子どもとメディアの上手な関係性!時間配分のコツ・選ぶポイント【藤原さんの育児学Vol.28】
withコロナの時代は「withメディア」。子どものスマホやテレビとの付き合い方を考える
みなさんこんにちは。
夏休みが終わり、学校や幼稚園が始まって、久々のひとり時間がうれしい藤原です。
今年はコロナ禍と酷暑で不用意な外出はできませんし、お盆も移動自粛となり、全国の子どもたちが思い出を失った夏でした。
我が子も例に漏れず、毎日「暇だ〜」「遠くの公園に行きた〜い」とパパを困らせてました。
パズルをしたり塗り絵をしたり、シャボン玉にプール、料理に挑戦したりと家でできる事に次々挑戦しましたが、やはり最後にはテレビやパソコン動画が見たいという事になります。
特に今年はテレワークが広がり、パパやママが仕事でパソコンに向かう姿が増えたために、みなさんのご家庭でも子どもたちが、パソコンやスマホを見たがったのではないでしょうか?
普段、幼稚園や子育て支援センターで講演したときにも、必ず「スマホやテレビは見せても良いのでしょうか?」との質問をいただきます。
そんなワケで今回は、メディアとの上手な付き合い方について考えていきたいと思います。
メディアは良い・悪いではなく、「時間の使い道」のひとつとして考えるべき
“テレビやパソコンを見る事は悪い”といった論文や世間話は良く聞きます。
しかし今回のコラムは、テレビやパソコン動画などとの上手な付き合い方を目指して書きたいと思います。
目が悪くなる、近視になったり視野が狭まったり、また、一方通行のためにコミュニケーション力が弱まったり思考力が低下したり、といった問題も提起されています。
しかし昔からあった本も、ずっと読んでいたら目は悪くなりますし、一方通行である事は変わりません。
依存性に関しても、子どもたちは「テレビをあと5分見せて!」と言いますが、本であっても「この章が終わるまで」とすぐには止められません。
本の方が役に立つ!という声も聞かれますが、コミュニケーション力向上の本を読んでも友達が増える訳ではなく、恋愛本を読んでも恋は思い通りにはいきませんよね。
では、テレビとパソコン、またはスマホは同じなのでしょうか?
これらは光や音を発する所が一緒ですが、画面のサイズや内容は違います。
昔のテレビは、画面も小さく粗く、子ども向け番組は特に場面変化が少なく、視聴時に眼球の動きが制限されるために目負担があったとされています。
しかし今のテレビは、画面も大きく視野角も広いですし、子ども向け番組は特に内容が精査され、配色や場面展開、音や言葉使いまで考えられてきました。
この点で、YouTubeなどの投稿型動画サイトとテレビ番組とは、制作時にどの程度子どもの健康が考えられたかの質は違うでしょう。
スマホ画面は、昔のテレビ以上に画面が小さく、より近くで見る事を考えると目が疲れる要因にはなるでしょう。
小学生の息子には、本とテレビは1日3時間まで、パソコンは2時間、スマホは30分程度を上限としています。
幼稚園児の娘はその半分程度が理想ですが、兄妹は同じ生活環境なので、少し短い位です。
こう書くと、長いと感じられる方も居られるかもしれません。
特にエビデンスがあって設定した訳ではありませんが、映画を見たり調べ物をするとこれくらいの時間は必要になってきます。
メディアの視聴時間は、先天的、または遺伝的な視力の問題、慣れなどが関わってきて個人差が大きいので、残念ながら皆さんが参考に出来る様な一概に○○時間までとは言えません。
ただし、ゲームはどんなジャンルにおいても1時間まで、ボードゲームやトランプなども同じく、勝敗や射幸心をあおるような物はストレスや精神面での不安が出てきます。
メディアが良いか悪いかではなく、時間の使い方の一案として考えないといけません。
視聴するコンテンツを選ぶのではなく、まずは子どもの「見たい」を理解
多くのお母さんから、「家事が忙しくて、ついテレビの力を借りてしまいます。」と声をいただきます。
みなさんが強く罪悪感を感じておられます。私はテレビの害よりも、こういった些細なお母さんのストレスが、子どもに悪影響を与えていないかと心配します。
病院の待合室や公共交通機関の中等で、子どもに静かにして欲しい時、少し見せたからといって罪悪感を感じる必要はないでしょう。
※周りに人がいる時は、音はオフにしましょう。
私は、自分が持っているアニメやマンガを息子に渡しましたが、私が選ばずとも子どもは自分のレベルに合った物を選んでいきます。
逆に私がオススメしても、「絵が怖い」「意味が分からない」と手に取ってさえくれません。
悪い番組が子どもを悪に導く面もあるかもしれませんが、そういった番組を好む段階ですでに、子どもの中にストレスやコントロールできない感情が生まれているのかもしれません。
なので子どもの成長を知るバロメーターとして、親がコンテンツを理解する必要はあるのではないでしょうか。
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メディアを見た後のフォローが一番大事!
私がみなさんに伝えたいことは、メディアを見た後の付き合い方です。
まずは、目の休息です。
以前のコラムでも書きましたが、1日1時間程度は太陽光程度の明るさに触れることが目の成長に必要と言われ始めています。
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雨の日には家にいるため、テレビや動画の時間が長くなりがちですが、太陽の元で遊べない日こそテレビなどの時間は減らしたいものです。
子どもたちは元気に動き回るので、目の休息と言っても難しいかと思いますが、そんな時は顔のマッサージをしてあげましょう。
我が家では、“にらめっこ”をして家族で変顔遊びを取り入れています。
こんな馬鹿みたいな事でも、筋肉の緊張を柔らげコミュニケーションになり、子どもの心の休息にも繋がります。
そして私は、「今日は何を見たの(読んだの)?」と必ず子供に質問して内容を共有するようにします。
子どもは、アニメや動画をマネして汚い言葉を使ったり、ジェスチャーや表情などの表現力を学んだりします。
息子は音楽番組を見て自作の歌を歌ってくれましたし、娘はディズニーアニメのキャラクターの真似が上手でおもしろいです。
親として、子どもが何に影響を受けて行動しているか? 知っていると安心ですが、知らないとどうでしょう?
頭ごなしに「そんな言葉使いはダメ!」などと叱ったり、「訳の分からない歌を歌うな」などと創作力を否定してしまったりしていませんか?
そもそも、視覚聴覚感覚を一度に刺激する映像は、成長意欲の高い刺激を欲する子供たちにはもってこいのツールです。
本やラジオ、手紙などを駆使していた時代から発展し、楽に情報が得られる時代になり、コンテンツは与えられる時代から選ぶ時代に変わってきました。
「まったく見せない」は考えもの……
私が昔、外国人に日本語を教えるボランティアをしていたとき、敬語が上手なブラジル人と出会いました。
彼は、日系ブラジル3世でしたが、両親も日本語を話せず、独学で勉強したと言います。
日本人の若者でも苦手な敬語を、どうやって学んだかと聞けば、NHKBS放送の時代劇番組を見て日本語を学んだと。
最近、子どもたちが英語のビデオ教材で学ぶ話も聞きますが、イントネーションなど映像には多くの利点もあるワケです。
キャッシュレス化やオンライン授業、カーナビや自動運転の車なども普及していくなか、メディア対応能力のレベル向上は喫緊の課題です。
1日の生活が、テレビやパソコンばかりではもちろんいけませんが、全くふれさせないのでは、これからの社会で出遅れることになる面もあるでしょう。
我が家では、子どもたちもひとり1台パソコンを与えています。
4才の娘は、ひとりでパソコンを立ち上げ、パスワードを入力し、YouTubeを開いて動画を開き、広告をスキップして好きな動画を楽しんでいます。
意図しない画面になった時は親を呼ぶわけですが、文字もたいして読めないのに、パソコンはお婆ちゃんよりもよっぽど上手に使います。
小学5年生の息子は、夏休みの工作の宿題を作るときに、ネットで検索して“誰も作っていない物”を探していました。
世界では今、テレビもパソコンも無いけれど、最新のスマホを持っている人が急速に増えています。
アフリカやアマゾン奥地の原住民でもスマホを持っている時代、日本が携帯電話と同じようにガラパゴス化しても良いのでしょうか?
もっと話したいところですが、長くなってきたので今回はここまで。
次回もメディアについて取り上げたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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