小学校1年生は天才!可能性を広げるために気を付けたい重要ポイント【藤原さんの育児学Vol.19】
もうすぐ入学式!ピカピカの一年生の保護者の皆さんへ
世界は新型コロナウイルスと戦っている今春、晴れ舞台の卒業式や入学式が縮小・延期となっている家庭も多い事と思います。
そもそも学用品の準備もままならない状況ですが、成長は待ってくれません。
今回からは、以前のコラムで書くとお話しさせていた小学生の成長について書きたいと思います。
そもそもどうして6才から小学校へ?
まずは……
祝!小学校御入学おめでとうございます!!
日本の義務教育は6才になってからの4月に始まります。
世界の国々も、半年早かったり遅かったりと多少前後はあっても、この頃に小学校に当たる義務教育がスタート。
そんな中、フランスは昨年秋より、6才からだった義務教育を3才からに引き下げました。
預かり保育無償化や待機児童ゼロを目指す日本、「小1の壁」「幼少連携」「厚労省vs文科省」など話題になることも多い教育システム。
なぜ、多くの国が6才からなのでしょうか? みなさんは考えたことがありますか?
もう10年以上前になりますが、世界各国の大学が連携して「義務教育開始時点の教育格差が生涯格差に関係するか」という研究が行われました。
結果は、入学時時点で読み書き・計算の基本ができている子どもと、そうでない子どもとでは、生涯獲得所得が10倍以上違うという衝撃的な内容でした。
日本のある脳科学者も「IQが延びるのは7才位まで」と言っているように、「勉強できる脳」の土台は6才前後の環境に大きく影響されるようです。
人間の大脳の容量は3才までに80%、6才で90%、9才ではほぼ100%が大人近くまで育つと言われています。
私はここまでを、人間の土台を作る時期と見ています。
その後、12才までが生きている時代の環境を学ぶ期間、15才までは自分で意思決定したがる第二反抗期の思春期、18才では自立して生活できる能力を得ている事が理想です。
21才では親離れ、25才で遊びや仕事を知り、28才で結婚できたら……、なんて思い通りにはいきませんよね(笑)。
ちなみに私は28才で今の会社を興したため、結婚はさらに3年後となってます。
「知らない=教えられていない」だからこそ可能性は無限大!
話を元に戻します。
小学校入学時に読み書き計算ができている事が重要な分岐点になるワケですが、現実の特に地方の公立小学校をみると大きな格差があります。
自分の住所や名前を漢字で書き、平仮名も片仮名も読み書きできる子もいれば、平仮名を半分程度しか読めない子も同じクラスで新生活がスタート。算数も、かけ算まで覚えている子がいれば、3+4も知らない子がいます。環境も、保育園など大人数の環境に慣れている子もいれば、家族としか関わった事がない子もいます。
様々な子ども達がいますが、それは頭が良い子とそうではない子の差なのでしょうか?
私は、そうでは無いと思います。
単に、教えられていないだけで、6才の子ども達は個人差はあれど、どの子も多大な可能性を秘めています。
昔TVのCMで「友達100人できるかな〜♪」というフレーズがありましたが、大人の皆さん、100名の顔と名前覚えられますか?
6才の子ども達は覚えられるんですよ!スゴいですよね。
そして、この頃の子ども達は、ケンカした時などに「先生が○○と言っていたから」とか「ママがダメって言ってたもん!」などと口にします。
この意味は、先生や親から教えられたことは「正しい事」として疑う事なく覚えると言うこと。
よくニュースなどで、電車や車の名前を大量に覚えている男の子が話題になったり、たくさんの言語を話す女の子がいたりしますが、教えられたことを丸覚えするのが6才から9才頃なので、この年齢の間は、子ども扱いせずにたくさんの事を教えてあげると喜ぶワケです。
では少し前の5才はどんな段階なのでしょう?
幼稚園では年長さんになる5才、かなりしっかりしてきます。
幼稚園の友達と遊ぶ約束をしてきて、家に帰るなり「○○くんの家に行きたい」などと、親と遊ぶよりも友達と遊ぶ事が楽しくなってきます。
義務教育開始時点での格差は、この段階から始まるのでは?と私は考えています。
子どもが子ども同士で外遊びするようになると、親としては育児から解放され、グッと楽になります。
子どもの成長にとって、友達と遊ぶ事は一番大切な事ですが、同時期に文字を読み書きする脳も育ちます。
多くの習い事教室がダイレクトメールなどで営業攻勢にかかるのも、この時期の子どもは学びは遊びの一種で、急速に吸収でき、効果が出しやすいからなのです。
決して教材の質が良いからというワケではありません。
また、子ども同士で遊ぶということは、子ども同士でライバル心も生まれてきます。小学校入学が6才なのは、こういった学ぶための体の基本ができてくる段階なのです。
教科書を使って予習のクセをつけよう!
4月生まれも早生まれ3月生まれさんも一緒に小学校生活が始まります。
そのため、日本の小学校の1年生は、宿題も少なく授業も学校生活に慣れる程度に始まります。いろいろな事を吸収できる、IQが伸びると言われる時期に、あまり学習を進めません。しかし、2年生、3年生と進むと、漢字を覚える量は倍々と増えていきます。
2年生の最後に出てくる“かけ算”は何とか乗り切っても、3年生になる頃には授業について行けない子ども達が出てきます。
そうならないためには、小学校入学時にもらった教科書は家庭で予習して進めるクセをつけましょう!
以前のウソについて書いたコラムで、二面性が表れるのが6才頃と書きましたが、学校で頑張るために家で休息や癒やしを必要とするのもこの頃の子ども達。
【関連記事】ウソつきは成長の始まり!?子どものウソは大事な発育のサインだった!?【藤原さんの育児学Vol.17】
塾に行かせるなどして親に甘える時間が減ると、さらにストレスを溜めてしまいます。
2年生で不登校になってしまう子どももいるので、「頑張らせ過ぎない」程度に勉強を進めてあげてほしいと思います。
※上記年齢は、平均的な基準として表現したものです。成長には個人差があり6才でも3才程度であったり、逆に8才程度の能力を発揮されるお子様も周りに居られます。その子が今どの段階なのかを判断する事が大切です。心配な方はお気軽にご相談くださいね。
【山陰の育児・子育てハック記事→】レインディア藤原さんの記事一覧
※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
状況の変化、情報の変更などの場合がございますので、最新の情報は店舗・施設のHPやSNSを確認するか、直接お問い合わせください。
この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
【レインディア藤原さんの過去記事一覧はこちら】
コーセリプロジェクトHP