休ませる?背中を押す?子どもが学校に行けない時に考えたいこと【本当にあった育児相談Q&A】
焦る親心と、揺れる子どもの気持ち。思春期の不登校にどう向き合うか
■藤原さんの育児学Vol.150■
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
夏休みに入り、我が家では息子が大学のオープンキャンパスに出かけていったり、娘が友達と公民館イベントに行った帰りに一瞬迷子になったり。夏休みらしい非日常の体験が起こっています。
「かわいい子には旅をさせよ」と昔から言いますが、酷暑の中のお出かけはかなり神経を使いますね。
かといって、家でエアコン三昧も控えたいですし、夏の過ごし方、悩ましいです。
夏休み明けを前に不登校の相談から考える
さて、今回のコラムは、6月にコラム下部の相談フォームよりいただいた、不登校に関するお悩みについて。公開許可をいただけた方がおられましたので、実例を紹介したいと思います。
夏休み明けも、不登校相談が増えるタイミング。
生活リズムが崩れると、子どもたちがSOSを出しているのに、気づけないことも。
心のバランスを見守っていくためのコツをお伝えしていますので、育児の参考にしていただければと思います。
ご相談内容/中学2年生・男の子・関東地区
先週の火曜日から、長男が学校を休んでいます。
先週の月曜日は、青白く傷ついた顔で帰って来ました。
原因はひとつというより、真面目で完璧主義で優しい息子が、いろいろなプレッシャーや出来事に限界を迎えたのかなと思いました。
休んでからも朝はちゃんと起きて、ご飯もおやつもしっかり食べ、ゲームもたっぷりしています。
YouTubeのアカウントを作り、自分で編集して投稿するなど、日に日に元気になってきて、笑顔も多く見られます。
YouTubeの登録者数が増えたり、動画が再生されたりすると、とてもうれしそうに報告してくれます。
が、「明日は学校へ行く!」と言っても、朝になると「行きたくない・・・」と元気がしぼんでしまう様子です。
親として焦ってしまうところがありますが、今の段階で私や夫は、どのような接し方が良いのでしょうか。
「明日は行く」と言っても、朝になると行けない
ご相談いただいたタイミングは、お休みになられてから2週間目くらいですね。
休む前日に、青白く傷ついた顔で帰ってきたとのこと。とても心配ですね。
このような変化にお母さんが気づかれるということは、親子関係に問題はなさそうですね。
家での生活は、自分のリズムで過ごせているようですので、家庭環境の問題は文面からは感じませんでした。
部活やテスト、人間関係など、具体的な問題が分からないので、一般的なところからお話ししてみますね。
読み進められて、何か心当たりや思い出したことがあれば、お知らせいただければと思います。
まず、時期的に「5月病」「6月病」と呼ばれる期間に該当する時に学校を休み始められているので、気圧の変化や、新年度の学校環境への適応疲れが出ていることも考えられます。
特に6月は祝祭日がなく、中間テストや期末テストなども迫り、ちょっと休憩する時間が取りにくい時期。
緊張感が続き、頭では分かっていても、心や体が追いつかないということが現れやすくなります。
文章にもあるように、「明日は学校へ行く!」と言うけれど、翌朝には行けない。
これは、頭では分かっているけれども、体が言うことを聞いてくれないという状況でしょう。
原因を探るより本人の判断を尊重する
このような時、どう対応すれば良いのか?
息子さんは、頭では「学校へ行かないといけない」と分かっているので、親や周りの人が「学校に行きなさい!」といくら言っても、本人も分かっていてどうしようもないので、苦しめるだけになってしまいます。
中学2年生という成長段階は、私が過去のコラムで書いているように“サナギ期”に該当します。
自分の殻に閉じこもっているように見えるけれども、繭の中では美しい蝶になるための準備が進んでいるという段階。
この繭の殻を無理に破らないように、息子さんに何があったのか、心を探るようなことはしない方が良いでしょう。
かといって、まだギリギリ子どもの枠の中の年齢。
無関心を装うと、「僕に興味がないのか!」と、不満がたまっていきます。
両親に甘えたい気持ちと、自分が子どもから大人へとステージが変わるタイミングで戸惑っている段階。
接し方としては、お子さんの判断を尊重してほしいと思います。
学校とは違う世界を体験してみる
そして、できれば少し、大人の世界を体験させてあげましょう。
学校に行かなくなった子どもに対して、「疲れているから休ませてあげよう」と考えるだけではなく、本人の様子を見ながら気分転換したり、新しい経験をしたりすることも大切だと思います。
世界が狭いので、例えば行ったことのない県に観光に行ったり、憧れの人の講演会やスポーツ観戦、コンサート鑑賞なども良いチャンスです。
富士山に登山するとか、フェリーでゆっくりした時間を過ごすとか。
学校へ行った時に、友人に話せるネタを用意してあげるのも良いでしょう。
動画制作でYouTube番組を作っておられるのなら、そのネタ作りになるような体験を、親子でしてみたらと思います。
心だけでなく、体の状態も見てみる
一方で、物理的にお母さんに意識してほしいことがあります。
まずは姿勢。
現代の子どもたちは、パソコンやスマホを見る時間も長く、頭が前に出るような姿勢になっていることがあります。
長時間同じ姿勢で過ごしていると、体への負担もかかります。
整体師やヨガ講師など、専門家の助言を受けながら、姿勢を意識することもひとつでしょう。
成長期だからこそ栄養バランスも意識する
また、心身の状態を考えるうえで、栄養バランスも大切。
私自身、中学校の時に不登校になったのですが、思い出すと口内炎が出ていたり、野菜や魚を食べなかったり。体の栄養バランスが崩れていたことを思い出します。
親としては、ストレスを軽減しようと、私の好きなものを食卓に並べてくれたのでしょう。
けれども、食生活が偏れば、心身のコンディションにも影響します。
お母さんも、妊娠中や産後に情緒が不安定になったり、生理期間中にイライラしたりすることがあったと思いますが、栄養のバランスが心身の健康維持に大切なのは同じ。
最近のプロテインは様々な味が開発され、飲みやすくなっています。必要に応じて、食事を補う選択肢のひとつとして考えてみても良いかもしれません。
家族で食卓を囲む時間も大切に
食べ物は、すべて子どもの自由にするのではなく、できるだけ1日1回は家族そろって食事を取っていただく方が良いかと。
家族で集まって食事をすると、自然と会話も生まれます。
それだけでも、気持ちを外へ出すきっかけになることがありますよ。
小学生のころから「好きだったこと」を探す
さらに、私流のアドバイスを加えますと、息子さんが小学校3~4年生の頃から好きになったり、取り組んでいたりすることがないか、質問したり見つけたりしてみてください。
例えば、サッカーを始めたとか、漫画やアニメとか。もしかすると、それがYouTubeかもしれませんね。
この期間の経験が、人生をかけて取り組むものとの出会いになるケースもあります。
そういったものがあれば、応援してあげてほしいと思います。
子どもの小さな声を聞き逃さない
さて、いただいた内容から思いつくことを、ひと通り書いてみました。
息子さん、まさに今が思春期真っただ中。
異性を意識したり、先生の心ないひと言にショックを受けたりすることもあるでしょう。
大人ならさ細なことでも、この年齢では人生最大の難関と立ち向かっているわけで、お子さんの話はすべて真剣に聞いてあげてほしいと思います。
これからの時間で、きっと小さな声で、聞き流してしまいそうな雰囲気の中、とても大事な心の声を言う時があるハズ。
何かの要望か、悩みか。内容は様々でしょう。
そのひと言を、聞き逃さないようにしてください。
軽視していると、子どもの中でストレスがどんどん大きくなってしまうこともあります。
そして、思春期の後半には、親子の時間を増やそうとする心の変化が出てくることもあります。
その時に話し相手になってあげられれば、息子さんは子どもの殻を破り、急に行動が大人びてくるかもしれません。
そうなれば、自分の力で壁を突破していくハズですよ。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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