英語は何歳から?~2020年、小学校で英語教育がスタート~【藤原さんの育児学Vol.14】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

“エセリンガル”を誕生させたアメリカでの第二言語教育

今年から小学校で、英語教育やプログラミングなどが本格的に導入されます。

私は輸入業務も行っておりますし、外国旅行も好きななので、英語の重要性は痛いほど知っています。それに実は、妻も英語や中国語を使う仕事をしています。

そんな我が家ですが、英語を教える時期について“急がない事”で夫婦一致の考えです。

世間には英語塾で生計を立てている方もいますし、国際結婚が増えている現代では各家庭によって事情が異なるので、どちらが良いというワケではありませんが、世界中の教育現場で第二言語教育が始まって久しい今日、いろいろな事が分かってきました。

今回は、講演などでもよく質問を受ける「英語はいつから習わせたらいいのか」について話したいと思います。

 

米国・カルフォルニアで育児中の友人ママは、先日帰国したときに「“エセリンガル”が問題になっている」と教えてくれました。

教育熱が高いアメリカ都市圏では、日本よりもずっと早くから英語と日本語を使う小学校が設立され、そういった学校を卒業した人が社会に出てくるようになってきました。

すると、母国語(この場合アメリカ英語)が定まっていないので、物事を深く考えたり、理解したりできない人間になってしまったというのです。

どうしてそんな事が起こるのでしょう? それは、言葉の持つ“曖昧さやイメージ”が原因と思われます。

日本語の「山」、英語の「マウンテン」、これだけでも人それぞれでイメージする規模は違うでしょう。

好きとかLoveと言われても、結局は感覚で理解する能力の差になってきます。

分かったつもりになっているけど、実際は正しく理解できていないという事の結果が、物事を深く考えられない問題に繋がっているようです。

まずは母国語をしっかりと身につける事が大切といえそうです。

 

また、昨今の小学校風景をみると、算数は数の概念の前に読解力の学問になっています。文章問題を読み解く力がないと、小学校2年生でつまずく事になります。

実際、私の息子が通っている公立小学校では、小学校3年生の算数の授業で、理解力別に生徒を分けて授業をしています。おそらく、学級崩壊対策や教育格差の問題もあっての取り組みだと思いますが、英語やプログラミング以前の問題があるように思います。

次は少し違った視点からみてみましょう。

英語をはじめ世界の言語は、それぞれ常用されている音域が違うと言われています。

顔の筋肉の使い方も違うので、日本語ばかりの生活では「聞き取る力」も「話す力」もどんどん難しくなっていきます。

耳が、自国の母国語の音域に絞る年代は、だいたい9才頃と言われています。9才は、大脳の容量も大人と同じくらい育つ頃で、常識を疑ってかかる段階へと変化する年齢です。

日本語で育ってきた中で、「日本語」という言葉に疑いを持つ事が子どもの中で始まるのです。そういった意味で、今年から日本でも小学校3年生で英語教育が始まるワケです。

ですが、実際に英語といきなりふれあって、すぐに耳や顔の筋肉が育つのではありません。個人差もあるので、できれば1年位前の8才からは慣らしてあげておくといいのでは?と私は思っています。

我が家では、ピアノなどの楽器を習うことで耳の聞く力を、外国人と交流する機会をつくって「言語」への興味を、と考えています。

 

今、英語を話せる日本人はこの山陰にもたくさんいます。

しかし、英語が話せるだけでは良い職に就けるワケでなく……。そういった事情からも仕事柄、私への相談もたくさん寄せられます。

日本人のパスポート取得率は24.5%、山陰では10数%と低く、アメリカの44%やイギリスの77%と比べ、国際経験の少なさは数字から簡単に推測できます。

「英語を学びたい!」と子どもが自発的に思う事が、なによりも大切ではないでしょうか。

百聞は一見に如かず。

この言葉の続きには、行動しなければ意味が無いという言葉もあります。

オリンピックでたくさんの外国人が来日する今年、ぜひパパ・ママも子どもを連れて外国へ行ってみましょう!

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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