イヤイヤ初期から中期の変わり目は?コミュ力がグンと育つ中期の対応方法【藤原さんの育児学Vol.47】

レインディア藤原さん
レインディア藤原さん

「イヤイヤ期」大解剖コラムの第2回。今回はイヤイヤ期“中期”を中心に

みなさんのおかげで、当コラムが4月の月間ランキング1位&5位になったようです。1位、いい響きですね〜人生で久々にいただきました(笑)。

競っているワケではありませんが、多くの方に読んでいただけてとってもうれしいです。

では、改めまして、今回は前回のイヤイヤ期初期に続く中期のお話をしてきたいと思います。今回もよろしくお願いいたします。

【前回のイヤイヤ期コラム】[イヤイヤ期大解剖その1]赤ちゃんへの対応は言葉ではなく行動で示そう【藤原さんの育児学Vol.46】

イヤイヤ期の初期から中期の変わり目の特徴とは?

イヤイヤ期の初期は、自立心が育ってきて、とにかくすべてがイヤイヤに反応し出すので、一番大変な段階と前回書きました。

では、中期はどうかと言いますと、どんどん成長し人間っぽくなっていきます。

前回は、月齢でいうと2才3ヶ月頃までを書いています。この頃の月齢では、喜怒哀楽の感情が育ってきて、恐怖感や恥ずかしがる行動が始まります。「ママ(パパ)の言うこと聞かないと鬼さんがやってくるよ!」などと言うと怖がるのもこの頃から。

ネットの育児記事などで「鬼がくるなどと言って子どもを怖がらせるのは体罰だ」などというものがありますが、恐怖感は身を守るために必要な能力であると同時に、少しの恐怖に慣れる事や想像力を鍛えることにも繋がるので、私は必要な経験だと思っています。

もちろん、乱発して恐怖で子どもを支配しては絶対にダメですよ!

また、言葉の爆発期とも重なるこの段階では、耳で音を捉えることも上手になってきます。

以前、横浜市在住のママから「娘が交差点で固まってしまいます」という相談を受けたことがあります。出張ついでにこの親子さんへ会いに行き、お子さんの街中での反応を見せてもらいました。

真っ直ぐの道路を歩いている時はいいのですが、交差点にくると確かに固まった、というか動かなくなってしまいます。

この子の場合、交差点で四方八方から音があふれる状況の理解に脳がフル回転しているようでした。成長するにつれ、脳は耳と連携して人の言葉を聞き取りやすくしたり、雑音を捉えないようにしたりします。

このご家庭では、家でもテレビなどがなく、静かに家で過ごすことから、他方からの騒音に慣れていない事が原因と考えられました。アドバイスとして、ヘッドホンを使ったり、お家でもラジオや音楽を聴いたりと、音を意識してもらう事をお願いしました。

イヤイヤ初期から中期の変わり目の後はいよいよ「質問攻め」時期

イヤイヤ期が初期から中期に変わる頃には、言葉を明確に捉えたり、物の名前以外の「感情を表す言葉」や、かわいいなどの「形容詞」も理解するようになっていきます。

そして、来るのが質問攻めの時期です。

「どうして○○なの?」といった質問が始まり、いろいろな事を知りたい時期になっていきます。

昔、アニメ「一休さん」に、どちて坊やというキャラクターがいましたが、まさにああいう感じで「どうして?」を連発する子もおられます。(たとえ、伝わるでしょうか……)

この質問攻めがきたら面倒がらずに、一つひとつ簡単にでも良いので教えてあげましょう。

物事を知りたい気持ちは向上心からの行動なので、成長意欲が高まり、教えてあげるとどんどん吸収していきます。

日本人はコミュニケーション力が弱いと言われますが、2才児のコミュニケーション力は凄まじく、この頃から会話で意思の疎通が取れるようになってきます。

会話で自分の気持ちを伝えられるようになると、叱られた時にも「なぜ叱られたのか」を自分なりに考えて理解し、「わたしが○○したから悪かった。ごめんなさい」と謝ることもできるようになるでしょう。

とはいえ、まだ言葉を使うことを始めたばかりなので、謝ったからといってすぐに理解できるワケではありません。

例えば、娘が私の耳元で大声を出した時の事です。「痛い!パパの耳が壊れちゃうでしょ!耳元で大声出しちゃダメ!」と叱ったとします。子どもは、パパの反応にビックして泣いたり謝ったりしますが、叱ったからといって「次からしない」という約束はまだできません。

では、どうすれば耳元で大声を出さなくなるのでしょう?

それは、少し後に、今度はひそひそ話をして、パパの耳元で小さな声で話をする場をつくりましょう。その時に「さっき大声を耳に出したからパパが怒ったの分かる?」と、同じ状況の時に再確認をするんです。

この再確認を何度か繰り返す事で、本当の理解に繋がってきます。躾の仕方に関しては、過去のコラムを参照ください。

【関連記事】藤原流「タイムアウト」2才までは叱らない!?子どものしつけは2才から【藤原さんの育児学 vol.7】

ウソをつき始めたら「叱らない」ことに重きを置いて!

会話でのコミュニケーションが上手になってくると、ウソをついたり、仕返しを考えたりする行動も始まります。

お菓子を食べたのに「食べてない」と言ったり、落書きしてしまったのに「やってない」と言ったりと保身のためのウソを言うようになります。

今度は私の息子が2才半頃の事ですが、外で遊んでいる時にパパに石を投げるので私が叱ったら、息子は泣きながら家にひとりで入っていきました。後を追って家に入ろうとすると、玄関ドアも窓もすべてカギをして、2才児にパパは閉め出されてしまいました(笑)。

子どもの行動は本当におもしろいですし、たった2才でこんなにいろいろな事を考えるのかと驚きますね。

その時私は、玄関の前で「え〜んえ〜ん(泣)お家に入りたいよ〜」と泣きマネをしたら息子がカギを開けてくれました。ちなみに、このような保身のウソや、頭を使った行動は、一切叱らないであげましょう。

子どものウソに関しても、過去のコラムで書きましたが、ウソはコミュニケーションのひとつで言葉遊びの一種です。

きっとお子さんは、ウソを言いながらにやけていたり、ウソがばれると喜んだりしているのではないでしょうか?

言葉を使うことに慣れる、工夫する事が始まると、替え歌を作って楽しんだり、人にモノを教えたりができるようになります。躾が分かる段階に入ると、子どもの理解を無視してたくさんの「約束」をさせようとする親さんがいますが、それは体罰なので注意してくださいね。

【関連記事】ウソつきは成長の始まり!?子どものウソは大事な発育のサインだった!?【藤原さんの育児学Vol.17】

さて、イヤイヤ期中期に関して書き進めてきましたが、長くなってきましたので今回は中期の前編という事でここまで。

次回、イヤイヤ期中期~後編をお楽しみに。

※掲載の情報は、記事公開時点の内容です。
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この記事を書いた人
レインディア藤原さん

Reindeer 代表取締役社長

レインディア藤原さん

北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。

最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。

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