子どもの集中力は“覚える”よりも“思い出す”でぐんぐん育つ!【藤原さんの育児学Vol.16】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

「ウチの子、おもちゃで遊んでもすぐに飽きてしまうんですよ~」は大間違い!

弊社で運営している木のおもちゃレンタルサービス「もくレン」のアンケートでたびたび聞くワードが「飽きっぽい」「おもちゃよりも日用品に興味がある」といった言葉。

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皆さんも、ウチの子飽きっぽいな〜とか、もっとひとつのおもちゃで遊んでくれたらな〜、と感じた事があるのではないでしょうか?

でも実は、赤ちゃんはおもちゃに飽きているワケではないんです!

ということで今回は、“集中力”に関するお話をしたいと思います。

 

1才前後のお母さん方からよく、前出の「おもちゃに飽きっぽい」という話を聞きます。でも、この月齢では飽きるほどの記憶力がまだ育っていないのです。

ひとつのおもちゃで遊んで、少ししたらほかのおもちゃに興味が移ったり、おもちゃを与えて家事をしようとすると遊ばずにママのそばでキッチン用品で遊ぶようになったり。これらの行動は、目の前の行動をマネして育つ段階の行動。

覚える事ができないから、見た物に次々反応しているワケです。

ほかにも、絵本を読んであげていると、数ページ進んだところで子どもがページを戻そうとする行動があると思います。

これも1ページ、2ページ、3ページ……と読み進めようとしても、1才代前半の子どもは最初の1~2ページを覚えて、次のページに移ることができない事からの行動です。

では、どう対応してあげれば良いのでしょう?

それは、同じ事の繰り返しに付き合ってあげることです。記憶力とは、“思い出す力”なので、2才前頃までの子どもは、何度も同じ事を繰り返そうとします。

毎日同じ絵本を持ってきたり、毎回、同じ食べ物を食べようとしたり。親は「新たな刺激を与えて成長させよう!」と思いますが、ずばり、覚える訓練よりも思い出す訓練を意識した方が記憶力は育ちます。

また、「おもちゃにあまり興味を示さない」というお話も時々聞きます。これは、そのおもちゃのレベルに赤ちゃんの発達が達していなかったり、親がおもちゃを触る姿を見せていなかったりする事が原因。

そもそも、人間の脳に記憶を司る部分が育ってくるのは生後5~6ヶ月頃と言われています。

この頃には、おっぱいの吸い方が下手になったり離乳食を始めたりしますが、理由のひとつが経験を覚える事が始まるからです。

とはいえ、まだ記憶力は1日も持ちません。

私の経験上、生後9ヶ月頃で記憶を翌日に持ち超すようになり、1才過ぎで3日ほど、1才3ヶ月頃から1週間程度に延びていく感じでしょうか。その後、2才頃には数ヶ月、2才半以降は1年以上前の記憶を思い出す事が始まります。

この2才半頃にもなれば、どこのお子様でもひとつのおもちゃに集中して遊ぶようになるはずです。

それどころか、ご飯に呼んでも遊びに熱中して離れられなかったり、お店のキッズコーナーから帰らないとダダをこねたりしますよね。このような事から、集中力は記憶力と比例して育つことが考えられるワケです。

 

3才頃には幼稚園や保育園での出来事を覚えて、思い出話をしてくれるでしょう。この頃には、難しいパズルや神経衰弱ゲームもできるようになります。

1才頃の育児で、「子どもが飽きっぽくて……」と悩まれているお母さん・お父さん、心配しなくても大丈夫です!

ちなみに、4才頃には、ゲームのルールを覚えるなど記憶の応用が始まり、5才〜6才になれば1週間前の晩ご飯に何を食べたかを思い出せるほどの記憶力が育ってくるでしょう。

小学校入学時には、親や先生の言った事を「正しい知識」として全て記憶するようになり、9才、小学3年生頃には自分が覚えている内容を疑ってかかる行動が始まります。

疑う行動がはじまると、テストなどでケアレスミス的な、簡単な事でも忘れる、難しく考えすぎるような行動も表れてきます。

この辺りの事は、またいつかこのコラムでしっかりと解説させてもらうとして、その後、小学校を卒業する頃には、自分なりの常識を形成すると言われ、思春期には周りの意見を聞かなくなり、記憶する内容を自分で選ぶようになります。

このように、幼少期は集中して遊ぶ時間の長さを見れば、その子の記憶力がどの程度育っているか予測がつきますし、子どもがやりたい事は、基本的に成長に必要な行動をとっているので、親の思い込みで子どもの行動を判断し抑止してはいけません。

もちろん、最近話題のギフテッドと呼ばれる子どもや、何かの発達しょう害が原因の場合もありますし、両親の遺伝的な能力差や個性もあるでしょう。

個人差はありますが、「思い出す」という機会を作ってあげることは大切です。

我が家では、子どもが遊ばなくなったおもちゃも、すぐには捨てません。一旦、段ボールにしまって半年後、一年後にもう一度子どもと一緒に出してから不必要な物は捨てます。

皆さんも、昔の思い出写真などを見て、昔の事を思い出してみてくださいね。

きっと脳が活性化されると思いますよ~。

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。

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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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