かも
平均的な成長の1才であると仮定すると、上記の内容になります。もし1才1ヶ月が近いとか、成長が早めのお子さんだとすると、ほかの理由に移っているかもしれません。
それは《ママの反応欲しさに反発している》段階の行動。
1才を過ぎてくると、自分が見られているかどうかを確認するようになります。通常、ママが大きく反応するのは、良い事をした時よりも困ったことをした時ですよね?
例えば、コンセントをさわろうとしたり、テレビ画面をベトベトの手でさわろうとした時。ママは「あ!!ダメダメ、そこさわらないで~」と、引き離そうとするでしょう。赤ちゃんからすると、まだ感情の理解が生まれていないので、これらの行動は単に「コンセントやテレビをさわれば、ママがやってきて抱っこしてくれる!」と受け止め、ママの反応が大きいことを繰り返すように。
「子どもに怒鳴ったり、頭を小突いたりしてしまいます」と書かれていますから、ママは怒っているつもりでも、赤ちゃんからすると、自分に声をかけてくれている!さわってくれている!と喜んでいる可能性があります。
相談者様は罪悪感を感じられているかもしれませんが、赤ちゃんはまったく気にしてない。というか、ママの怒りを理解できない段階ですので、程度にもよりますがあまり問題はないかと。
保育園入園後は「ママのマネ」から「ほかのお友達のマネ」に移行
4月から保育園に行くとの事で、そのころの月齢になると、赤ちゃんはほかの子どものマネをするような段階に。今、家でできていなくても、何も心配はいりませんよ。
保育士さんのスキルはもちろんありますが、どのお子さんも、ほかの子どもが食べる姿を見ると食べるようになるもの。
また、1才1ヶ月ごろになると、体内の感覚も育ってきます。食べたものを食道から胃や腸へ送るために、食事中に身体を動かそうとします。“遊び食べ”に見えますが、これは身体を動かして、ポンプのように食べ物を送る行動。1時間ぐらいゆっくり食事に付き合ってあげましょう。
授乳時の泣きマネは逆効果かも
そして、授乳時に噛む仕草。大変ですね・・・。痛い・泣く演技をされているとのことですが、これは上述の通り、ママの反応を喜ぶ段階なので逆効果でしょう。
痛い時、止めて欲しい事をした時は、無視するかほかの事で気を引く、またはコチョコチョして脳をリセットするのがいいでしょう。
今の月齢は記憶力が3日程度はあるので、噛まれた時に3日間程度無反応で我慢できれば、繰り返さなくなるのではと思いますが、どうでしょうか。ちなみに、ママの泣くなどの演技が意味を持つのは2才ごろからです。
寝かしつけのコツは心臓の動きに合わせてトントンを
寝かしつけのコツは、お子さんの心拍数に合わせてトントンと、手でリズムを打つようにしてあげましょう。
私は、卒乳を1才3ヶ月ごろに行う事をオススメしています。1才を過ぎておられるので、痛く辛いようなら卒乳を考えられてもいいタイミング。寂しいですかね・・・?
育児が思い通りにいかないと、不安になってストレスを感じますよね。ただ、それ以外にも産後1年という段階に入ると、母体の変化も出てきます。
月経や卒乳など、ホルモンの変化が伴う身体の変化がありますよね。将来の事など、とても不安になってくると思いますが、まずは一日一日の育児を楽しんでみてください。
ママもおやつを食べたり、歌を歌ったり。ストレスコントロールを意識してみましょう。ママが笑顔になると、なぜか赤ちゃんの行動も落ち着いてくるもの。
今後も次々と、いろいろな悩みが生まれてくると思いますので、気軽にご相談いただければと思います。
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あとがき
2月に入って寒く、冬らしい日々ですが、いかがお過ごしですか。
今月は、友人家族に赤ちゃんが誕生予定。自分が年を取ると、周りで赤ちゃん誕生の話題が減ってくるので、久々に出産祝いは何が喜ばれるかなぁ?などと考えています。
思い返せば、長男が生まれる前の1ヶ月間、妻のお腹の中で中々下がってきていなかったために、産婦人科の先生から「歩け!」と言われ、二人で毎日1時間ほどウォーキング。引っ越したばかりの土地で、狭い路地を探索して一日一日、出産日を待ち遠しく過ごしていました。
娘が生まれる前は、お兄ちゃんとお腹の中の子に向けてニックネームを付けて、たくさん話しかけていました。
命の誕生を待つ時間、それは夜明け前の静けさや、映画が始まる前と似て、心を落ち着かせるのが大変なほどの期待感あふれるステキな時間だったことを思い出します。
しかし、妻は喜びや楽しみと同時に、責任感や不安でいっぱいだったでしょう。育休と比べ、産休に注目される事は余りありませんが、物事でいえば準備に当たるこの時間を大切にしたいですね。
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この記事を書いた人

Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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