明るい未来のために!子どもたちに伝えたい「学ぶ理由」【藤原さんの育児学Vol.18】
今こそ考えたい「学問のすすめ」
新型コロナウイルスの影響で学校が休みになり、多くの家庭では子どもの預かり場所を探しておられる事と思います。
我が家(鳥取県米子市)でも、小学校の息子は家で過ごすことになり、娘は幼稚園へ通っています。
問題は、この急にできた小学生の息子の時間の使い方。勉強させるのか、はたまた遊ばせるのか……。
ですので今回は、学ぶ事の意味について書いてみたいと思います。
皆さんは、福沢諭吉の「学問のすすめ」を読んだことがありますか?
関連書籍がいくつかありますが、私のオススメは、テレビなどでおなじみの明治大学教授・齋藤孝先生が現代語訳した「学問のすすめ」です。
私の元に訪れる、大学生や高校生にもプレゼントしたり、勧めたりするんですが、これを読めば勉強する事の意味や目的が分かるハズです。
現代社会での勉強する目的は、お金を稼ぐため、そのためにいい大学に入らないといけませんし、受験に勝つためには塾などで時間のほとんどを勉強に費やさないといけないという構図になっています。
そして大学を出て新社会人となった時には、私はイジワルな質問をしてみます。
「何のために今の会社に入ったの?」「毎月1億円もらえたら何する?」
お金儲けを目的として学んできた人々は、ローンを返すとか車を買う、海外旅行に行くといった数百万円で解決できるような事しか答えが返ってきません。
その大切なお金。その中でも一番高額な1万円札の人物が福沢諭吉です。
1万円札に気に入られるためには、まずは彼の考え方を理解した方がいいような気がしてきませんか?
最初に結論。ずばり学問の目的は「自立」
結論を言えば、学問の目的は「自立」です。
国語・算数・理科・社会に英語やプログラミング、体育や音楽など様々な科目があり、義務教育として日本人なら学ぶワケですが、現代社会で自立するために必要な能力を得る機会がここに当てはめられています。
では、自立とはどういった状態を示すのでしょう?
簡単に言えば、「人に影響を受けずに」「自分一人で判断できる」という能力です。
しかし、ほとんどの人はできないと思います。
子どもの学校が臨時休校になった時、自己判断で会社を休めますか?
公務員であれば、憲法は遵守しなければなりませんが、憲法違反にならない事でも自己判断はできません。
国家に仕える、企業に雇われると、どうしても自立から一歩遠のいてしまいます。
特に日本では、「連帯責任」「協調性」が大切にされ、個人よりも団体が重要視されています。
しかし、その中心には日本人が大切にしている責任感があり、自立とのバランスが必要になってきます。
欧米では、自己責任の意識が高く、個人の判断を尊重するために「助け合い」の精神は、日本ほど高くないように感じます。
学ぶか学ばないか、それも個人の自由なのだから、結果的に所得が低くなったり生きるのが辛くなったりしても、「自己責任でしょ」と考えてしまいます。
格差社会が広がり、薬物や犯罪などが凶悪化するのは、自立を自己責任に任せている事に原因があるワケです。
そんな時に皆さんに聞いていただきたいのが「社会的共通資本」という考え方。
鳥取県出身の経済学者・宇沢弘文先生は、教育や医療などは社会の責任で整備するものだと訴えました。
何もないところで自立を目指すのではなく、土台を作った上で自立が必要だと言ったのです。
では、子ども達にとって、何が土台だと考えますか?
今回、新型コロナウイルスから子ども達を守るために、全国の公立学校が臨時休校になりましたが、これができるのは家庭があるという前提。
しかし、保育園整備などして共働きを推進し、生まれたばかりの子どもまで預からせる方策をとった事で、残念ながら家庭は子どもが慣れている場所ではなくなってきています。
夫が高給を稼ぎ、専業主婦の家庭なら問題ないかもしれませんが、共働き率が高く所得の低い山陰地区で生活する私達は、混乱してしまいますよね。
まず、私達が考えないといけないのは、子どもをどこに預けるかではなく、家庭という土台はどうあるべきかという事です。
そして、土台を作った上で、どう子ども達に学びの機会を与えるか考える事が重要です。
「うちの子は自立しているから、一人でお留守番させても大丈夫」
「学童保育が勉強も見てくれるから」
本当にそうでしょうか?
世界が混乱している今は、子どもに不安を与えない判断、自立した大人の判断ができるか試される時です。
さあ、皆さんは今までの人生で何を学んできましたか?
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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