不登校の予防【前編】不登校になる要因は?実体験をもとにきっかけを探します
不登校を予防するためには「きっかけ」を知るところから【前編】
■藤原さんの育児学Vol.90■
みなさんこんにちは。レインディアの藤原です。
今年も新年度が始まりましたが、みなさんいかがお過ごしですか?
今春、今までに不登校相談を寄せられていた方から感謝のお手紙やメールをいただきました。進級の報告や合格の連絡、就職が決まった!といった、その後の人生を順調に進められている連絡がくると、とてもうれしいです。
昨年は不登校に関するコラムが年間アクセス数1位となり、3月には地元の中海テレビさんで、不登校を題材とした報道特別番組「子どもの未来をみつめる」のコーディネーターを担わせていただきました。
もし今、不登校や引きこもりなどの問題を抱えている、対応方法のアドバイスが欲しいという方はお気軽にご相談くださいね。毎月、米子市の「コーセリプロジェクト」でも無料相談会を開催中。
インスタなどからこちらへ予約いただくと、各日に私が対応できますのでお気軽に。
さて、今回のコラムのテーマは「不登校の予防」。
不登校に関しては、国や大学などで様々な研究やデータの発表がされていますが、今回は私の肌感覚を中心にお話したいと思います。
というのも、エビデンスを元に対策されているはずの各種施策があるにも関わらず、一向に減少しない現実があり、様々な視点や可能性を挙げてみることも大切なのかな、と。
現在、日本にはたくさんの大学が設置され、論文を書かなければ学位が取れないために、疑問符の付くような、半ば強引とも取れるエビデンスもチラホラ。不登校は、個別に様々な理由や背景があり、数で統計を出す意味がそもそも薄い気も。
希な話題もある事を前提に、読み進めていただければ幸いです。
学校生活が充実していた私が不登校になったワケ
みなさんは、「自分が不登校になるかもしれない」と感じた事はありますか?
私自身、自分の人生で、まさか自分が学校へ行けなくなるなんて、考えたこともありませんでした。
小学校の時は運動会のかけっこで1位とか2位とかで争ってましたし、生徒会長も担っていました。習い事にたくさん通っているワケでもなく、両親も祖父祖母も同居し、学業も運動面でも、平均点以上だったのではないかと思います。
工作が大好きで、夏休みの作品が学校代表に選ばれたこともあり、友達も先輩後輩含めたくさんいたので、楽しい小学校生活でした。
そんな私ですが、中学校3年生の1学期に不登校になります。
進学への不安や内申書のストレス、仲間の裏切りや恋愛のモヤモヤもあったかもしれません。父親が無職になり酒に溺れ、家庭内暴力も頻発し、実家の壁には殴って開けた穴が今でも(修復はされていますけど)。私の不注意で弟にケガをさせてしまい、弟が夜に救急車で運ばれたこともあります。
不登校の決定打だったのは、耳の病気にかかり、病院に通わないと行けなくなった事。
思春期に、自分ではどうすることもできなかった事案に次々襲われ、心も体も限界に。朝、起きられなくなったり、お腹が痛くなったり、頭が痛くなったり、貧血で何度も倒れるようになっていきます。
今思えば、それらはすべて脳が出すSOSだったのだと気付きますが、当時、私の変化を理解できる人はいませんでした。
不登校の私を動かしたのはステーキとMTB
そうして不登校になった私を、両親や学校の先生達は一生懸命、学校へ行かせようとしました。
それに、父方の祖父母は占いや風水を信じて、庭の池を埋めたり、変なお守りやお札を購入してきたり・・・。我が家は、父方が曹洞宗、母方は日蓮宗で、仏教系なのですが、よく分からない宗教のようなモノに頼った親族を、私は受け入れられませんでした。
そんな中、母方の祖母だけは、私の言葉に耳を傾けてくれた事は救いでした。
ストレスから偏食になっていた私に、祖母は毎週ステーキ肉を買ってきてくれ、私は毎週、祖母の家へ行って、自分で肉を焼いて食べる事がストレス解消になっていました。おかげで、私は今でも肉を焼くのは上手です(笑)。
実家から祖母の家までは、自転車で1時間くらいあったので、私は当時流行りだしたMTBを購入。自転車の魅力に取り憑かれてレース活動、サイクリングで自分の世界を取り戻していきます。
今の仕事では、輸入もしていますが、高校生当時にもアメリカからの輸入などをしていた事を思い出します。
今思えば、私の人生でたった1年間。中学校3年生の時だけが最悪で、人生すべてを変えてしまいました。
私の身の上話はこのくらいにして、話を元に戻します。
不登校になる要因は、私自身を思い出しても、直前まであまり原因となる因子は一見ないように見えませんか?
おそらく現在も、学校などで行われるアンケートでは、家庭環境やそれ以前の事を問われる事はないでしょう。
しかし、不登校を経験してからの30年間、私は様々な子どもや家庭を見て、それぞれに改善の糸口を探す取り組みをしてきて感じるのは、小さな時からの蓄積した問題が皆無ではないということ。
後半では、不登校児がどんどん増える社会において、どう子どもと対峙すれば、子どもが不登校になる確率を減らせるのかを具体的に語っていきたいと思います。
【お知らせ】
現在、米子市岡成を拠点に活動している「コーセリプロジェクト」で、クラウドファンディング「親が育児を学べる場をつくることで子どもの幸福度を上げたい」を実施中です。
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この記事を書いた人
Reindeer 代表取締役社長
レインディア藤原さん
北欧インテリアショップ『reindeer』、木のおもちゃのレンタルプログラム「もくレン」などを運営。中海テレビ「県議熱中討論」コーディネーター、よなご宇沢会幹事も務める。幼稚園や保育園、市町村の子育て支援センターなどで育児講演を行う。乳幼児の育児相談から不登校問題もお気軽にどうぞ! いつも作りかけのお店はまさに秘密基地、まずは自分でするのが藤原流であり、北欧から学んだこと。お喋り大好きな二児の父です。
最近では、米子市岡成で子育て支援プロジェクト『コーセリ』の代表理事を務めています。私は子どもが生まれる前の妊娠期から、子育てや子どもの発達について学びながら準備をしていくことが、子育ての不安を減らすうえで大切と考えています。そのような視点から、子育て世代の親を対象としたセミナーを企画・開催しています。また、子どもと一緒に参加できる体験教室やイベントなども行っています。
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